前回、
「私はテレビゲームと距離を置いていた。妙に凝り性なところがあって、
手を出すとついつい時間を使ってしまいそうな気がするからだ」、といいつつ
何故かドリームキャストが手に入ってしまった、という話を書いた。
そして今回は予想通りハマってしまった、という話だ。とほほほ。 私の貴重な時間を奪い、楽器演奏技術の維持向上に悪影響を及ぼしている憎き ソフトウェア、名前を「首都高バトル 2」という。 一口でいうと、「レースゲームの皮を被った格闘ゲーム」である。 と言い切っている割に私は「格闘ゲーム」というものに触ったこともないのであるが。 舞台となる首都高にはスタートもゴールもない。 首都高上を自分の車でふらふら走っていると、敵に遭遇する。 後ろからその敵に近付いて行き、パッシングを浴びせるか、 もしくは向こうが後ろから近付いて来てパッシングを浴びせられるかすると バトル開始だ。 画面上方には SP すなわち「スピリット・ポイント」を示すグラフが現れる。 まあ、お互いの「やる気」みたいなものだ。 この SP、相手にどんどん離されていったり、あるいは壁にぶつかって しまったりするとずるずると減って行く。先に減り切ってしまった方が負け、 というわけ。 まず最初に自分の車を選ぶ。いろんな車があるのだが、最初の所持金で 買える車は限られている。敵と戦って勝利すればお金がもらえるので、 このお金でもっと速い車や各種パーツを買って戦力を増強するわけだ。
首都高は都心環状線や湾岸線、横羽線など A 〜 E の 5 ゾーンに分けられている。
最初は A, B ゾーンしか走ることが出来ない。
数多くの走り屋チームがあり、
何人かのチーム員を倒すとチームリーダーとの対決がある。
…という感じでゲームは進んでいき、そのうちに他のゾーンが走れるように
なったり、 かなり馬鹿である。しかし私の凝り性は並みではないぞ。 昼休みや通勤。街をてくてくと歩いている時に、例えばマツダ RX-7 が通れば、 「ふっ、白いカリスマ、お前には苦労させられたがもはや敵ではない。 首都高のボスはこの俺様だ」とか思ったりする。 あるいはニッサンスカイライン GT-R が通れば「あ、俺の愛車」とか。 持ち主にぶっとばされそうである。 そういえば、某黒塗りアフロバンドで御一緒して頂いている キーボーディスト K 嬢の愛車がホンダのインテグラだが、 それもゲーム登場車種であった。 ワタシが変な目でクルマを見たり、 「お前は『25 時の疾風』だな。くっくっく一発で撃破してくれるわ」などと ぶつぶつと呟いていても、見なかった事にして下さい。 それがバンドの和を保つということだと思います。違うか。 さらに。 首都高バトルで通る場所の一つに、都心環状線の銀座付近、 というのがある。ここには大きな橋桁(?)があり、その狭い隙間に 時速 200 Km 以上で突っ込むのは非常に難しい。とてつもなく手強い相手が その橋桁に突き刺さっている間になんとか勝利を手にするとか、逆に自分が激突して あっさり負けるとか、いろいろドラマが生まれる場所なんだけれど、 最近、駅の自動改札機を通るたびに、その銀座の橋桁が頭に浮かんでしょうがない。 コース取りは完璧、このままノーブレーキで通過だぜ!ぎゃぎゅぎゅぎゅーん とかつぶやきながら歩いていたりするので隣の人はかなり怖いに違いない。 馬鹿というより病気ではないのか。 そんなことしてる場合じゃないんだよなあ。十一月にライブ控えてたり、 この間行ったジャズ・セッションでいろいろ課題を見つけたりして、やることは あるはずなんだけど。 その上最近受けた健康診断で視力が落ちていることも判明。 いいことなんて一つもないではないか。と言いつつ今夜も首都高へ繰り出す 私である。 この辺で食い止めねばならぬ。「頭文字 D」や「湾岸ミッドナイト」 を 全巻揃える前に。 (筆者注:首都高バトルのキャラクタ設定や登場車種は、これら漫画の影響を色濃く 受けている。というか、例えば最強のキャラクタが乗る本ゲーム最速マシンが ブルーの旧式フェアレディ Z であったり、ゲーム終盤で湾岸線に真っ黒の ポルシェ・ターボが登場したりする辺りはほとんどパクリだ。) と書いた翌日、近所の古本屋で湾岸ミッドナイト 18 冊を豪快にまとめ買い。 誰か俺を止めてくれ。
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