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刀の銘には、十二支に十干（じっかん）を組み合わせ、干支（えと）とし、単独もしくは年数と併記して制作年代を茎（なかご）に切る場合があります。例えば、「天保三壬辰年八月日」などです。壬が十干、辰は十二支です。十干と十二支は以下の表の通りです。

十二支と十干を組み合わせた干支は６０個ですので、同じ十二支と十干の組み合わせは６０年に一度しか巡ってきません。ここから６０歳を還暦としているのです。

＜この表の使い方＞

上の例のように刀に年号と干支が併記されている場合は、それが正しいか調べることができます。例では下の表でた行の天保を捜してみると元年が庚寅になっています。壬は庚の２つしたなので天保三年であることが分かります。念のため寅の２つ下は辰ですので壬辰は正しいということになります。同じ組み合わせは６０年に一度しかないので、刀に切られた銘を調べる時に役立つと思います。この切られた干支の組み合わせが、その刀工の活躍した時代と合致しない場合は、その銘は疑わしいということが言えます。

また、偽物と繕いでも書きましたが、年号に元年と入っている場合は、その切られた日付が改元日後の日にちかどうか調べることで、銘の真偽が分かります。各年号には改元日も記載してありますので、何かの時に調べられるようにしました。ただし、今と違って昔は情報の伝達が遅かったので、改元しても地域によっては伝達が遅れたかもしれません。従って絶対とは言えませんが、銘の真贋の手助けになることは間違いないと思います。

＜注＞

●平安時代には干支を記載していません。

●年数はその元号が続いた年数です。ただし次の元号の改元日以前迄は前の元号になりますので、記載してある年数に１年足さないといけません（例：明治は表では４４年になっていますが、大正が７月３０日からですから７月２９日までは明治４５年ということになります）。

●区分はその時代の刀を呼ぶ場合の区分です。ただし古刀の場合は時代中の期分けにしました。南北朝は期分けはしていません。

●一番下に年代順の時代一覧表を付けました。

あ行  か行  さ行  た行  な行  は行  ま行  や行  ら行

あ行

か行

さ行

た行

な行

は行

ま行

や行

ら行

＜年代順年号表＞