【ニコノスIIIの感想】
今まで手にしてきたカメラとフィルムの装てんから異なるカメラである。フィルムを交換するにはレンズを取り外してからでないとできない。III型は今発売されているスピードライトが使用できるため、マニュアル撮影を好む人にとってはV型よりもコンパクトなため人気がある。もちろんIII型は完全メカニカルカメラなので電池の必要もなく、手間いらずである。特にニコノスIII+旧15mmレンズの組み合わせでは高画質かつコンパクトなワイドカメラとなる。完全なメカニカルカメラということで万が一水没しても直る可能性はある(あくまでも可能性)。標準のファインダーは小さく、マスク越しでみるにはかなりつらい。またレンズとの光軸ともずれているため水中での使用ではアクセサリーシューにつけるタイプのファインダーを使用するのがいいだろう。III型用のO−リングセットはいまだに購入可能できるのでその点でも安心だ。ただし、すでにニコンからはオーバーホールを含めあらゆる修理ができなくなっていることを考慮して使用したい(ただい、外部修理業者は存在している)。使用した感触だが、やはりI型からIII型までつづくあのレリーズとシャッターチャージおよび巻き上げがひとつのレバーで一動作で行えるのはとてもいい。連写も可能だ。特にあのコンパクトさと合いまってスキンダイビングでイルカやマンタなどを狙うには最適な撮影機材だろう。III型はそのカメラの利点を熟知してかつ十分な撮影知識を持たないと宝の持ち腐れになりかねないカメラだといえる。
【ニコノスIIIでの撮り方】
I,II型にも共通するがIII型の特徴は電子回路を一切持たない完全メカニカルカメラであることだ。そのなかではIII型が最も完成度が高い。現行のシンクロコネクタもIII型からの採用で、マニュアル発光であれば最新のストロボも使用可能である。III型はその完成度とコンパクトさから、もっとも似合っているのは旧型の純正15mmレンズとの組み合わせである。また、ワンアクションでレリーズ・シャッターチャージ・巻き上げが行えるため、スキンダイビングでマンタやクジラなどをすばやく連続しての撮影には効果的だ。メカニカルカメラのため電池の心配が要らない反面、一切のオート機能はなく露出もマニュアルであることが撮影者の敷居を高くしている。
【ニコノスIIIを買うには?】
だんだん中古市場で見かけることも少なくなってきた。銀座のニコンハウスではときどき在庫しているが場所柄か相場よりもやや高めだ。しかし、現行のスピードライトが使えるシンクロ接点を持ち、O−リングセットがまだ売られていたりと十分に使える環境にはあるのでIII型の魅力をご存知の方は手に入れておくといいと思う。
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