大連 (2) |
Dalian / China |
撮影2019/5, 制作: 2019/6, 改訂: 2019/12 |
以前、2005年に訪問した時点での「大連の市電とトロリーバス」をアップしましたが、今回14年ぶりに再訪する機会を得ましたので、その結果をまとめてみました。特に、前回訪問できなかった[202]路を中心にご紹介したいと思います。 |
Google mapsの上に、大連路面電車[202]路の路線図を書き込みました。[202]路は、[201] 路の終点・興工街と、南西方向12.6kmにある小平島前を結んでいます。興工街~解放広場は道路上を走りますが、その先の区間は全線専用軌道になっていて、近代的なトラム(LRT)と呼ぶのがぴったりです。古くは海水浴で知られた星海公園への観光路線としてスタートしましたが、沿線の宅地化が進んだ現在では通勤路線になっています。 驚くことに2015~2017年にかけて、この[202]路が走る同じ道路の下に地下鉄1号線が建設されました。地図上青字で示した電停には、地下鉄の駅があります。トラムと地下鉄が完全に重複して走る、贅沢なインフラが構築されています。トラムの[202]路は地上から簡単に乗れる便利さや、全線1元と非常に安いため市民の多くが利用し、地下鉄と共存することが出来ています。 ※地下鉄1号線は興工街から北方向、大連北站方面に直通しています。また南側は河口駅が終点ですが、12号線に乗り替えて旅順まで行くことが出来ます。トラムと地下鉄それぞれが、異なる役割を持っているということです。 |
Jinhui Market 西安路の併用軌道区間を走る[202]路です。この写真は2005年に撮影したものを再掲しました。ここ錦輝商城は当時から繁華街で、周辺の景色は今もほとんど変わっていません。 車両は大連製の連接車、DL6WAです。乗降口付近と中間車両が低床で、両端部分の床に段差のある70%低床構造です。以前は9000形を名乗っていましたが、現在は改番されたコード番号を付けています。 (2005/7/3) |
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Xinghai Square 解放広場から先は、オフィスビル街を走ります。ここは星海広場、線路に沿って植えられた美しい並木が続く区間です。冒頭の写真もここで撮影しました。 (2019/5/3) |
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同じく星海広場です。近くに大連建市百年を記念して造られた大きな公園があり、大勢の乗降客でいつも賑わっています。 1つ北側の電停、会展中心にある大連現代博物館には、上游型の蒸気機関車が展示されています。↓ |
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←星海広場のカーブです。 |
Chemistry and Physics Lab. 化物所という奇妙な名前の電停です。近くに中国科学院大連化学物理研究所があり、その略称と聞いて納得しました。 |
Chemistry and Physics Lab. ~ 2nd Hospital 化物所の西側です。ゆったりとした空間に造られた専用敷を電車が快走します。線路脇に目障りな柵などはありません。 |
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2nd Hospital of Dalian Medical University 上掲のすぐ西、医大二院の電停から東を見ています。突き当たり付近が丁度上掲の場所です。広々とした道路の左側に独立した線路敷が設けられています。日本人から見ると、まことにうらやましい光景です。 ※実は、この線路を造ったのは日本が経営していた南満州鉄道で、この区間は1911年に開業しています。当時は単線だったという記録があります。 |
大連医科大学第二医院の立派な建物の前で、トラムがすれ違っています。いずれもカラフルなラッピングを施した広告電車です。 ※トラムの電停名と地下鉄の駅名が異なることがしばしば有ります。ここはトラムの「医大二院」ですが、地下鉄の駅は「大医二院」です。ひっくり返した訳ではなく、トラムは通称の医大から、地下鉄は正式名称の略称からそれぞれ命名しています。 |
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Heishijiao 黒石礁から海事大学にかけては高架区間になっています。山水時尚酒店と書かれたホテルをバックに、連接車の優美な姿が浮かび上がります。[202]路で必見のハイライト区間です。 ※因みに時尚とは、ファッションの意味です。 |
上掲のさらに西側です。小高い山の麓にある坂道の上に、高架の線路が伸びています。 |
Xiaoping Island [202]路の終点、小平島前です。到着した電車が折り返して、これから上り電車になるところです。 |
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Xiaoping Island Depot 小平島には車庫があります。 かつて旧[201]路で活躍していた7000型車両が、美しく車体更新された姿で保存されていました。右端に3000型の姿も見えます。 |
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Huale Square ここからは大連の旧市街、[201]路の写真です。 [201]路は、1930年代に日本車輌で造られた3000型が走っていることで有名です。華楽広場で2両が並んだところを撮影しました。 ※[201]路は、2007年に旧[201]路と旧[203]路を統合して誕生しました。1本の系統にも関わらず、大連火車站をまたいで乗車すると運賃が倍になります。過去の経緯を引きずっているようです。 |
Chunhai St. ~ Huale Square 新緑の銀杏並木を走る戦前の日本製電車です。 春海街~華楽広場, 2019/5/10 |
Chunhai St. ~ Siergou [201]路を走る3000型は、車令が80年以上になりますが、内装、外観ともリニューアルされて、元気な姿を保っています。 日本の古い電車が異国の地で大切に使われていることに対し、深い感謝の意を表したいと思います。 春海街~寺児溝 妻面の屋根下に、レトロな鐘が復活しました。↓ |
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←運転席の横から、対向車両を撮影しました。 世紀街にて |
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Democracy Square 民主広場で下車したところ、目の前に時計台のあるお洒落なビルを見つけました。 湘港紅館という湖南料理のレストランです。上階には台球会所(ビリヤード)が入っています。 民主広場の周辺には、日本人駐在者向けの食堂やバーなどがたくさんあります。背景の左奥に見えるタワービルは、大連日航ホテルです。 |
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Dalian Railway Station 日本製の古い車両のほかに、[201]路には連接車も走っています。[202]路の車両がシルバーにグリーンの縁取りであるのに対して、こちらは金色と赤の塗り分けです。 大連火車站 |
大連火車站の夕景です。日が暮れると近代的なビル群に灯りがともり、その下を走るレトロな電車がより一層旅情を引き立てます。あたりが暗くなるまで、ずっと眺めていました。いつまでも走り続けて欲しいと願っています。 |
References: https://baike.baidu.com/item/%E5%A4%A7%E8%BF%9E%E6%9C%89%E8%B D%A8%E7%94%B5%E8%BD%A6/5998795 https://baike.baidu.com/item/%E6%98%9F%E6%B5%B7%E5%B9%BF%E5%9C%BA/950266 https://www.jprailfan.com/newtransit/rail/rntt6.php |