日本大学マンドリンクラブＯＢ会
| 両国 日本大学講堂。１期〜２０期位の方は記憶にあるかもしれません。
特徴のあるドーム形の屋根、この講堂で入学式や卒業式をされた方も多いことでしょ
う。創成期には、日本大学マンドリンクラブが合宿をした場所も日本大学講堂の施設
でした。また、合宿ばかりでなく、通常の練習場所としても利用していました。
両国講堂（旧両国国技館）は大相撲の興行のための施設でした。両国駅すぐ脇にあ
る現在の国技館とは異なり、京葉道路沿いの本所回向院の境内にありました。1909
年（明治42年）に開館して、大相撲の常設館として、円型ドームが巨大な傘のように
見えることから『大鉄傘』と呼ばれていました。中央の土俵を囲んだ桟敷、４階までの
観客席に１万３千人が収容できたそうです。
その後、大正時代に火災で一回、関東大震災でもう一度、焼失し、そのたびに再建
されました。
太平洋戦争中の1944年（昭和19年）日本軍に接収され、風船爆弾の工場としても使
用されました。
風船爆弾ってご存知ないでしょうが、日本陸軍がアメリカ本土爆撃のため、太平洋上
空のジェット気流を利用して、巨大紙風船にタイマー付の爆弾を取り付けて飛ばしまし
た。燃料が不要ですので、究極の省エネ攻撃道具です。
約一万個の風船爆弾が放たれ、実際にアメリカの海岸地帯を爆撃したことが記録さ
れています。
終戦後の1945年（昭和20年）にはＧＨＱ（連合国軍最高司令官総司令部）に接収され、
メモリアルホールとして改称・改装されました。
1958年（昭和33年）6月に日本大学に譲渡され、日本大学講堂として利用されました。
日本大学マンドリンクラブ創生期の合宿はこの講堂の敷地内にあった２階建てのビル
で行われ、練習は向かいの大講堂ホールで行われました。
このビルは相撲取りの宿泊施設として建設されたものでした。自分の相撲部屋が遠い
人はここに泊まって、相撲興行に出場していました。
マンドリンクラブ合宿の思い出では、布団が汗臭く、汚れていてたまらなかったそうで
す。
 この講堂で入学式や卒業式をした方も多いはずです。
日本大学マンドリンクラブはここで行われた日大ミュージカルや数々のイベントに参加
しています。明治大学マンドリン倶楽部も時々ここで公演していた事を覚えています。
また、プロレス興行や歌手の公演などにも利用されていました。
その後、1982年（昭和57年）に、日本大学講堂は老朽化により解体されました。
【両国国技館歴史】
 写真上は、1909年（明治42年）に大相撲の常設館として、開館した時の写真。
時代と共に屋根や周りの形状が変化しているのがわかります。
左下に変わった形状の屋根が見えます。回向院なのかもしれません。
 写真上は、1935年（昭和10年）頃の両国国技館です。珍しい上空からです。
 写真上は、1936年（昭和11年）5月の両国国技館です。門前にクラシックカーが普
通に駐車しています。
 写真上は、1945年（昭和20年）終戦時の両国国技館です。国技館周辺は無残に
焼野原となってしまいました。
 写真上は、1950(昭和25)年、進駐軍に接収されていた当時の旧国技館。当時は
進駐軍に『メモリアルホール』と改称させらてしまいました。丸い屋根には白ペンキ
でMEMORIAL HALLと書かれていました。
丸い屋根の旧国技館の手前にあるビルが日本大学マンクラの合宿に利用された
ビルです。終戦後約５年の風景ですが、町は整備されてきています。道路には都
電の線路が見えますが、車はまばらで歩行者が多く見られます。
 写真上は、１期〜４期が合宿した1960(昭和35)年頃の日本大学講堂です。
何度も改修したのでしょう、てっぺんの形状や出窓の屋根の形状が、上の1950(昭
和25)年の写真と異なっています。
日本大学講堂の周りにビルが出来ため、合宿に利用されたビルは半分位しか見え
なくなってしまっています。都電の線路はまだありますが車の数がかなり増えていま
す。街灯や電柱もりっぱなものに変わっています。日本復興のすさまじい早さなので
しょう。
 写真上は、６期以降が大学講堂として入学式などを行った1965(昭和40)年頃の日
大講堂です。1958年（昭和33年）6月に日本大学に譲渡されていますので見づらい
ですが日本大学講堂の文字が見えます。
 写真上は、1965(昭和40)年の日本大学の卒業式です。講堂内がよくわかります。
 写真上は、1960年以降の日本大学講堂です。講堂側面に日本大学講堂と書いてあ
るのがはっきり見えます。路面電車が新鮮です。
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