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散楽図浮彫

古代中国女性オーケストラ 

 

1021

1021 Treasures of Ancient China 中国国宝展 散楽図浮き彫り 河北省文物研究所所蔵 
2000・11・18入手      
オーケストラ

 

 

のカデンツ

 

ユニークな女性オーケストラ!

迫力ある音楽が カードから もれ聞こえてくるようですね。

この作品が展示された美術展に行った カードコレクタ−の先輩 A から 

郵送で受け取った 使用済みカードです。

左右一対のフルオーケストラの浮き彫りの 

これは左部分なのだそうで、

残念ながら右部分は カードになっていなかったとのこと。

左右揃ったら もっともっと迫力あったでしょうに 残念!

余談ですが

展覧会で せっかくお目当ての楽器の入った作品に出会っても

 それがカードになっていない ということほど 失望することはありません。

全部の作品を カード化するのはムりとしても・・・・

せめて楽器のあるものだけでも カードにしてほしい! と(笑)

ドイツの美術館などは 所蔵作品のカードの充実ぶりが 素晴らしいそうで

好きな作品が ほとんどカードになっているそうです。

(カードコレクタ−の先輩 A 談)

その話をきいて以来    は 

ずっ〜〜とドイツの美術館に行ってみたいな と憧れていました。

夢を膨らませすぎたせいか 実際に行ってみたら 

ま 確かに充実はしているものの

欲しい作品が全部カードになっている というほどではなかったです(笑)

実は このコレクションを始める前は  

印象派や そのあとのボナールの絵などが好きだったのですが

色が い・の・ち の印象派絵画は 

カードになると 作品の色合いが裏切られ がっかりすることも多く 

 ポストカードなど 拒否していた  でした。

それが今では カード!カード! と叫んでいるのですから・・・あきれたものです。

あらら 大きく逸脱してしまいましたので 話を もとにもどして

小学館 『大図説 世界の楽器』 (初版)  から抜粋します。

 

広大な東南アジア地域の音楽に大きな影響を与えたのは中国の古典音楽である。

3000年も前に大成された理論に基づく中国の古典音楽は

近隣諸国の音楽の発展に大きく影響し

中国起源の楽器は今日でも、類似の形態で各地にみられる。

最も特徴的な楽器としては

フィドル、ゴング、笙、琵琶、大きな爪で弾奏する琴などがある。

この地域の音楽の発展に大きく貢献をしたのは、

宮廷での奏楽、宗教儀式、舞台上演に関連して演奏された楽器などである。

また、中国や日本の琵琶のようなリュート族、琴や筝のようなチター族のための 

独奏音楽もみのがせない。

 

 

 

↓  彼女は最優秀 迫力賞 

 

 

 

↓ 楽器のなかで 特に目をひくのは 下段左から2番目のこの女性の楽器。

 扇のような 拍子木のような と不思議だったのですが

宇治平等院の 奏楽菩薩に 拍板(はくばん)というのがあり 

これもその仲間だとわかりました。

 参照→ 展示室雲中供養菩薩

 

 

 

 

↓ また上段左から 5番目の女性が演奏している楽器も

棒を持って叩くか擦るか しているようですので、

法具のうちわ太鼓のようなものか 魚板とか木魚のようなものかもしれません。

あ 宇治平等院の資料で 小鼓 と判明しました。

 

 

 

それにしても、これくらいアップにしてみると 面白いですね。

その結い上げた髪や みやびな衣装  

目を閉じて ちょっと下膨れの 陶酔しきった表情 などなど

 彼女たちの かもし出す雰囲気が なんともいえず可笑しくて  

ついつい 見入ってしまいます。 

 

 

 

 

 

 

↓  ほら この指使い みてください!

 

      

 

 


 

 

<追記>

この展示室を作成して 15年ちかく経ったある日

長い間 ずーっと 気になっていた

左右一対という もう一方の女性オーケストラの画像を求めて ネット検索を試みました。

キーワードは 中国国宝展 散楽図浮き彫り です。

画像検索では あっけないほど簡単に この一対の浮彫の画像がヒットしました。

この浮彫を 実際に 中国で鑑賞された方が 撮影されたもの。

すご〜〜い! なんていう時代がやってきたのでしょう。

また 考古用語辞典 http://abc0120.net/wiki/doc-view-3596.html には

では この浮彫の詳しい説明が ありましたので

ご紹介したいと思います。

 

白大理石 彩色 高82cm 幅136cm 1995年河北省曲陽県王処直墓出土 

五代(後梁)10世紀 河北省文物研究所蔵

散楽図浮彫は 唐木から五代初めにかけて 義武軍節度使として

河北地方で小勢力をもった軍閥の一人である 

王処直(863〜923)の墓から発見された。

王処直の墓は 東西に小さな副室をもつ前室と 

その北側の墓主の棺を安置した主室からなるが

その内部はそれぞれ壁画や浮彫で装飾されていた。

主室の東壁と西壁のそれぞれ南寄りの部分には 

この二面の散楽図浮彫奉侍図浮彫が あたかも墓主に対して 

生前と同様に宮殿の室内で侍るかのように はめ込まれていた。

これらの装飾は墓主の安寧を願うものであるが

・・・・・

東壁の散楽図浮彫には 音楽を奏でる12人の侍女と指揮棒を持つ人物

西域風の服装をした小さな踊り手ふたりが掘り出されている。

侍女たちは前列右から 笙 箜篌(竪琴) 筝 琵琶 拍板 太鼓

後列右から 方響 小鼓 縦笛 横笛を それぞれ一心に演奏しているようで

その楽器特有の微妙な所作が見事に表現されている。

これと向き合う西壁の奉侍図浮彫には 団扇 羽扇 皿 碗 化粧箱などをもって

ゆっくり進む13人の侍女と その列を先導する小さな人物が彫出されている。

侍女たちの手の仕草や 顔の向きかげんなどにみられる 何気ない所作や視線は

相互に微妙に呼応しており

全体として生動感のある優れた群像表現になっている。

散楽図 奉侍図の侍女たちは いすれも大きな髷を結い 豊満な姿をしているが

その表現は 唐の玄宗が寵愛した楊貴妃を理想とする宮廷趣味が

王処直の時代においても存続していたことを示している。

散楽図浮彫は唐以来の宮廷墓の装飾を特徴づける

音楽と奉侍という二つの基本的な要素を継承するものであるが

その浮彫としての大きさや芸術性豊かな表現の点で

当時の墓室装飾には他に類例のな優れた質をもっている。

 

つまり これは 左右一対のオーケストラの浮彫ではなく 

この散楽図浮彫と 奉侍図浮彫が 対になった 墓室装飾だということなので 

奉侍図浮彫には さまざまな道具は持っているものの 楽器なし と判明しました。

いつまでも ウォンテッドカードにしてなくても よかったのです。

これで すっきり!

 


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