Overview Nikonos RS
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1992年、ニコンから水中専用AF一眼レフが発表された。ニコンが水中専用一眼レフをつくるとここまでいってしまうのか...といったカメラ。スペックや電源などから見てF601がベースカメラになっているようだ。アイポイント60mmのファインダー、水中専用に設計されたレンズ群、耐圧100m、販売価格などどれをとってもド迫力の水中カメラだ。水中重量でも約1kgを超えるのでドロップオフなどでは取り扱いに注意!?。フォーカスはAFのほかにパワーフォーカスという半マニュアルなフォーカスがある。また、通常のAF一眼レフカメラと同様にS:シングル、C:コンティニュアスのフォーカスモードも用意されている。ニコノスRSの登場と同時に発売されたスピードライトSB104を併用するとフラッシュリモートなどの機能も使える。レンズは水中専用だが、陸上でピントの合うレンズもある。圧巻なのはフィッシュアイニッコール13mmだ。レンズ直前までピントが合い、思うようにワイドマクロが楽しめる。ニコノスRS本体はすでに生産中止となってしまったのが残念だ。また、発売当初はココムの関係で加盟国では海外への3台以上の持ち運びには輸出許可証の申請が必要だった。たとえばパラオはココム加盟国以外だったので輸出許可証の申請が必要だったようだ。
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Webmaster Review
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【ニコノスRSの感想】
価格が半端じゃないので当時は買う気も起きなかったが、ワイドがこれ1台で済むのならばRSというのも選択のひとつにあがるのではないだろうか?
ただし、欠点はパワーフォーカス。これでマクロのピント合わせをしろというのが無理な話だ。パワーフォーカスを使っている人はいるのだろうか?どんな場面で使用するのか教えてほしい。外観からも想像がつくが内部に空間はほとんどないため水中重量がかなりある。独自にフロートをつけて利用してる人をよく見かける。やはり使い方はフィッシュアイ13mmとの組み合わせでのワイド撮影だろう。小さな生物を広い環境ごと写し込めるカメラシステムとしてはこれが最高だと思う。ニコノスのレンズが使えればいいのにとつい考えてしまうが、絞りやフォーカスの問題以前にフランジバック(*)の問題でNGとなる。
レンズマウントは独自のR−UWマウントだが、実は中にFマウントがあり、その外側にR−UWマウントがある。したがって、F4など陸上用FマウントカメラにR−UWレンズは装着可能だ。しかし、ただ装着できるだけでまともには使用できない。
TC−RSを使用した2倍撮影も楽しめる。
【ニコノスRSでの撮り方】
RSの存在意義でもあるRS13mmレンズを使用した超広角撮影は他のどの撮影機材よりもコンパクトで画質がよい。 マクロ50mmではフォーカシングが難点だろう。水中でのマイナス浮力は思った以上にあるのでウエイトは少なめにするかRSにフロートをつけるか。
【ニコノスRSを買うには?】
中古市場にはほとんど流通されない。ときどきダイビング関連筋でとんでもない価格での販売を見る。SB104は電池が特殊なタイプのためか中古相場はかなり低く評価されている。しかし、フラッシュリモートなどが使えたりするので以外に面白いかもしれない。
*:フランジバックとはレンズの後玉とフィルム面との距離のことだが、従来のニコノスではこの距離が短く、RSに装着できたとしてもその距離のためにピントがあわないのである。逆に従来のニコノスでニコノスRS用のレンズを使用する場合、マウントアダプターを作ればバックフォーカスの問題は発生しないが絞りやフォーカスが独自の方法なため従来のニコノスで使用することは現実的でない。
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Specification
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型式 |
電子制御式モーター内臓35mmフォーカルプレーンシャッターAF一眼レフ水中カメラ |
画面サイズ |
24mmx36mm |
レンズマウント |
ニコノスR−UWマウント |
交換レンズ |
ニコノスRSカメラ水中専用AFレンズ
・R−UW AFニッコール13mm/f2.8(フィッシュアイ)
・R−UW AFニッコール28mm/f2.8
・R−UW AFニッコール50mm/f2.8(マイクロ)
・R−UW AFニッコール20−35mm/f2.8(ズーム) |
ファインダー |
ハイアイポイントアクション式(上向傾斜、約9°) |
アイポイント |
約60mm |
ファインダースクリーン |
専用B型(クリアマットスクリーンII、測距ゾーン付、交換不可) |
ファインダー視野率 |
約92% |
ファインダー倍率 |
約0.39倍(水中、28mm/f2.8使用/∞時) |
ファインダー視度 |
−0.7Dp |
ファインダー内表示
(半押しON中、イルミネーターで常時照明) |
ピント表示、露出モード、シャッタースピード、絞り値、フィルム感度、DXマーク、ISOマーク、連動範囲外(ISO点滅)警告、露出インジケーター、露出補正マーク、制御範囲外(Hi/Lo)警告、レディライト、End,Err警告 |
ミラー |
クイックリターン式 |
オートフォーカス |
TTL位相検出方式<ニコンアドバンスAM200センサーにより検出
シャッターボタンの半押しで作動
・・・フォーカスモードのS及びCモード時に動いている被写体を検出時は、自動的に予測駆動フォーカス制御可能 |
オートフォーカス検出範囲 |
EV1〜EV19(ISO100) |
レンズサーボ |
ボディ駆動方式による
・・・シングルAFサーボ(S)
・・・コンティニュアスAFサーボ(C)
・・・パワーフォーカス(P)
・・・フォーカスプライオリティ(F) |
フォーカスロック |
シングルAFサーボ(S)モード時シャッターボタンの操作にて可能 |
測光方式 |
TTLマルチパターン開放測光(5分割)
・・・露出モードが絞り優先オート(A)で可能。マニュアル時は中央部重点測光に自動切換え |
測光範囲 |
EV3〜EV20(ISO100) |
露出制御 |
絞り優先オート(A)、マニュアル |
露出補正 |
露出補正ダイヤルにて、1/3EVステップで±2EV補正可能(露出補正中は露出補正マーク点灯) |
絞り制御 |
絞り連動レバー方式によるボディ制御(F2.8〜F22) |
フィルム感度設定 |
DX方式による自動設定およびマニュアル設定の2方式(マニュアル設定優先) |
フィルム感度連動範囲 |
DX時:ISO25〜5000(ファインダー内にDXマークとフィルム感度表示)
マニュアル時:ISO6〜6400(ファインダー内にISOマークとフィルム感度表示) |
フィルム装填 |
順巻きイージーローディング
・・・フィルムをセットした後、シャッターボタンの操作にてフィルムカウンター1まで自動から送り及び自動停止
・・・フィルム未装填時には、シャッターボタンの半押しで緑色LED点滅
・・・DXにセット後、DX以外のフィルム装填時にはISODX及びErr表示点滅警告とレリーズロック |
フィルム巻き上げ |
内蔵モーターによる1コマ自動巻き上げ |
フィルムカウンター |
自動復元順算式による直読目盛表示(緑色LED照明付き) |
フイルム巻き戻し |
巻き戻しレバーの操作後内蔵モーターによる自動巻き戻し及び自動停止
・・・巻き戻し中は、警告灯(赤色)点灯、完了後に消灯
・・・巻き戻し時間:36EX約25秒 |
撮影可能フィルム本数 |
36EX約70本
(新品6Vパックリチウム電池使用、フォーカスモードC、R−UWニッコール28mm/f2.8装着、シャッタースピード1/125秒以上、1コマごとに無限から至近まで1往復させた場合) |
シャッター |
電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター |
シャッタースピード |
1秒〜1/2000秒、B |
警告表示 |
ファインダー内Err表示及びフィルムカウンター警告灯(赤色)点滅
(フィルム装填ミス、フィルム給装異常)
ファインダー内ISODX及びErr表示点滅
(DXにセットしてDX以外のフィルム装填時)
ファインダー内End表示及びフィルムカウンター警告灯(赤色)点滅
(撮影フィルム終了)
フィルムカウンター警告灯(赤色)点灯
(フィルム巻き戻し中)
ファインダー内HiまたはLo表示点灯
(連動範囲外警告)
ファインダー内全表示点滅
(電池交換警告)
ファインダー内レディライト点滅
(スピードライトがフル発光して露出不足のおそれがある場合) |
シンクロ接点 |
X接点のみ(半導体方式)、1/125秒以下の低速でスピードライトに同調
・・・1/2000秒〜1/250秒に設定時は1/125秒に自動切換え
・・・スピードライト使用時にはフィルム面からの反射光測光によるTTL測光可能
・・・TTL調光時のフィルム感度連動範囲ISO25〜1000
・・・調光モード機能
マルチパターン測光時はTTL−BL調光(1/125秒〜1/30秒自動制御可能
・後幕シンクロ時は1/125秒〜1秒
中央部重点測光時はTTL調光可能
・・・シンクロモード機能
先幕シンクロ、後幕シンクロ選択可能(ボディ側で切換え) |
レディライト |
別売スピードライト(SB-104,103,102)使用時、充電完了で点灯、及びフル発光時に点滅して露出警告 |
アクセサリーシュー |
センサーユニットSU-101等使用可能 |
シンクロソケット |
ニコノス型ソケット(X接点のみ) |
リモートソケット |
4芯式コネクター |
裏ぶた |
内側裏ぶた付き蝶番式二重裏ぶた方式(取外し不可)
・・・フィルム確認窓付き |
使用電池 |
6Vパックリチウム電池(DL223AまたはCR−P2タイプ)1個使用 |
電源スイッチ |
シャッターダイアルをL以外にして、シャッターボタン半押しで電源ON(シャッターボタンから指を離すと約16秒後に自動OFF) |
電池容量のチェック |
シャッターダイアルをL以外にして、シャッターボタン半押し後、シャッターボタンから指を離して表示確認
・・・約16秒間点灯/電池容量十分あり
・・・すぐに消灯/電池消耗
・・・全表示点滅または点灯せず/電池交換 |
三脚ネジ穴 |
1/4インチ(JIS規格) |
耐圧性 |
水深100m |
大きさ(幅x高さx奥行き) |
約196mmx151mmx85mm |
重量 |
陸上:約2,130g(本体のみ)/約2,680g(28mm/f2.8付き)
水中:約970g(28mm/f2.8付き) |