食事の終わったころ、「デザートかコーヒーはいかがですか」とウェイターが聞いてくる。ぶらぶらぶらーと並べられる言葉をなんとかキャッチしていると、その中に「モカ」があった。
ぼくはコーヒーの中でモカが一番好きである。酸味と苦味のバランスが好みというのがその理由。だから迷わずモカを注文した。
ところが、サーブされたのはワイングラスのような容器に入れられた褐色の液体。確かにコーヒーだしホットではあるのだが、ぼくが待っていたモカとは全然別物。
その夜、自宅で本を眺めていたら、あるコラムが目に入った。
モカ Moca (Mocacino): ベースはエスプレッソ+ホットチョコレート…
ぼくが期待したのは Mocha で、やってきたのは Moca というわけ。