私のマドンナは誰?
SCENE 6 〜神殿奉献〜
204
204 VITTORE CARPACCIO La
presentation au Temple (Detail) 1510
Gallerie Dell'a Accademia, Venise
Editions Hazan, Paris 1994 1999・9・30入手 リュート
のカデンツ
↑ このリュートを弾く少年カードは、コレクションの初期に手に入れたもので
まだ カルパッチョという画家のことも ヴェネチア派の絵画ということも 何も知らない頃でした。
でも、このちょっと憂いのある表情と 足を組んだ姿が なんだか とても印象的。
この少年は いったいどんな所で、演奏しているのでしょう?
その後
この少年は 笛とヴァイオリンの可愛らしい女の子と一緒で
左右に両手に花 状態で奏楽中 とわかりました。
なら もうちょっと 嬉しそうな顔してもいいのに!
↓ はい マドンナは こちら。
聖母マリアと幼子イエスは
玉座に座ることなく なにやらたくさんの人と立ってお話しています。
そう、これは 聖母マリアの生涯 のなかの 神殿奉献 という場面です。
モーゼの律法では 人の子は生後一ヶ月で神に捧げられなけらばならない とあるそうで
イエスも マリアにつれられて エルサレムの神殿を訪れます。
迎えたのは シメオン老人。
彼は メシア(救世主)に出会うまでは死ねない という神のお告げを受けていたので
訪れたこの幼子こそ 救世主だ! と見抜くと
これでやっと私は安らかに去ることができる と たいそう喜んだそうです。
幼子イエスを 神の子として祝福すると同時に
これからイエスが受けるであろう受難を そして、そのためにマリアが受ける苦しみを、
いま、静かに語ってきかせているところなのだそうです。
ああ、だから
この少年少女たちは、そのシメオン老人の意味深い語りかけに合せるように
ちょっと緊張した面持ちで 奏楽しているのですね。
1786
1786 Venezia Gallerie
dell'Accademia Vittore CARPACCIO (1465c−1523/26)
Presentazione di Gesu al Tempio Tavola (4.21x2.36) Foto Archivio
Storti 1981
2004・10・2 ファイル差し替え 奏楽天使
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