画中画 絵のなかの絵
4811
4811 David Teniers. d.j. 1610
- 1690 Archduke Leopold Wilhelm in his Gallery at Brussels c.1651
Kunsthistorisches Museum mit MCK u. OTM 2008・1・2入手 タンバリン
のカデンツ
まあ、なんてたくさんの絵が描かれた絵 でしょう。
このカードは
ウィーン美術史美術館で入手したものです。
テニールス(子)作 『レオポルト・ウィルヘルム大公のブリュッセルの画廊』 1651年。
この画廊の中に 楽器が描かれた絵が 入っています。
ほら、 左下の ↓ この部分です。
おわかりになりますか?
そうです!
同じウィーン美術史美術館にある ティッツィアーノの この絵です!!
4802
4802 Tizian, um 1488 - 1576 Small
by with tambourine; c. 1510/15
Kunshistorisches Museum , Wien, 2004/1383 2008・1・2入手 タンバリン
その後 図書館で見つけた本に
この レオポルト・ヴィルヘルム大公の美術収集のことが書かれていましたので
さっそく 抜粋引用させていただきます。
森洋子編著 ふくろうの本 『図説 ベルギー 美術と歴史の旅』 河出書房新社
8章 17世紀ブリュッセルの絢爛たる文化 ベレーナ・ブッセルス執筆 から。
ブリュッセルの宮殿が 第二の隆盛期を迎えるのは
1647年 レオポルト・ヴィルヘルムがオーストリア大公になって
名高い 『ブリュッセルへの歓喜の入市』 を 果たした時である。
レオポルト・ヴィルヘルム大公も
スペイン国王の名のもとに 南ネーデルランドを統治した。
大公は 戦地に赴くことが多く 多忙であったにもかかわらず
美術品収集にも熱心で 膨大なコレクションを構築した。
その質の高さは プラハの ルドルフ2世のコレクションを凌駕していた。
ある時 大公は
400点以上にのぼる絵画コレクションを イギリスから購入した。
この時 大公に助言したのは 1651年頃に
美術収集管理官の任を受けた画家 ダヴィット・テニールス(子)だった。
テニールスの 『美術愛好家の収集室』 という作品は
(↑ 冒頭の 4811のカード)
ブリュッセル宮殿の絵画収集室を描いたものである。
また
『イタリア絵画の収集室』 では レオポルト大公が
ブリュッセル宮殿の絵画収集室で 自ら収集したイタリア絵画に囲まれて立っている。
この大公のイタリア絵画のコレクションは 当時 ヨーロッパ随一との評判を得ていた。
レオポルト大公は 為政者としての豪勢さを誇示するため
芸術のパトロンとなり 美術品を収集し 宮殿には楽団を持ち 演劇や舞踊を上演させた。
1656年 レオポルト大公は オーストリアに帰国にしたが
その時 コレクションの一部を持ち帰り これが ウィーン美術史美術館の基礎となった。
1659年に作成されたウィーンの収蔵品目録には
イタリア絵画 517点 ドイツ・フランドル・オランダ絵画 88点
素描 343点 古代美術品 542点
と記載がある。
一方 同じ1659年の ブリュッセル宮殿の収蔵品目録には
絵画 130点 (そのうち 60点は肖像画) タピストリー『シャンブル』 多数
と記載されている。
とあります。
確かに ウィーン美術史美術館には
フランドル絵画も イタリア絵画も た〜くさん ありますよね。
それは レオポルト大公が収集した このブリュッセル宮殿の絵画の大部分を
ウィーンに持ち帰ったからなんですね。
残されたのは 六十点あまりの絵画と ブリュッセルの人たちの肖像画だとか タピストリー。
じつは ベルギー王立美術館にある
『イタリア絵画の収集室』 というカードも 持ってはいるのですが
その中に楽器が入った絵があるかどうか確認がとれず 保留中。
どうも なさそうな気もするのですが
その絵の前に立って この目でちゃんと確認するまでは あきらめませんから(笑)
↓ さて こちらは
フランスは ディジョン市立美術館の展示室を 描いた絵(カード)です。
この絵の中には 楽器の入った絵が あります。
が この ディジョン美術館を訪れたとき
赤服かつらの男性がヴァイオリンを持っている絵を 見つけ
これがカードになっていればいいな と期待しながら 売店に行ったところ
その 赤服かつらヴァイオリン男性のカードは もちろんのこと
その絵が飾ってある ↓ こちらの展示室のカードまで見つけて 大満足!!
6771
6771 Musee des Beaux-Arts de
Dijon Auguste Mathieu La Salle des gardes au Musee de
Dijon en 1847
Peinture a l'huile sur toile, 1847 Musee des Beaux-Arts
de Dijon 2012・6・6入手 ヴァイオリン
そう その絵は ↓ こちら。
この赤服かつらの男性は ジャン・フィリップ・ラモー氏。
フランス・バロック音楽を代表する作曲家であり 音楽理論家。
なぜ、ラモーの肖像画が このディジョン美術館に収蔵されているのかというと
彼の父親が ディジョン大聖堂のオルガニストだったのだそうで
ディジョンは ラモーの生まれ故郷なのでした。
6770
6770 Jcques Andre Aved
(1702 - 1766) attribue a
Portrait de Jean-Philippe Rameau (Dijon 1683 - Paris 1764) Huile
sur toile 1.17 m x 0.83 m 2012.6.6入手 ヴァイオリン
↓ パンニーニの画中画
このカードは 展示室 パンニーニ で 詳しくご紹介しています。
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