八嶋の予想通り、翌日は密がベッドの住人と化したため、虎城は自主休業を宣言した。

「どうせ、お前には分かってたんだろ」

「有能な部下は先々まで予測することができるんですよ」

「はっ、何言ってんだ」

「冗談はこの辺で、明日はちゃんと仕事をしてもらいますから。それから、密はまだまだ子供なんですから手加減してあげてくださいよ」

八嶋は虎城に釘をさすことを忘れなかった。ただ、八嶋にも予想できなかったことが一つ。

「そりゃ俺だって獣じゃねぇから、手加減もするさ。そのことでだ、お前に用意してもらいたいものがあんだよ」

そう言って告げたモノにどれほど八嶋が呆れたか。
ただ、八嶋も必要だと思ったのか

「分かりました」

と承諾した。

電話を終えると、虎城は密が待っているベッドルームへ戻った。
密はベッドでコロコロ転がりながら

「こじょぉ、セックス」

と昨夜と同じ台詞を口にしていた。

虎城は密が転がっているベッドに上がると、密をその胸に抱えこむ。
さっきまでは芳醇な香りを放っていただけの密から、濃厚な甘さを含んだ香りが漂ってくる。

虎城はその香りに誘われるまま、密の首筋や耳の付け根に唇を寄せる。

「ゃああ、こじょ」

「みーつ。セックスっていうのは、昨日お前と俺がしたようなことだ」

「んー?」

「俺とお前と、気持ちよーくなることだ」

「気持ち・・・イイ?」

「そうだ。気持ちよかっただろ?」

虎城は密に話しかけながら、首筋にキツく唇を押しつけると所有の印を付けていく。

「ん・・・痛いぃ」

「嘘だな。ココをこんなにしてるんだから、気持ちイイってことだ」

身体を捩る密を腕に閉じこめた状態で、虎城は密のペニスを触れると、そこはしっかりと反応を示していた。
昨日の今日で挿入までは至らないものの、二人は一日ベッドでダラダラと過ごした。




密と虎城の2回目の挿入を伴う性行為は2週間後に行われることになった。
その2週間という時間は虎城が密のアナルを開発していった期間でもあった。

翌日に虎城が八嶋に用意させたのはアナルプラグと拡張用のバイブ。
それも小さい物から大きな物と様々なサイズを用意させていた。

そして、毎日それらを虎城自ら密の中に挿入し、少しずつ慣らしていった。
結果、2回目の挿入はスムーズに行われた。

「密、気持ちいいだろ?」

「ん・・・いぃ、気持ち・・・いい」

「お前をこんなに気持ちよくしてやれるのは俺だけだからな」

「こじょ、こじょ・・・」

「そうだ、俺だけだ。その代わり、俺もお前だけだ」

その言葉通り、密との関係をきっかけに虎城は全ての女関係を清算することになった。
嫌がる女も多かったが、そこは八嶋が一手に引き受けることとなり、無事に(?)虎城は蜜のものとなった。

八嶋はこの状況に対し、

「まあ、無駄打ちすることもなくなって、私の方も余計な心配をしなくて良くなったのでなによりです」

と笑顔で歓迎していたが、その反面

「その代わり、密を泣かせるような真似はしないでくださいよ」

「わーかってる、分かってる。泣かせるのはベッドの上でだけだろ?」

「・・・それってオヤジギャクのつもりですか?」

釘を差すことも忘れなかった。

そんな密は虎城の手である種の艶を増していった。
ただ、その中にも透明感を失うことはなく、相変わらず『天使』として注目を集めている。

虎城はといえば、自分だけの天使を自慢するように再び様々な場所に連れ歩くようになった。
さらに天使の身体には人から見える所、見えない所、あらゆる場所に所有の印が付けられ、消えることはない。

そして密が虎城や八嶋に覚えさせられた言葉は、

「密、挨拶」

「いつも、うちの・・・こじょが、こじょが・・・」

「お世話になってますだろ」

「なってます」





*あとがき*

ここまで読んでくださりありがとうございました。
さて、今後も時々はこの二人を書いてみたいな・・・とか
蜜が成長するまでのホノボノ編とか書いてみたいな・・・とか
また機会があればと思います。

また皆様の感想をお待ちしております。




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