jun のアフリカ写真集


jun のアフリカ写真集 その4





ランチのあと部屋に戻り、ベッドに転がるが、寝ながら見える目の前の砂漠が呼んでいる。「そんなところで寝そべってないで、早くこっちまで来い」と。 呼ばれるままに、カメラとタオル以外は何も持たず、テラスから足が向いたのは、現住民の暮らす集落であった。 本当は中まで入り込んで見たかったのだが、言葉も通じないため、遠巻きに撮影してオシマイ。土壁でできたドームの中には、恐らくここで暮らす人が生活しているのであろう。 これだけ明るい時間帯なので、恐怖心は全く感じなかったが、何かしら入ってはいけない領域のようなものを感じた。




今歩いてきた道を再びロッジの方向に向かう。道の右端に見えるのが、私のステイしているロッジであろう。それにしても暑い。 日本手拭で頭部を覆い、それが唐草模様のため、まるで日本では絵に描いた泥棒のようなスタイルであるが、ここでは一切気にすることもない。 だって誰もいないのだから。時折空を飛ぶセスナ機以外の音は、全く何も聞こえない。




再びロッジの前まで戻り、カメラのフィルムを入れ替え、今度は方向を変え、一路目の前のアプリコット色の砂漠を目指す。全く距離感が分からない。 どのくらいあるんだろう、なーんて特に考えもなしに、思いのまま、ひたすら砂漠の中を歩き出す。




枯れ木のオブジェ。青い空にはうっすら白い雲がかかり、それが一層空の青さを引き立てている。かなり気に入った立ち枯れだったので、しばしここで小休止。 いろんなアンルグでカメラを構え、雲の流れを待ちながら、やっと決まった一コマだった。ナミブ砂漠への思い入れを込めた自信作の1枚となった。




歩き出してどれくらいたつだろうか?ここでは時間を気にせず、腕時計を外した休日を楽しんでいるので、時間的な感覚もない。 夕方までに戻ればいいから、大丈夫!と思いながら、歩けど歩けど一向に前の景色は近くならない。暑さもかなりピークにきていた。1日のうちで一番暑い時間帯か。 あとでロッジで聞いたら、この日のロッジでの最高気温は45℃だった。この砂漠の中は、もちろんそれ以上には違いなかった。 温度計を持って行ったら、途中で引き返してきたかもしれない。




歩いてきた方向を振り返る。中央やや左の集落が、私のロッジだろうが、もうこの位置からははっきり見えない。 砂漠の中を歩いているつもりであったが、ごらんのように地面は固い砂と小石で覆われている。全く砂地ではないのは驚いた。




舗装した道路を一本渡る。ここを歩いて往復する間、1台のジープが快走していくのを見ただけ。まだ陽は真上から照り付けている。 燃え出すかのような暑さに、玉のような汗が滴る。午後から砂嵐が来ると聞いていたが、今のところ無風状態でカリカリに乾燥している。 体じゅうの水分が、蒸発していくのが止められない。


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