十二単の教養
2798
2798 重要文化財 住吉物語絵巻 (部分) 鎌倉時代 静嘉堂文庫美術館
2003・10・10入手 楽器
のカデンツ
平安の時代より音楽の素養を持つことは、貴人の重要な資格のひとつだったそうで
ゆえに十二単の姫君方のお部屋に 楽器が置かれているのは当然のことだったのでしょう。
中央公論社 『続 日本の絵巻 住吉物語絵巻 』 編集解説 小松茂美 で
↑ 2798の場面を詳しく説明してくれています。
静嘉堂文本 下巻 ー 少将 姫君を訪ね 乳母の死を悼む − 吹抜屋台の場面である。
中門廊をわたって対屋の簾子に達した少将が侍従を密かに呼び出している。
立蔀(たてじとみ)と格子にはさまれて少将と侍従が立ち話をしている。
会話の内容は詞書の字句が語るとおりである。
格子の内側は姫君の住まう対屋。大和絵の障子をひきめぐらしている。
全て一連の図様らしく、雪の住吉の景色とみた。
部屋の中に敷かれた畳も小紋高麗縁と大紋高麗縁の二様。
姫君の所用と侍女たちのそれを明らかに区別している。
かたばみと唐草の文様を染め抜いた三尺の几帳がたてられている。
その帷(かたびら)の陰に座るのが姫君。硯箱を於いて、薄様重ねの料紙に消息をしたためている。
三人の侍女たちが美しい唐衣を身にまとっている。
色紙形を置いた障子の前なる女房の一人は、鏡を手にもって身づくろいをしている。
部屋の奥には琴、筝、琵琶がたてかけられている。
とりわけ、琵琶が裏返されているのがおもしろい。
すべて華やかな姫君の起居を、この図はいかんなく物語っている。
↓こちらは浄瑠璃絵巻。
4360
4360 浄瑠璃絵巻(部分) 室町時代 サントリー美術館
Tale of Lady Joruri and Yoshitsune Muromachiperiod
2007・4・14入手 アンサンブル
おお、これは十二単のお姫様オーケストラか、と思えるような合奏図です。
江戸の謎の絵師とされる岩佐又兵衛の浄瑠璃物語絵巻より古い、室町時代のものだそうです。
牛若と浄瑠璃姫のロマンスを扱った絵巻。
このカードは 部分画で 実は とても重要な人物がカットされています。
浄瑠璃物語は、牛若と浄瑠璃姫が主役。
そう、水もしたたる ↓ このハンサムな牛若がカットだったんです。
これは二人の出会いの場面なのです。
牛若は、金売吉次らの供をして、東くだりの途中、三河の国 やはぎの宿で、
宿の長者の姫が奏でる管弦の音にききほれ
自分の笛を取り出して吹くと、姫のほうも心惹かれ、源氏の御曹司と知って牛若を邸に招き入れる。
二人は琴と笛を合奏して相愛の仲に陥る・・・という筋書です。
こちらが その全体図。
2517
2517 浄瑠璃絵巻 室町時代 Joruri
Emaki サントリー美術館
( Illustrated handscroll of the story of princess Joruri) 2003・2・15入手 アンサンブル
源氏物語 から
2769
2769 源氏物語色紙貼交屏風 (末摘花) 土佐一得筆 桃山時代 東京国立博物館蔵
便利堂 2003・9・20入手 琴
白描 源氏物語
7119
7119 源氏物語 白描 宇治十帖 第45帖 橋姫 かいま見する薫 宇治八宮邸 (大君 中君) 阪急文化財団 逸翁美術館蔵
2012・11・20入手 アンサンブル
国宝 源氏物語絵巻 については こちらを どうぞ → 鈴虫は横笛だけじゃない
20世紀に描かれた十二単のお姫様
まるで ウォリーを探せ みたいですが 楽器はど〜こだ?
1163
1163 松岡映丘 春光春衣 大正6年(1917) 山種美術館 2001・3・21入手 琵琶
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