NIKONOS V
NIKONOS IV-A NIKONOS V NIKONOS RS

Overview Nikonos V


前代IV型の不満個所を解消すべくニコンは昭和59年4月、IV型の発売から4年を待たずにニコノスVを発売した。以来、現在まで発売されているロングセラーカメラである。IV型からの改良点はマニュアル時のシャッタースピードがIII型のように選択可能になったこととスピードライトSB102,103以降を使用することによってストロボ光をダイレクトに測光するTTL自動調光を採用したことが大きい。これによってベテランからビギナーまで使いやすいカメラとなった。また、オレンジ・モスグリーンと2つのカラーバリエーションがあり、「カメラは黒」という常識を破ったのも目新しい。しかし、いかんせん15年も前のカメラなため目測によるピントあわせと絞り優先オート、1/30秒までの低速シャッターなど機能的には現在の一眼レフカメラなどとくらべると時代遅れなカメラである。

2001年10月、ニコンはついにニコノスVの生産中止を発表した。新機種の発表もなく、ニコンは水中撮影機器から撤退するとの噂だ。ニコノスよ長い間おつかれさま。
 

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【ニコノスVの感想】
ニコノスVというカメラを知ったのはニコノスVが発売されてから10年がすぎた頃だった。当時はあらゆる環境においても撮影可能な製品ラインアップを用意しているニコンの姿勢に惚れ、はじめて購入した時もシーアンドシーのモーターマリンIIとで迷ったがやはりニコノスVにした。以降、わたしの初期のダイビング人生のほとんどはこのニコノスVとともにある。途中3回の水没、1回の紛失にもかかわらず、常に3台体制を維持してきた。ニコノスVの特徴は握りやすいグリップとTTL調光だろう。特にTTL調光は撮りたての頃はかなりお世話になった機能だ。しかし、次第にTTL調光が得意なところ苦手なところがわかり、マニュアル撮影のデータも取れてくると安くて水没しても痛くないIV型で撮ったり電池いらずのIII型にあこがれたりした。しかし、ここ一番大事な撮影ではやはりニコノスVで撮影していた。

【ニコノスVでの撮り方】
これだけの長期にわたる販売から察するに致命的な欠陥がなく、コストパフォーマンスにすぐれたかなり完成されたカメラであると思われる。生産完了となったもののあと数年は修理可能であるため、あらゆるシーンで活躍できるだろう。スピードライトのTTL自動調光機能は露出設定が難しい接写撮影などで重宝する。また、III型譲りのマニュアル露出時のシャッタースピード選択もでき、ビギナーから上級者まで十分活用できる。

【ニコノスVを買うには?】
ニコノスVは生産が完了したものの17年間も売られていたため、中古と新品両方とも十分に流通している。97年9月よりボディおよび純正レンズが値上げされたため、中古相場も若干あがった。新品の相場はあまり詳しくないが、中古相場はボディ単体で\45000〜\50000あたり、レンズ付で\53000〜\68000あたりで推移している。程度を気にしなければ35mmレンズ付で\38000という出物もあるのでチェックしておきたい。水没の事態でも中身の総取換で修理が可能である。生産終了に伴い、程度のいいものの相場は上がるものと思われる。
 

Specification

形式 電子制御式35mmフォーカルプレーンシャッター式防水カメラ
使用フィルム パトローネ入り35mmフィルム各種
画面サイズ 24mmx36mm
レンズマウント ニコノスマウント
シャッター 電子制御上下走行式メタルフォーカルプレンシャッター
シャッタースピード A(オート):1/1000秒〜1/30秒無段階電子制御式
マニュアル:1/1000秒〜1/30秒クォーツデジタル電子制御式

M90、Bメカニカル制御式
ファインダー 逆ガリレオ型アルバダ式ファインダー(35mmレンズ用)
ファインダー視野率 約85%(∞)
ファインダー倍率 約0.55倍
ファインダー視度 −0.9Dp
アイポイント 約40mm
パララックス補正 ファインダー内に表示
ファインダー内表示 LED表示によるシャッタースピード目盛、露出警告表示、レディライト
測光方式 TTL中央部重点絞り込み測光方式
測光範囲 ASA/ISO100でEV9〜19(f/2.8・1/30秒〜f22・1/1000秒)
受光素子 露出計用およびTTL自動調光用にSPD(シリコンフォトダイオード)2セル使用
フィルム感度連動範囲 ASA/ISO25〜1600
フィルム巻き上げ 一作動レバー式、巻き上げ角144°、小刻み巻上げも可能
フィルムカウンター 自動復元順算式<S・・1〜36>
カウンターが<1>になるまでシャッタースピードは約1/1500秒に固定
フィルム巻き戻し シャッタースピードダイアルをRにセット(同時にシャッターロック)
および巻き戻しクランクによる
シンクロ接点 X接点のみ、1/90秒以下でスピードライトに同調
SB101・102使用時、A(オート)、マニュアル1/125から1/1000秒でも1/90秒に自動セット
レディライト LED表示
SB−102など使用時充電完了で点灯

自動調光範囲外、フィルム感度連動範囲外などで点滅警告
裏ぶた  蝶番式
裏ぶた開閉 開閉ツマミによるロックボタン付
フィルム圧板 蝶つがい式
電源 3Vリチウム電池(CR−1/3Nタイプ)1個
1.55V銀電池(SR44タイプ)2個

1.5Vアルカリマンガン電池(LR44タイプ)2個のいずれか使用
露出計スイッチ シャッターボタン半押しにてスイッチON、指を離すと16秒後自動OFF
バッテリーチェック ファインダー内露出表示LEDにて確認(ただし、フィルムカウンター1〜36のとき)
三脚ねじ穴 1/4インチ(JIS規格)
大きさ(幅x高さx奥行) 約146mmx99mmx58mm(ボディのみ)
重量 約700g