2007年11月04日
【国立ロシア民族楽器「オシポフ・オーケストラ」】
東京都 12期 竹内
2007年10月25日・所沢市民文化センター・ミューズ
「オシポフ・オーケストラ」は、民族楽器のプロ・オーケストラです。正式名称は
「オシプフ記念・国立ロシア民族楽器オーケストラ」。
ロシア革命の2年後当時のソビエト赤軍の戦意高揚と慰労のための軍楽隊とし
て1919年に設立されました。初めは17名の楽団員で最初の名称は「モスクワ
第一ロシアオーケストラ」。内戦の終結と共にその性格も変化し、1936年から名
称は「ソ連邦国立民族楽器オーケストラ」となり、団員80名の大管弦楽団となりま
した。
1940年同オーケストラのバラライカの名ソリストであったN・P・オシポフが芸術
監督・指揮者となり、彼はオーケストラの楽器編成を拡大し、吹奏楽器とバヤン(ロ
シアのボタン式アコーディオン)を導入。彼はまたS・N・ヴァシレンコ等著名な作曲
家を多数メンバーに入れたそうです。
オシポフの死去(1945後年)、1946年には彼の功績を讃えてオーケストラの名
称の前に《オシポフ記念》を付することになった。また、1969年には「アカデミー」
の称号を国家授与しています。
今、ロシア国内だけでなく世界各地を演奏旅行し名声を博しています。
10月25日に、所沢市民文化センター・ミューズで来日公演が行われました。
ロシアは芸術文化が盛んであることは皆様ご存知だと思います。その中でも民衆
の歌、踊りとともにロシアの民族楽器も日本の中で広く伝わっています。
ロシアの楽器と言えば、三角形をしたバラライカを第一に思い浮かべるのではない
でしょうか。
写真をご覧下さい。マンドリンにもいろいろな種類があるのと同じ様に、バラライカ
の他、少し大きいバラライカ、巨大なバラライカ、丸い形のドムラ、さらに大きいドム
ラ、ボタン式アコーディオンのバヤン、チターのような楽器等、その種類の多さに驚
きます。
その演奏は民族音楽という狭いものではなく、すばらしいオーケストラ音楽でした。
楽しく、明るく、ある時は悲しくと感動的な音楽です。
演奏曲は、チャイコフスキー、ラフマニノフ、グリンカ、シュトラウス、ビゼー、ハチャ
トゥリアン等のクラシック曲を中心にオリジナルや民族音楽など曲目も多彩な2時間
でした。
さて、バラライカはすでに皆さんおなじみですので、民族楽器ドムラをご紹介します。
中央アジア生まれ、ロシア育ちの民族楽器「ドムラ」。有名な三角形の弦楽器バ
ラライカは、このドムラから派生したものです。
3弦と4弦がのタイプありますが、主には3弦で鋼製の単弦をピックで弾くものです。
音域は大きさによりソプラノからバスまで多岐に渡ります。
民族楽器オーケストラでは主旋律を担当する重要な楽器です。
日本ではマンドリン系の方がピックを使用してバラライカを弾いているのを見かけ
ますが、本来、ピックは使用しないそうです。ですからピックを使用するドムラの方
がマンドリンの音に近い感じがしてしまいます。小型のドムラはマンドリン、中型は
マンドラの音のイメージと言った方がわかり安いかもしれません。弦高が高いため
張りのある透き通った音色が出ます。マンドリンより明るい音色です。
音の響きはボディーがマンドセロのようにフラットなのでマンドリンの方が深い音が
します。
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