(2011年5月6日) 本日の朝日新聞の記事「アインシュタインの理論実証 米衛星、時空のゆがみ観測」は次のように伝えている。 「質量が存在すると、ボウリングのボールが載ったトランポリンみたいに時間と空間で構成される4次元の「時空」がゆがむ、というアインシュタインの一般相対性理論の予言が、米航空宇宙局(NASA)の人工衛星「GP-B」の観測で確認された。天才の考えの正しさが実証された。 NASAの4日の発表によると、遠方の星が見える方角が、1年に9万分の1度ほどの割合で変化していた。この変化は、地球の自転で発生する時空の渦の効果として理論が予言する量と一致した。また地球の質量による時空のゆがみによる方角の変化も理論どうりに観測した。」 NASAのGP-B衛星が打ち上げられたのは6年ほど昔で4ヶ月間のチェックアウトを経て観測に入り1年ほどでデータ取得は完了していた。その後のデータ解析で数年を費やしての発表である。あまりにも小さな変化なので誤差にまぎれてしまいそうな量である。アインシュタインの理論を直接に実証したことはNASAの大きな成果であろう。 GP-B計画を説明しているNASA資料に次のものがある。 この資料の5頁に次のような記載がある。 " In Einstein's universe, the presence of celestial bodies cause spacetime to warp or curve: and gravity is not a force, but rather the product of bodies moving in curved spacetime. ..." アインシュタインの考えによれば天体が時空を歪めるのであって、重力は力でなく、むしろ曲がった時空の中を動く天体の成果であると書かれている。 NASAは重力が力でないことを認めているということだ。すると、ニュートンがケプラーの法則から万有引力という力の式にしたことが早合点であったことになる。 アインシュタインは重力が力でないと結論しておきながら、重力質量の概念も最初から不要であったことに気がつかなかったとは不可解である。重力質量の概念が不要であることは小野健一の著書にある。 (了)
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