第2話.プリム お仕事頑張る?
「それではプリシラ様にお仕えするに際しての心構えを申し上げましょう。」
先輩の言葉に私はそれはもう力一杯頷きました。
あのような美しい王女様に仕えることができるなんて私は本当に幸せ者です。
というわけですから私は真剣に先輩のおっしゃっていることを聞き続けました。
先輩の説明はくどいまでに長いものでした。
さすがの私でもやになってしまうほどに。
しかし最後に
「何か質問は?」
と尋ねられたので私は聞いてみました。なぜ私が選ばれたのか?を・・・。
すると先輩はちょっと焦ったようでした。
なぜですかって?必死に何かを考えていたからです。
でもすぐに気を取り直したらしく私に言ってくれました。
「貴方が若いからですよ。なんせこの城の中にはプリシラ様と同世代の女性はいませんからね。
すこしでもお役に立てればと思ってね。」
その言葉に私はすこしがっかりし、そして反面嬉しくなりました。
私でもお役にたてるんですからね。
そんなわけで復讐のことなどすっかり忘れてしまった私はメイドとしてのお仕事にめいいぱい
頑張ったのでした。
そして数日後のこと・・・。
とうとうプリシラ様のお側に仕えることになりました。
先輩からそう指示されたのです。
それを聞かされた私は喜んで、軽い足取りで王女様のお部屋へと歩いていきました。
その後、自分の身に何が降りかかるとも知れずに・・・・。
「失礼します。」
私は王女様のお部屋のドアをノックするとその室内へと入りました。
するとそこでは王女様がお茶を飲みながら詩集を読んでいる所でした。
王女様は詩集から顔をお上げになると私を見ました。
そして微笑みながらおっしゃったのです。
「あらプリムね。これからはよろしくね。」
と。
もう私は感動物です。なんせ王女様が私の名前を覚えていてくださったのですから。
思わず私は
「王女様、何なりとお申し付け下さい。」
と言ってしまったのです。
今考えると何と愚かな行為でしょう。
しかしその時の私は王女様、いいえあの女の本性を知らなかったのです。
私のその一言を聞いた王女様はにっこりと微笑み、そしておっしゃいました。
「それじゃあプリム、街に行ってケーキを買ってきていただける?○○○屋の限定のやつね。」
それを聞いた私は思わず耳を疑ってしまいました。
ちなみに○○○屋というのは今首都城塞内で一番人気のあるケーキ屋さんです。
「へっ!?今なんと・・・」
思わず聞き返した私に王女は言いました。
「○○○屋の限定のケーキを買ってこいって言ったのよ。
ちなみに買ってくるまでお城には入れさせないからね♪」
その笑顔はまさに夜叉のごとしでした。ただの庶民出身の私なんかにはとても対抗出来ません。
ただ私に出来ることはコクコクと頷くことしかできなかったのです。
王女の部屋を出た私はまるで死人のような足取りで控え室へと戻りました。
そしてその中でお茶をしていた先輩達に私は事の事情を話したのでした。
「・・・・・・・・・。」
先輩達は私の話す事を黙ったまま聞き続けました。
そして私が話し終えるとポンと肩を叩き、そして言いました。
「頑張ってねプリム。貴方は王女様に気に入られたのよ。
貴方の分の仕事は私たちがやっておくからね、王女様がお飽きになるまでつき合うのよ。」
その言葉で私は事態を飲み込みました。
私は王女に与えられたおもちゃだったのです。
「そ、そんな・・・・」
そのように愕然となっている私に先輩は追い打ちをかけてきました。
「プリム・・・早く○○○屋に行かないとケーキ買えないわよ。」
「あうぅー。」
おまけ
私が○○○屋の限定ケーキを買って王女の元に届けることが出来たのはそれから三日後のことでした・・・。
あとがき
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんかいまいちだよ。
初めのプロットと全然違う・・・というか笑いが全然ない・・・。
本当は笑い話を書こうと思っていたのに。
私にお笑いは書けないんだろうか?
平成13年1月14日