NIKONOS I,II
NIKONOS RS NIKONOS I
NIKONOS II
NIKONOS III

Overview Nikonos I,II


フランスのスピロテクニクス社が作った水中カメラ「カリプソ」をベースにニコンの技術で完成させた全天候型カメラ「ニコノス」。昭和38年に発売されたその映えあるI型機は予定生産台数である2万9000台をもって生産を完了。標準の35mmレンズは当時定評のあったニコンSシリーズの35mmF2.5レンズを水中用に改良したとのこと。

予定生産台数を完了したニコノスだが、その後もダイビングの普及にともない需要が増えたため外観、機能はほぼそのままにII型として再生産され、昭和43年に発売。

I型からII型への主な変更点は...

材質をステンレスからプラスチックに
巻き戻しダイアルをつまみからクランクに
II型のロゴを付加
シャッターダイアルにR指標を付加

・・・・・以下は当時の取扱説明書より

■ニコノスは、世界ではじめて開発した驚異のオールウェザー(全天候)カメラで、どんな撮影条件のもとでも自由に使え、活動範囲は無限です。
■フォーカルプレーンシャッタで、レンズはワイドニッコールを使用しており簡便な操作で種々の撮影ができます。
■ニコノスは、その完全防水機構によって、以前から使われているような防水ケースを必要としません。各連結部、回転部にはすべて”O”リング処理がしてあり、しかも耐蝕性を考えた材料を使ってありますので、あらゆる天候下の撮影に耐え、そのまま水中50メートルまでの深さで撮影が行えます。
■ニコノスは、水中撮影をはじめ、陸上でも、雨や雪のとき、泥や砂・ホコリのあるところとか、高温、高湿などの悪条件下での撮影にも、特別な心配をしないでもすむまことにユニークな、いわば”夢のカメラ”であります。
■ニコノスの用途は、したがって船底の検査、魚群の調査をはじめ、暴風雨、火災、洪水などの災害、医学用、またはアクアラングをつけての海中撮影とか、登山家、探険家用などの実用面から、さらに、海水浴、ヨット乗り、スキー、冬山登山、スケートなどのレジャー面にも広く使われます。
 

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【ニコノスI,IIの感想】
I,II型はともにほぼ形が同じで、機能としてもまったく同等のものである。現在のストロボに相当するものとしてフラッシュガンがあるが、I,IIとも当時のフラッシュガンI型のみが使用可能。III型までに共通して言えることだが、フィルムの装填時にはレンズをはずし、カメラ本体の内部をカメラの両脇にあるストラップ用金具の部分をテコの原理を使用して抜き出さなければいけなく、かなり面倒である。しかしながら構造的に水没しにくくコンパクトであり、水中写真はもとより水・泥・埃の多い環境でも安心して使えるカメラの存在は貴重である。初期のレンズは絞りつまみおよび距離目盛つまみが小さかった。そのためグローブの装着が当たり前のダイバーに対してはつまみの径を大きくするアタッチメントが用意されていた。フィルムカウンター指標は本体底部にあり、三脚穴はフラッシュガン用のコネクタと共用であった。残念ながらわたしはI,II型については見たことはあっても触ったことはなく、その感触などがレポートできなくて残念だ。

【ニコノスI,IIでの撮り方】
ストロボコネクタの形状が特殊なため、現在の水中用ストロボは使用できない。使用できるのは純正のフラッシュバルブである。したがって、水中で利用するにはノーストロボで行くしかなく、実際に撮影できるシーンはほとんどワイドに限られる。III型からフィルム送給系が改善されたため、フィルムのコマ間隔のズレなども心配だ。さまざまな制約があるため、水中での使用は控えコレクションとして保存するのがいいのでは?

【ニコノスI,IIを買うには?】
中古市場にはほとんど流通されなくなってきている。O−リングセットが手に入らなかったり、現行のスピードライトが使用できなかったりと現在使用するには制約がありすぎる。その割には中古でたまに出てきてもたいして安く売っていなかったりしており、コレクター価格ではないかと思われる。ニコノスは使ってなんぼのカメラなので適正な価格で売ってほしいものである。
 

Specification

画面サイズ 24x36mm
使用フィルム 35mmフィルム(パトローネ入り)
レンズ W−NIKKOR f=35mm、F:2.5
4群6枚(前面防水ガラスは除く)
Fナンバー 2.5,4,5.6,8,11,16,22
レンズ側面のつまみでセット
距離目盛 空中で∞〜0.8m
被写界深度目盛 距離目盛上で絞目盛に連動する指標で読み取る
ピント合わせ 絞りつまみの反対側のつまみでセット
シャッタ フォーカルプレーン型上下作動の金属板
B,1/30,1/60,1/125,1/250,1/500秒
ファインダー アルバタ式 ブライトフレームつき
0.63倍 パララックス・マーク(0.8m)
フィルム巻き上げ レバー式 1動作 回転角約70度
シャッタチャージ フィルム巻き上げレバーによる
フィルム巻きもどし 引き上げノッブによる
フラッシュ・シンクロ・
ターミナル
三脚ねじ取り付部にある特殊形式
フィルムコマ数計 自動復元式
アタッチメント・サイズ 58mm,P=0.75 ねじ込み式
カメラボデー 鏡玉部、外箱、内部機構部の3部にわかれO−リングによって完全防水されている
ファインダーシュー 水中ファインダーその他付属品取りつけ用
三脚孔 カメラ底部にある
カメラの大きさ 97mmx125mmx68mm
カメラの重さ 約700g(水中約250g)
アクセサリ 水中ファインダー
水中フラッシュガン

空中フラッシュガンアダプター

レンズフード

フィルター(52mmねじ込み式)

ソフトケース(防水処理)

予備O−リング(2ヶ)とO−リング用グリース

レンズキャップ