中国トロリー散歩

大連のBRT
中国国旗 
Dalian / China
 
撮影2019/5, 制作: 2019/6, 改訂: 2019/12
2008年1月に開業した大連のBRTをご紹介します。市電[201]路, [202]路のターミナルである興工街と空港の北にある張前北路との間、13.7kmを結んでいます。2007年5月から建設が始まり、わずか半年ほどで完成しました。道路を占拠してBRTの専用レーンを設けてますので、クルマを使う市民からは反対があったようですが、当局が一旦決めたらすぐに実行に移すところがさすが中国です。
 大連BRT1劉家橋
Liujiaqiao, Dalian, Liaoning 遼寧省大連市, 劉家橋 2019/5/3

大連BRT1路線図
腾讯地图(Soso-map)の上に、大連BRT1号線の路線図を書き込みました。
起点の興工街には折返しのスペースがないため、沙河口火車站との間は迂回路を使った一方循
環になっていて、途中に駅はありません。その先は華北路、R202号の専用レーンを経由して
、友誼橋から松江路に入ります。松江路では大連空港の敷地の北側を走ります。

※BRT(Bus Rapid Transit)については既に解説していますので、そちらをご参照下さい

大連BRT1興工街   Xing'gong jie

出発地の興工街です。番小屋風の建物の前が駅の入口で、駅員が常駐しています。窓口には交通カードの読み取り装置があります。改札装置やホームドアは設置されてません。
この場所は2007年まで、沙河口火車站との間に市電の旧[201]路が走っていたところです。


大連BRT1車家村   Chejia Village

沙河口火車站と春柳の間は、高速道路の高架下に造られた専用レーンを走ります。
車家村にて

冒頭に掲げた小豆色の車両は丹東黄海製の連接バスで、この青色の車両は同じく黄海製の12m車です。
大連BRT1劉家橋
  Liujiaqiao

劉家橋からは広い華北路の中央に、専用レーンが設けられています。"BRT快速公交専用線"の文字が見えます(下から上へ読む)。
駅へのアクセス用に歩道橋が完備されていますが、多くの人は道路を横断してホームに向かいます。

車両は最近導入されたBYDの電気バスです。開業時に導入した黄海製のディーゼルバスが老朽化したため、新規に導入されました。
大連BRT1周水前  
Zhoushuiqian

周水前の北側、陸橋の上で道路は大きくカーブして、華北路からR202号(黒大線)になります。この陸橋は専用レーンに仕切りが無く、アンツーカー舗装で区別しています。一般車の進入も大目で見ているようです。

大連BRT1周水前   周水前站です。奥に連接バスのリアが見えます。手前の女性は窓口でカードを読み取り機にかざしています。バッグに入れたまま機械にカードを読ませる、人間のする事はどこの国でも同じですね。
 
大連BRT1周水前
上掲と同じく周水前の専用ホームです。
満員だったようで、乗客が次に来るバスを首を伸ばして見ています。バスは数分おきにやって来ますので、きわめて便利です。

大連BRT1周水子   Zhoushuizi

周水子の駅です。駅の周辺には柵があって、専用レーンに一般車が進入することはありません。しかしこの先の友誼橋方面は柵がなく、色で区分されています。
左に見える三角屋根の塔は、大連滙文中学(日本の中学~高校に相当)です。2002年に開校したバイリンガルの実験校として知られています。
大連BRT1周水子
  大連BRT1周水子電光板
↑周水子のホームにある電光板です。専用レーンのホ
ームには、[9], [35], [405], [414]各路の一般系統バ
スも発着します。これら4系統は、BRTを補完する役割
を担っています。
 
大連BRT1周水子 ←上掲電光板に表示された[405]路のバスです。この系統は、泡崖八区にある康順園と中山広場を結んでいますが、途中の泡崖村から興工街ではBRTレーンを走ります。従って、BRT区間では快速バスになります。
またBRTの各駅において、BRT及び乗り入れている一般路線に無料で乗り換えが出来ます。なかなか良く出来ているシステムに感心しました。
大連BRT1美林公園   Meilin Park

美林公園のホームを出発するBRT1系統です。松江路の専用レーンは、上下線とも道路の南側に寄せて造られています。都心から離れた閑散線区なので、歩道橋はありません。


大連BRT1美林公園
  同じく美林公園を走る連接バスです。

"学校有り"の道路標識がありますが、日本のものと異な
り児童があわてて駆け出しています。
大連BRT1道路標識
大連BRT1美林公園~美林園   丹東黄海製の青い12m車が、右側の専用レーンをゆったりと走っています。左側が一般車のレーンです。画面には写ってませんが、右側には大連空港の広大な敷地が延々と広がっています。

車両の型式はDD6127S01、BRTの開業時に独MANのNL263低床車を技術導入したものです。3扉車なのですが、残念な事に肝心のドア側の写真を撮るのを忘れました。
 
大連BRT1美林公園~美林園 上掲の松江路と張前路の三叉路です。白色のクルマがBRTの専用レーンに入りかけて間違いに気づき、急ブレーキを掛けました。そこに後続の黒いクルマが追突しました。松江路の専用レーンが南側に寄っていることが仇になり、しばしば事故が起きるようです。
大連BRT1美林公園~美林園 
独MANのLion's City NG313を技術導入して、丹東黄海で造られたDD6187S01連接バス、BRT開業時からの車両です。
全長18mの偉容は他車を圧倒する存在感があります。

大連BRT1車内   Interior of type DD6187S01

連接車の車内です。開放的な造りになっていますが、
老朽化のためエンジンの音と震動が激しく、乗り心地
は最悪でした。


大連BRT1美林公園~美林園 Meilin Park ~Meilinyuan

美林公園と美林園の丁度中間に、地下鉄2号線の終点・辛寨子の駅があります。右端の青い建物がその入口です。地下鉄で1駅手前が大連空港の連絡駅ですので多くの来訪者が利用しますが、終点まで乗ったことのある人はほとんど無いと思われます。
しかし、何故BRTが地下鉄に連絡していないのか理解に苦しむところです。

大連BRT1美林園  
Meilinyuan

美林園から張前北路に至る区間は専用レーンが無く、一般道を走ります。
何もない野原の中に無理矢理道路を通して市街地化した場所ですが、最近は住宅が増えて、町並みが形成されつつあります。

車両はBYD(比亞迪)製の電気バス、CK6121LGEVです。屋根上中央に載っている大きな箱が電池で、その後ろがクーラーユニットです。
 
大連BRT1張前北路  
Zhangqian Beilu

終点の張前北路、バスターミナルです。右奥の広い敷地に車庫があります。連接車の車令も10年を超えましたので、いよいよ見納めの時かと思われます。
 
References:
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%BF%9E%E5%85%AC%E5%
85%B1%E4%BA%A4%E9%80%9A#

http://www.bydauto.com.cn/car-360-K9.html
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%9B%E7%8D%85NL%E7%B3%BB%E5
%88%97%E5%B7%B4%E5%A3%AB

https://dalian.8684.cn/x_14176253
 



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