Last modified : 2003.06.07


SL-2100
ジャンク品修理(その1)

SL-2100 ジャンク品修理(その1)

ジャンク品と言う事で\18,000でした。かなり高価でしたが、一度触っておこうと言う事で、勉強代がてらの購入です。
購入時は、電源は入るが再生できませんとの事でした。
確かに電源ON後、テープを入れ、再生ボタンを押しても動作しません。
更に、フロントの操作盤をOPENしてもライトが点かない。この機種の良くある故障だと思います。

原因はキャプスタンモータの不良と操作盤のリード線切れと思われます。
作業手順 @

まずは、いつもやっている事なのですが、キャビネットを開けて、メカ・ヘッドとご対面と行きましょう

今までのデッキと違い、本当に天板のみ外れる構造のようです。写真の5個所のビスを外します。

作業手順 A

ヘッドとご対面!と言いたいところですが、銀色の板がヘッドとメカ部を邪魔しているではありませんか。
回路とメカの干渉を防ぐ為でしょうか、隠してしまうのはもったいないです(^^)

作業手順 B  

とにかく、この銀色の板を外すには、サイドパネルが邪魔でとれませんので、両パネルを外します。

ここで、気が付いたのですが、SL-2100のフロント、サイドカバーは特殊な素材が使用されています。
これは、音の響きをよくする為で、BMC(Bulk Molding Compound)材と言うそうです。

でも、このBMC材、どうも焼き瓦に素材が似ています。
フロントパネルに、少し割れている部分がありましたが、触るとボロボロと崩れて行き留まる事を知りません。
こういう素材は、一旦割れると、崩壊しやすいと言う欠点がありますし、メンテナンスが難しいですね。
この部分の修復には、少々お高い修復材ですが、プラリペアがお薦めです。

作業手順 C

ついでにここまで来たら、底板も外します。  

作業手順 D

底板を外したので、先にキャプスタンが回っているかどうかをチェックする事にいたしました。

キャプスタンモーターを覆っている黒いカバーが邪魔をしているので、これを外します。(赤丸)
爪が3箇所あるので、それさえ外れれば難なく外れます。
フレーム側が外れにくいかも知れませんが、ガチャガチャやっているとそのうちに外れます(笑)

サブシャーシからリール基板を外し、コンセントを接続、電源を入れます。
そして、テープ挿入感知スイッチ(黄丸)を押さえます。
すると、スレッディング状態になりなりますので、操作ボタンの再生を押します。
キャプスタンは以外と回転しておりました。

   
作業手順 E

今度は、リールを元に戻し、表がえって、銀色の板を外します。そして、今度は本物のテープを使用して様子をみます。

   
作業手順 F

すると、スレッディングが完了していない事が判明致しました。

原因をまとめると、キャプスタンモータ不良ではなく、
スレディングが未完了の為、再生モードにならず、キャプスタンが作動しなかった為でした。

   
作業手順 G

SLO-420でよく似た現象があり、スレッディングモーター部の動力伝達部に不具合ありと見て、ここを分解してみます。 (SLO-420 修理(3)(修理委託品)を参照)

スレッディングモーター部の機構はSL-F7/F11/HF77から初期のHI-Band機で変更になり、後期のHI-Band機からまた変更されています。
EDV-9000、SL-HF95D/85D、等と同じです。

スレッディングモーターを留めてあるネジ2本を外し、写真の丸印部分に留め具があるので、それを外してモーター部を取り出します。

   
作業手順 H

不具合点が2点見つかりました。

写真では判り難いかも知れませんが、1点はスレッディングモータ直付けの部品が写真1のように割れています。
この状態ですと、ギアに負荷が掛かると、空回りしてしまいます。
ここはとりあえず、自作部品(写真3)を使用します。(『供給ENDのギア部品を作ろう!!』を参照)

もう1点は写真2のように、スライド部分のかみ合わせが本来の位置にありません。
この状態では、スレッディングをしても、スレッディングロックを解除できないので、アンスレッディングも出来ません。
写真4のように、調整しておきます。

作業手順 I

作業手順Hの調整、部品交換を行った後、テストをしてみます。

スレッディングが最後まで行くようになり、再生ボタンを押すと再生できました。
ヘッドも問題ないようで、綺麗に録画・再生ができました。

気になる画像ですが、悪くはありません。ただ、SL-HF3000のBetaISHBの画像に慣れていると少し物足りない気がすると思います。
とりあえず画像はでましたが、まだ、操作パネルの修理がありますので、つづきます。

今回の修理の内訳です。
デッキ本体 \18,000
交換部品 自作部品 \0

修理代 \0
部品代 \0
合計 \18,000
修理時間 約2時間
(部品清掃時間含)  

特記事項 

 

 


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