北京のトロリーバス |
Beijing/ China |
撮影: 2015/7, 制作: 2016/11, 改訂: 2019/12 |
2015年7月に中国の首都、北京市を訪問しました。訪問時、北京には19系統のトロリーバス路線があり、中国はもちろん世界的に見てもトップレベルの規模です。2016年には新たに2路線が「汽改電」(トロリー化)され、さらに19路線の計画があります。あまりにひどい大気汚染を解消するために、市当局がトロリーバスの活用を積極的に推進しています。 路線網は多岐に渡るため、すべてを網羅出来ませんが、垣間見た姿を写真でご紹介します。 |
2015年7月現在の、北京トロリーバス一覧を下表に示します。開業は1957年、動物園~朝陽門が最初の区間です。 運営は北京公交集団の電車客運分公司が担当しています。 |
系統番号 | 起 点 | 終 点 | 系統番号 | 起 点 | 終 点 | |
38路 | 六里桥东 | 西安门 | 109路 | 北京西站南广场 | 东大桥公交场站 | |
42路 | 广外甘石桥 | 东四十条桥西 | 111路 | 白石桥东 | 崇文门外 | |
101路 | 红庙路口东 | 百万庄西口 | 112路 | 康家沟 | 亮果厂 | |
102路 | 动物园枢纽站 | 北京南站 | 114路 | 白云路 | 南坞 | |
103路 | 动物园枢纽站 | 北京站西 | 115路 | 康家沟 | 东皇城根北口 | |
104路 | 五路居 | 北京站西 | 116路 | 地铁柳芳站 | 龙潭公园 | |
105路 | 天桥 | 白石桥东 | 118路 | 红庙路口东 | 紫竹院南门 | |
106路 | 北京南站 | 东直门枢纽站 | 124路 | 大屯东 | 西四丁字街 | |
107路 | 白石桥东 | 东直门枢纽站 | 127路 | 北京站西 | 地铁柳芳站 | |
108路 | 大屯东 | 崇文门外 |
Night scene of Beijing Station 夜の北京駅です。時刻はまもなく9時になろうとしていますが、ご覧のように大勢の人々で溢れかえっています。 人の流れが駅舎の方へ向かっていますので、おそらく皆さん夜行列車に乗る人々と思われます。 (2015/7/15) |
Beijing Station 朝の北京駅前です。駅前の道路を横断して、トロリーバスの[103]路が方向転換しています。街の美観が損なわれるという理由で、駅前をはじめ市内の中心部にはトロリー線がありません。バッテリー駆動が可能な双電源車が使われています。 (2015/7/16) |
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Chongwenmen 北京駅の近く、崇文門を走る[111]路です。この区間は架線がありますが、近くにある崇文門外の車庫に入庫するため、ポールを降ろして走行しています。 (2015/7/18) |
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Yonghe Palace チベット仏教の北京総本山、雍和宮(ようわきゅう)の門前を走る[116]路です。この辺りも市内の中心部にある観光地なので、トロリー線がありません。車両はポールを倒して走行します。 ※この寺院は清朝の1694年に、のちに皇帝となる雍正帝の住まいとして建てられました。そのため寺院となってからも、宮の名前が使われています。 (2015/7/17) |
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Dongdan 市の中心部、東単の交差点です。買い物スポットとして有名な西単(Xidan)と、天安門をはさんで反対側に位置しています。右へ行くと王府井、さらに天安門に至ります。北から南を向いて撮影しました。 画面左右の道路が、東長安街です。[127]路が交差点を横切っていますが、実はこの系統は画面奥から走ってきて、左折する設定になっています。 それが・・・↓ |
1st beijige St. 東単の交差点は左折禁止です。 [127]路は右の標識に従い、狭 い北極閣頭条を経由して、大回 りで東長安街へ出ていきます。 架線がなくても走ることが出来 るので、経路の設定は自由自在 です。 ※头条(頭条)とは、第一条のこ とで、北極閣通は四条まであり ます。 |
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[127]路は2013年12月に開通した新しい系統です。そして2016年7月、路線再編によって、3年足らずで廃止されました。 ごくわずかな訪問期間中に、幸運にも走行写真を撮影することができました。今や貴重な記録です。 |
Dongzhimen Terminal 東直門のターミナルです。北京空港から機場快軌を利用する多くの旅行者が、ここで地下鉄やバスに乗り換えます。さすがにトロリーバスへ乗り換えたのは小生だけでした。 |
東直門のターミナル建屋から外へ出てきた[107]路です。 トロリーバスらしく、ポールを上げて走行する区間を選んで乗車しました。 車両は外観と斜めになった正面屋根の形で、杭州や上海で見かけた青年汽車(NEOPLAN)製であることが分かります。但し正確には、北京電車制配廠との連合製造による車両で、型式はBJD-WG120N2です。 |
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Jiaodaokou East St. [107]路は東直門内大街を西へ進み、交道口東大街の並木道を走ります。美しく整備された気持ちの良い道路が続いています。地下鉄北新橋駅の近くです。 |
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Baochao Hudong 更に西に進むと、宝鈔胡同に至ります。この区間には[124]路も走っています。道幅が狭くなり、街路樹が森のようになっています。胡同(フートン)とは路地や横町のことで、主に北の地方で使われる言葉です。 冒頭の写真もここで撮影しました。 |
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↑車両後面にある丸い2つのレトリバーが使われてないことに気づきます。通常はポールに一定の張力が掛かるように、ポ ールに繋がったワイヤーがレトリバーで巻き取られています。代わりにポールを操作するための太いロープが左側面に垂れ 下がっています。ワイヤーなしでポールが自立できる構造になっているようですが、少々格好の悪い姿です。 |
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森の中から出てきた[107]路です。この左側に有名な鼓楼があります。暑い夏の日でしたので、森の存在は大変助かりました。 |
Gulou 北京市民に時を告げる鼓楼の前を走る[124]路です。 鼓楼は明朝永楽帝の時代、1420年に創建されました。落雷で2回焼失し、現在の建物は1539 年に再建されたものです。 |
↑鼓楼の前を走る[107]路です。車両は、北汽福田汽車と北京電車制配廠の連合製造によるBJD-WG120Fです。 ヘッドライトが独特のL字型をしています。後面のレトリバーは必要が無くなり、ロープを縛るための金具に置 き換わっています。 |
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Zoo Terminal 北京のトロリーバスには連接式の車両があります。これは動物園ターミナルを出発する[102]路です。 車両は全長16mのBJD-WG160B、上掲と同じ顔をしていますが北京華宇客車製です。 (2015/7/16) |
同じく動物園のターミナルへ進入する[102]路です。 BJD-WG160B連接車のリアビュー("バスの"お尻)を撮影しました。動物園でパンダを見ずにバスを見ていたのは、小生だけでしょう。 お気に入りのショットです。 逆L字形のテールランプと2つのレトリバー、その上にある三角形のデザインから、猫の顔のように見えます。 尚、このタイプではレトリバーが使われています。 |
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Chongwenmen 崇文門の交差点を渡る[106]路です。北京華宇製のBJD-WG160A連接車がこの系統に使われています。道路が盛り上がっているため、縦方向にくの字になって走行しています。 (2015/7/18) |
Beijing South Station 2種類の連接車を並べてみました。 上:[106]路のBJD-WG160A 下:[102]路のBJD-WG160B 前面中央に付いている社紋の形が変わっていますが、いずれも北京華宇製です。 フロントマスクのデザインだけでなく、乗降扉の配置、さらにはポールの形等々多くの点が異なります。 いずれも北京南站で撮影しました。起終点になっている南駅の構内には架線がなく、ポールを倒しています。 ※以上ご紹介した外に、北京にはBRT (Bus Rapid Transit)があり、トロリーバスの車両が使われています。これについては、別の機会に譲ります。 |
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References: http://baike.baidu.com/view/4301937.htm http://tieba.baidu.com/p/334154121 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E4%BA%AC%E9%BC %93%E6%A5%BC%E5%92%8C%E9%92%9F%E6%A5%BC |