上宿の花車


上宿の花車(山車)


〜画像をクリックするとお囃子が流れますよぉ〜

築造年;1950年(昭和25年)

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上宿の花車(山車)について

 ◇所有自治会【上宿自治会】

 ◇新築事業の着手【花車のはじまり】

 ◇上宿花車の誕生【完成祝い】

 ◇資金繰り【事業費】

 ◇上宿花車の役割【効果】

 ◇保管状況【課題】

 ◇上宿屋台囃子の伝承【お囃子】

 ◇これから【展望】

 ◇上宿花車(山車)図鑑
   (一)飾り付け
   (二)鳴り物(お囃子)
   (三)構築物等

【上宿自治会】
 上宿自治会の所在は、埼玉県大里郡藤澤村大字上野台〜深谷市大字上野台〜深谷市上柴町西・上野台と変遷し、現在の上柴町西六丁目とその南の上野台の一部、そして上柴町西五丁目の一部の日赤病院や上柴西小学校付近を除いた区域に当たります。
 現在上宿自治会は、都市計画事業の進展に伴い、自治会が再編され上柴町西六丁目自治会となり、「上宿」という呼び名は専ら祭典自治会の呼び名で、秋祭りには西五丁目自治会が友好的に参加して八幡神社祭典を運営しています。


【花車のはじまり】
 上野台上宿自治会は、昭和24年(1949年)のお祭りが終わった直後の翌日の10月17日に集会を開き、花車の新築について協議を行い、その事業着手にかかる相談役8名及び役員7名を決定しました。
 その後、数回の役員会と総会を経て、太鼓及びスリ鉦の購入先、お囃子の師匠、出資金の調達方法、屋台建築請負業などを決定し、その年の10月中には「上宿花車」新築事業が着手されました。


【完成祝い】
 そして翌年の昭和25年4月3日には、完成祝いの引初式が開催されました。
 引初式は、多数の来賓を迎えた村を挙げての盛大な催しとなり、懸命に練習した上宿のお囃子とともに「上宿花車」のお披露目となり、上宿中の大人子供が総出で賑やかに引き回したようです。
 ◆参考資料◆ 昭和25年2月の練習に使った「太鼓練習台帳」の写し、そして当時の道路使用許可証など、よろしかったらこちらをご覧くださいませ
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【事業費】
 その当時の額で、花車の新築事業費は、花車と車庫の築造工事を地元の建築業が責任を持って一手に引き受けることにより、太鼓などの付属品購入費を含めて総額約33万円でした。
 事業費は、上宿自治会全42戸の出資割当金及び関係有志からの寄付金によって賄われました。
 なお、出資割当金額は、予算額30万円を計上し均等割りと所有農地面積割等により算出した額を各戸の負担としました。
 また、当時の上宿の家庭は、その多くが農家であり非農家は少なく、農家は大里興業株式会社にサツマイモを出荷し、その代金を出資金に充当しました。


【効果】
 上宿の花車がつくられたことによって、八幡神社氏子区域である大字上野台の6部落(鼠、大台、小台、上宿、中宿、下宿)の花車が揃い、八幡神社の秋の大祭のときに引いて練り歩き、それぞれが伝統のあるお囃子を競って鳴らしました。
 現在、上野台の花車は、ねずみ大臺小薹上宿下宿櫻ヶ丘と6台の屋台が存在し、秋の三日間のお祭りの最中は大勢で引き回し、世代間交流の場となり、また各地区の会所を訪れ地域交流を深める役を担っています。
 祭りの中日には神輿が奉納されている神社の境内にて、また最終日には神輿が納まる直前に神輿庫のある上宿の会所前の広場に6台が集結し、たたき合いを催し祭りを盛り上げています。
 特に、最終日の午後6時半ばからは、神輿が納まるのを嫌がるしぐさを応援するかのような屋台囃子の鉦や笛太鼓は耳に刻まれ、大勢の人波に漂い見え隠れする神輿と整然と並びお囃子を鳴らし続ける6台の花車の眺めは絶景で感動ものです。

左から、上宿、下宿、小薹、大臺、ねずみ、櫻ヶ丘(上宿会所前)
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【課題】
 上宿の花車は、先人たちが苦労の末に一致団結してつくり上げた産物であり、祭り囃子を通じた村のコミュニティーづくりに貢献してきた貴重な地域の文化遺産といえます。
 築年数が優に60年を越えた「上宿花車」は、例外にもれず老朽化が懸念されます。
 従来は、当自治会内に機械工作的な造作に詳しい人が数人いて、カジやブレーキの改良及び日常点検など引き受けてくれましたが、残念ながら今はそういう人がいません。
 そこで、上柴西六丁目自治会全体で「上宿花車」を文化遺産と位置付けるとともに保存に対する意識の高揚と体制づくりが重要かつ課題といえます。


【お囃子】
 お囃子については、有志で運営している上宿屋台囃子保存会が西六丁目自治会の助成を受けながら、演奏技術の向上とお囃子の啓蒙を図るため、五・六丁目自治会の大人子供を対象に練習の機会をつくり、後継者を育成しています。
 また近年は、祭り本番以外にも上柴地区のこどもたちのための夏祭り「ふるさと上柴まつり」に参加して、こども神輿の行列とともに上宿屋台囃子を披露し会場を盛り上げています。
 なお、本ページトップの「上宿花車」の画像をクリックするとお囃子「ブッツケ〜キザミ〜スッテレズク〜大キザミ〜リンジアガリ」が鳴ります。(音量に注意してください。)


【展望】
 このようなことから、「上宿花車」は当自治会の文化遺産として位置付けられ、みなさまに末永く親しまれる存在であり続けることでしょう。


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