ウィンドフックからナミブ砂漠に続く道。荒野の中を真直線の道路が彼方へ延びている。右下に車が見える。恐らくナミブ砂漠に向かう観光客であろう。
ウィンドフックからナミブ砂漠までは、陸路で6時間はかかるそうだ。滞在期間の短い私は、一気に紙ヒコーキで飛ぶことにした。 |
なだらかな平原から、ずいぶん地形は変わってきた。ウィンドフックから30分余り、道程の半分くらいに差し掛かっている。
それにしても、見渡す限り雲ひとつない晴天だ。唯一の機内サービスであるミネラルウォーターは、スチュワーデスからではなく、機長から直々に配られた。
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むかし子供のころ、「地球のはじまり」という大好きな絵本があった。子供心に、神秘的な地球の誕生を想像していた。
あれからその絵本を思い出すこともなく歳月が過ぎたが、ここアフリカに来て、再びその光景に出会えるとは。。。
この地層が地質学的にどのような意味を持つのか分からないが、私にとっては、絵本の中にタイムスリップした1コマであった。
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ナミビア南部には、世界第二の規模を誇る大渓谷があるそうだ。最大幅は27Km、深さ550M、距離は160Kmにも及び、眼下は、その
大渓谷へ続くと思われる。その名はFish River Canyon、格別眺めがいいビューポイントからは、下に降りるハイキング・トレイルが用意されていると聞いて、かなり興味深々だった。
空からも格別だが、やはりそんなスケールの大きいところは、自分の足でも歩いてみたいものだ。ナミブ砂漠に着く前に、もう次の旅程にこの渓谷トレッキングが候補にあがっていた。
←なんて単junな奴なんだろう。この名前を付けた親を恨むぞ〜
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山また山を越え、とうとう山肌はアプリコット色に染まってきた。よーし、ナミブ砂漠最深部は近いぞ!と実感してきた。
このヒコーキは紙でできているため、風吹くままに進路が変わる。山稜を通過するときは、はじめて車に乗った人がミッションを入れるより、2サイズほど大型の尺取虫のような動きをする。
さらにそれ+横ゆれもハンパじゃない。窓から手を出すな、と言われたが、その窓がガタガタ揺れて、いかにも開きそうだった。
「お願いだから、窓開かないでー、」と誰にお願いするのだろう?それよりヒコーキ揺らさないことと最初に注意されたが、「だったら、この揺れなんとかしてー!」
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下にコテージの1つが見えると機内アナウンスが入る。飛行中絶え間なく揺れ、ものすごい轟音のため、なかなか正確には聞き取れないが、
このフライトは機長のアナウンスをスチュワーデスはリピートしてくれない。それにしても、あれだけよく揺れた割りには、
しかもいつ開いても不思議じゃないオンボロの曇りガラス?越しには、予想外に写真はうまく写っていたのは、かなりラッキー。
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いよいよ最終の着陸態勢に入るから、シートベルトはしっかりするようにと、機内アナウンスが入る。
「しまった、その前にトイレに行っておけばよかったっ。ところでこのヒコーキのトイレってどこだ?」私は機長の真後ろ、エコノミークラスの最前列に座っているが、
貨物室の十数センチ前なので最後尾席とも言える。さて、どこにも滑走路らしきものは見えない。キョロキョロしてたら、「あんたのコテージはあれ!」と砂漠の中に指を差す。
ん?で、このヒコーキどこに降りるの??管制塔は?と思っていたら、急旋回、さっきまで左にあった窓ガラスが、今度は右にある?B777ならば、今の旋回は、31Aに座っていた人が、
31Kに大移動したことと同じだ!しかもシートベルトしたままで。なんて凄まじい旋回なんでしょう。このとき機長も左から右に流されていた??
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