「密、お前・・・」

虎城は密の爆弾発言にその場に固まってしまった。
一方の密はそんな虎城の変化を気にすることなく、

「こじょ、セックス」

と同じ言葉を繰り返した。

「ちょ、お前・・・それは・・・」

普段はどんなことに対しても余裕を見せている虎城だったが、今この瞬間はそんな余裕はどこにも見あたらない。

「セックス」

「密、それはだな・・・って、八嶋の奴そういうことか」

ようやく虎城は八嶋が帰り際に密に言っていた言葉の意味を理解した。
理解したものの、虎城はそれをどう説明すればいいのか困ってしまう。

ただ、密にはそんな虎城の気持ちが理解できる訳がなく、

「こじょ、セックス。セックス」

何度も同じ言葉を繰り返し、虎城の耳や頬をイタズラに引っ張り始める。

そして、

「むぅぅうううう」

最後には唸り声を上げると、

「ぃてっ・・・こら、密」

虎城の耳を咬み始めた。

「密、みーつ。ちょっと・・・勘弁しろよ」

確かに密をそういった対象として見ていた虎城だったが、まさか今このタイミングだとは想像もしていなかった。

密には本物の天使よろしく、そういう大人の汚い部分を全く見せたことがなかったし、見せるつもりもなかった。

八嶋ではないが、虎城もどうにか誤魔化せないかと、そんな考えが頭をよぎる。
一方でなかなか答えようとしない虎城にじれた密は、虎城の腕の中で暴れ始めた。

「あー、もう。知らねぇぞっ」

虎城はそう言うと、密を抱えたままリビングを抜けて寝室へと向かう。
密は突然大きな声を上げた虎城に驚いたように、一瞬にして黙り込んでしまった。

寝室にはクイーンサイズのベッドが鎮座していて、虎城が家にいる時には密と一緒に寝ている。

虎城はいつもとは違い、少し乱暴に密をベッドに寝かせると、

「密。セックスっていうのは言葉よりも実際にするほうが分かりやすいからな」

そう言いながら、密の着ていたドレスのチャックを外す。
密はいつもとは違う虎城の真剣な表情に何も言葉が出てこない様子だ。

「密、密」

虎城は密の名前を呼びながら、目の前に晒されている胸に唇を近づけていく。
今までに何度も舌や指で弄ってはいたものの、その意味合いは大きく違う。

「蜜。大丈夫だから」

固まったままの蜜をどうにか宥めるように虎城はいつも以上に優しい声を出せば、ようやく蜜も

「こじょ、こじょ」

と虎城にしがみ付いてくる。

そしていつもと同じように密からは虎城を誘う独特の香りが漂ってくると、
虎城はその香りに誘われるまま、赤く色づいた乳首をなぶる。

空いている手は躊躇いもなく密の下半身へと伸びていくが、
虎城によって開発された身体は乳首への愛撫だけで下半身を熱くさせていた。

虎城は完全にドレスは脱がさず、スカートを捲りあげると、性急に密が穿いていた下着を脱がしにかかる。

密は何も疑うこともなく、いつもと同じように素直に虎城が下着を脱がしやすいように腰を浮かす。

いつもなら虎城はそのまま密の性器を扱き、射精に導いてくれるはずだった。
しかし、

「密、今日は簡単にはイかせないからな」

密の乳首から顔を上げた虎城はそんなことを言う。

「こじょ?」

そして虎城は密の昂ったペニスに指を絡めるが、それは愛撫と言うよりも反対に射精を堰き止めるようにきつく締め付ける。

「ぅややああ」

「我慢しろよ。その方が後でちょっとでも痛くねぇはずだからな」

「こじょ、やぁ、こじょ、こじょぉ」

密は戸惑い、虎城の手をそこから離させようともがくが、普段から鍛えている虎城に敵うわけもない。

しかも、虎城はそんな密のペニスの先に軽く舌を這わせる。

「ひぃぃんんん」

何度も虎城には自慰の延長として愛撫を受けてきていた密だったが、今のように我慢させられたことはない。

だからこそ、今の虎城の行動は今までにない快感をもたらせると、密が放つ香りもそれに合わせてさらに濃厚さを増していく。

「今度はちゃんとローションも用意しておくから、今日は勘弁な。その分たっぷり舐めてやるから」

密には当然虎城が言っていることが理解できるはずもなく、虎城の責めに

「こじょ、こじょ・・・」

と名前を呼びながら、指を虎城の身体に食い込ませることしかできない。

虎城は密のペニスに指をきつく絡ませたまま、身体をうつ伏せにひっくり返しすと、そこに慎ましく存在する秘唇を舌なめずりするように見つめる。
何もしらないソコは、外気に触れたことで恥ずかしそうにヒクヒクしていた。

虎城はイタズラに小さく息を吹きかけると、

「ひゃあぁん」

密が甲高い声を上げ、それと同時に密の秘唇もキュゥと閉じる。

その反応に気を良くした虎城は数回同じことを繰り返し、何度も密は声を上げた。

そして、虎城は一度自分の唇を舐めて潤すと、ゆっくりと密の秘唇へと顔を近づく。

虎城が何をしているのか見えない密だったが、虎城がどこに顔を近づけているのか、その息づかいで感じることができた。

「こじょ、汚いよ・・・そこ、汚い・・・」

いくらの密であったとしても、ソコがどういう器官であるのかということは知っていた。

しかし、

「大丈夫だ、お前の身体はどこもかしこも甘い」

答えになっているような、なっていないような言葉で密をはぐらかすと、軽く舌で襞をなぶる。
密の身体は初めての感覚にビクビクと全身を震わせ、さっきとは別の意味で身体が固くなる。

「密、力抜け・・・って言っても分かんねぇか」

虎城は軽く笑いながらも、決してそこから顔を離そうとはしない。

密もずっと力を入れたままという訳にはいかず、ある瞬間、身体からフッと力が抜ける。
虎城はそれを見逃すことなく、ヌルンと襞を捲るように舌を押しつける。

「ひぃぃ・・・んん」

密は慣れない感覚に身体を震わせ、耐える。
一方の虎城はそんな密の秘唇に容赦なく唾液をまぶしていく。

ただ、虎城の手の中にある密自身はその奇妙な感覚を快感として受け入れているのか、萎えることはなかった。

むしろ少しずつではあるが、先走りの雫を溢れ出させていた。

虎城は時間を掛けて密の秘唇を舐め尽くすと、次に自分の唾液をたっぷりとまぶした指を1本ソコに添える。
密の身体は新たな異物に警戒していたが、虎城はタイミングを見計らいツプンと先端を中へと埋め込んだ。

初めて異物を受け入れる密の中は熱く、そしてしっとりと虎城の指に襞が絡みつく。

虎城としては早くその熱さを指ではなく、自分のモノで感じたいという衝動に駆られるが、そこは理性でもって堪える。

もし衝動のままに突っ込んでしまい、密の身体が壊れたり、行為自体を恐怖として捉えてしまうことがあれば、虎城に次はない。

だからこそ慎重に虎城は事を進めていくしかなかった。

「やぁ・・・何・・・こじょ、こじょ」

「密、みーつ」

指をソコにはめ込んだまま、虎城は少し顔を上げると密を安心させるように名前を呼んでやる。

そして、

「みーつ。ほら、俺にキス」

密の意識が少しでも散らばるように、キスを促す。

「ん・・・」

密は身体を震わせながらも、虎城の言葉に少し身体を捩り、虎城の唇に自分の唇を押しつける。

当然虎城がそれだけで終わらせる訳もなく、密の口内に舌を滑り込ませると、いつものように密の舌と自分のソレを絡ませていく。
それと同時に、密の中に埋め込んだ指をゆっくりと上下左右に動かし始める。

「んん・・・んん・・・」

密は驚いたように声を上げるが、それは全て虎城の口内に吸い取られてしまう。

虎城の指は密の中を少し広げると、一度完全に抜いてしまう。

異物が出ていく感触に密の身体は震えるが、虎城は間髪入れず指を2本に増やした状態で再び密の中へと進入していく。
2本になると、さらに虎城の動きは激しさを増す。

虎城の指は密の中をこねるようにしながら、さらに広げていく。

その合間に

「ふぅ・・・やぁあ、そこ、こじょ、こじょぉぉ」

密が身悶える場所も見つけた。

ただ、前を締め付け射精できない状態の密にとって、ソコを刺激されることは苦しさにも繋がる。

「4本ぐらい入れるようにしたいんだけどな・・・」

虎城は口づけを外し、喘ぎ声を漏らしながら襲いくる絶頂感と対峙している密を見下ろしながら、

「今日は俺も限界だしな、3本までで」

そう呟くと、さらに密の中に埋める指を増やす。
密の秘唇は一本でも割と太い虎城の指を、3本も含まされたことで目一杯広がっていた。

しかし、虎城がたっぷりと舐めていた甲斐があったのか傷にはなっていない。

虎城は3本の指を中で、そして入り口付近で広げるなどして準備を進めていくと、

「密、気持ちよくしてやるからな」

指の代わりに虎城の猛ったモノを宛がう。

虎城は自分のモノにもたっぷり唾液を垂らし、滑りを良くしていた。

「密、密」

「な・・・あつ、熱い・・・こじょ、あつ・・・何、何」

「大丈夫だ、ほらこっちは気持ちいいだろ?」

虎城は腰を進めながら、密のペニスに絡ませていた手を動かし始める。
少しでも痛みや圧迫感を取り除く為の行為だったが、

「や、・・・こじょ、こじょぉお」

一度にたくさんの刺激を与えられたことで密は驚き、振り返って虎城の顔を見る。
密の目からはポロポロと涙がこぼれ落ちていたが、虎城はもう引き返せないところまできていた。

ただ、虎城は本当に密が嫌がってはいないことを漂ってくる香りで判断していた。

初めての刺激に頭がついていかないといったところだろう。

「密、お前の中はすげぇ気持ちいいな」

一番太い部分を密の中に収めると、そこからは案外すんなりと奥までたどり着く。

そして密の身体が落ち着くまで虎城はジッと我慢していたが、その間虎城の視線を密の身体が楽しませてくれる。

密も初めての経験で身体の置き場がないのか、それともなかなか動こうとしない虎城に焦れたのか、ユラユラと腰を蠢かせていた。
虎城のモノを含んだ密の襞は赤く、呼吸をするように蝉動し、少し虎城が動こうとすれば、キュッと締め付けるように口を閉じてみせた。

「密、そろそろ俺も限界だ」

「ん?・・・な、に?」

そろそろ密の身体が馴染んできたところで、虎城は密の中を味わうように、腰を進めていく。

さっきから緩い刺激を与えられている密のペニスは、あまりに長い時間塞き止められていたせいか、ダラダラと先端から白濁を零すばかり。

後ろを虎城自身で責められ、新たな感覚に目覚めかけているのだろうが、絶頂感が掴めず密は苦しいのか

「やぁ・・・こじょ、こじょ・・・も、やぁあ」

虎城の手に力なく、爪を立ててきた。

「しょうがねぇな。ほら、イイトコ突いてやるからよ」

「ひぃ・・・ぁ、あ、あ・・・」

そんな密に虎城は見つけたばかりの泣き所を、カリ部分で擦ってやることにした。

「密、気持ちイイだろ?」

「あ、あ・・・んあ・・」

「前だけよりも気持ちイイだろ?」

「あぅ・・・うぅ・・、ん、ん・・・」

「ほら、気持ちイイって言ってみな」

虎城は後ろと前、両方から密に刺激を送りながら、これが気持ちいいことなんだと暗示のように繰り返した。

ただ、

「やぁ・・・こじょ、こじょ・・・」

「俺の名前じゃねぇって。密、みーつ」

「ん、ん・・・」

密は喘ぐばかりで、虎城の言葉を理解できているのかが分からないところだった。

普段は多くの組員を束ね、人が目を背けるようなことも平気でする虎城だったが、今の状況を心から楽しんでいた。
いくら他の人間とセックスをしていても、心のどこかでは冷めていた部分があった。
だからこそ虎城にとって密は心から信頼できる相手であり、そんな密とのセックスに夢中になっても仕方ないといえた。

「こじょ、こじょぉ」

「密、密」

「出る、出るぅ・・・」

「ぅ、すげぇ、締まる」

密は前から虎城に教えられていた通り声を上げると、虎城を咥えている部分も連動するように収縮する。
そして、虎城の手の中に白濁を勢いよく吐き出すと、虎城も密の中に精を叩きつけるように吐き出した。

射精した後も虎城は暫く密の中から出ていくのを躊躇っていたが、初めての密に2度目を挑む選択肢はなかった。

ゆっくりと密の中から自身を引き抜こうと腰を引くと、密の中がザワザワと蠢き、虎城を離すまいと絡みついてきた。

「あっ、や・・・ん」

虎城はそんな動きに逆らうように、収めていたモノを全て引き抜く。

激しい運動を終えぐったりとしていた密も、虎城の動きに身体を震わせ、声を上げていた。

勢いに任せて行為に及んだため、虎城は避妊具を装着せず、そのまま密の中に欲望を吐き出した。
今虎城の目の前にある密の秘唇からは、虎城が出した精液が溢れだしてきている。

密はすでにウトウトして、すぐに夢の中へと入ってしまいそうだったが、このままの状態で寝かせてやることはできない。
虎城は精液や汗でドロドロになったドレスを脱がせると、密を抱き上げてバスルームへと向かった。

「密。みーつ」

バスルームで身体を隅から隅まで洗ってやるが、その間にも密は穏やかな寝息をたてていた。
虎城は密が寝ているのをいいことに、明るい光の下、密の秘部をじっくりと観察した。

幸い傷はついていなかったが、周囲が赤く腫れているのは分かった。

ボディソープで指の滑りをよくした虎城はゆっくりとそこに指を挿入し、自分が出した物を掻き出した。

その間も密が目を覚ますことはなかったが、虎城は

「やっぱ、いきなりはまずかったか・・・」

と珍しく後悔の言葉を口にした。

だからといって一度身体を繋げてしまえば、何もなかった所へ戻れるわけがない。
それならば

「目いっぱい可愛がってやるからな」

意識のない密を抱きながら、虎城は怪しい笑みを浮かべていた。

何も知らない密は、すやすやと心地よく虎城の腕に抱かれて眠り続けた。



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