あ〜また同じもの
3208 5062
3208 THE HERMITAGE ピーテル・パウル・ルーベンス 『田園風景』
Photo c: The State Hermitage Museum, St. Petersburug,2004 2004・8・11入手 バグパイプ
5062 Peter Paul
Rubens(1577-1640) Pastoral Scene Eichenholz,
162/134 cm
Bayerusche Staatsgemaldesammlungen, Munchen Alte Pinakothek VD
6027-Vontobel 2008・5・3入手 バグパイプ
のカデンツ
コレクションしている身として なるべく いえ絶対
ダブリ買いだけはしないようにと 心がけているのですが
これまでに いったい何枚 同じカードを買ってしまったことでしょう。
入手して何年も経つと これはもう持ってる と思うものでも
ん? ちょっと微妙に違うかも と気になり
いちおう保険で また買ってしまう ということが 多々あるのです。
年々 記憶力も低下してきたせいか
いくら気をつけても 避けられないことが しばしば。
名誉挽回のため
でもね こういう場合もあるから・・・という事例を
ちょっと ご紹介しようと思います。
↑ 上の2枚のカードを見てください。
誰だって これ同じって思いますよね。
ところが これは 別物です。
なぜかというと 所蔵美術館が 違うのです。
2004年 江戸東京博物館で エルミタージュ美術館展が開催され
そこで買ったカード(3208) と
四年後 パリ在住の時 ミュンヘンの アルテピナコテークで 買ったもの(5062)
ファイルするとき あ〜〜いけない これ持ってたんだ
と 一旦 がっかりしたのですが
よくよくみたら 所蔵美術館が違う レアもの でした♪
この展示室では そんな
『あ〜〜〜また同じもの買っちゃった』 と 一旦 落胆したあと
『やったぁ〜〜〜これって 別物だっ!』 と歓声をあげたカードを
ご紹介しようと思います。
ちなみに この2枚
よ〜〜く見比べると 違いが分かります。
2308
5062
でも 一番分かりやすいのは青空とか 手前の草むらかな。
カラヴァッジョの ↓この作品もそうです。
ちょっと違うかな と思ったのですが
並べたら あ〜〜やっぱり同じだわ と がっかり。
顔の表情など 微妙に違うようにも見えますが
テーブルの上の楽譜や果物などのあれこれ
リュートの角度や
それを弾く手の恰好など 全体の印象は ほぼ同じ。
印刷によって色あいが違うと
同じものでも違って見えることも よくあります。
しかし
これも 裏面の所蔵先をみて 別物だと判明。
やったぁ〜〜!!
エルミタージュ美術館のものと 個人蔵 のもの。
さらに メトロポリタン美術館にも 同じような作品があるそうなので
勘違いをしないで しかと入手するべく 心しているところです。
1765
1765 Caravaggio (Michelangelo
Merisi da Caravaggio) 1571-1610 Lute Player Ca.
1595
Oil on canvas 94 x 119 cm 2013・9・14 ファイル差し替え リュート
6176
6176 Michelangelo
Merisi da Caravaggio (1571-1610) The Lute Player Ol auf
Leinwand 98 x 121 cm
Privatsammlung USA 2010・1・21入手 リュート
花瓶の花を見比べると 違いは歴然ですね。
1765 6176
メトロポリタンのものも入手して 是非 詳しく 比較検討したいもの。
このカードを見かけたら
必ず裏をひっくり返して メトロポリタンものかどうか 確かめること!
と ここに書いておけば 忘れないかな?
<追記>
2016年2月 BS日テレ 『ぶらぶら美術・博物館』 で
横浜美術館で開催された 村上隆の『スーパーフラット・コレクション』展 を
取り上げていました。
その中で 山田五郎氏が
『あ〜〜また同じもの』 といつも嘆いている の心に
染み入るコメントをされていたので
ここに 書き留めておきたいと思います。
『きっと 村上さん本人も 何があるのか
自分のコレクションを ぜ〜〜んぶ 把握してないと思うよ。
わかっていないから
いっぱい 同じ物を買っちゃったりしてるんだよ、 きっと。
こういうタイプの人は ぜったい そうだと思うよ』
正確ではないかもしれませんが こんな風におっしゃっていました。
まあ スケールの違いこそ 比較になりませんが
コレクターの無駄遣い という点で
すこし 救われた気がしました。
<追・追記>
コレクション開始から 18年ほど経ち
さすがに ドジな でも
あ〜〜また同じもの とは絶対ならないものもあることを
ここで 自慢しようと思います。
こちらの シャルダンの作品です。
1802 9244
1802 Jean-Simeon Chardin (1699-1779)
Le Benedicite Huile sur toile /49.5 x
38.5cm
Louvre 2007・9・2差し替え 太鼓
9244 ジャン・パティスト・シメオン・シャルダン 食前の祈り 1744年 油彩・カンヴァス 49.5
x 38.4cm
Ole Masters from the State Hermitage Museum 2017・6・11入手 太鼓
この絵は
パリにいた二年間 毎日のように通ったルーヴル美術館にありました。
椅子に太鼓がかけられている 楽器カード。
この部屋を通るたび挨拶していた お馴染みの絵でした。
時は過ぎ 2017年 六本木の 森アーツ・センター・ギャラリーで
エルミタージュ美術館展が 開催され
カルロ・ドルチの 初期の作品 聖チェチリア がカードになっていると知り
閉幕まであと一週間 というぎりぎりで 駆けつけたのですが
そこで 思いがけず このシャルダンの絵に 遭遇しました。
が この絵をみて
あ! シャルダンね これは持ってる持ってる
とは ならず
へぇ〜〜 ルーヴルだけじゃなく エルミタージュにもあったんだ
と にんまり。
カードを比べてみると 手前の床の道具など 違いがありますが
そんなことより 所蔵美術館を しっかり把握していたことが
なによりの強味でした。
展示の説明によると この絵は さらに数点 同じものがあるようです。
左下に 署名と制作年があるのは
このエルミタージュの一枚だけだとか。
ちなみに この絵は
お母さんと 二人の女の子が 食前の祈りをささげているシーン ではなく
手前に座っているのは 男の子です。
それは 椅子に掛けられた 男の子の玩具 太鼓 で解るのだそうです。
当時は 男の子のほうが体が弱く 育ちにくかったので
わざと 女の子の格好をさせる風習があったのです。
ルノアールの絵にも 息子ジャンが 女の子の格好してる絵が あります。
↓ これも その一枚。
オランジュリー美術館 2016-10-1撮影
この絵は 何度も観ていましたが この時
あれ! このお人形って ラッパを吹いてるんじゃない? と
ようやく気がつきました。
喜び勇んで カードを買い求めたのですが
落ち着いてよく見たら なんだぁ どうやら戦闘シーンのようです。
だから 男の子の遊びだってば・・・ (涙)
シャルダンの 食前の祈りも
さりげなく 描かれた太鼓が
女の子ではなく 男の子だというヒントでしたよね。
まったく もう・・・
さて 話を戻して
この展覧会でも 大失態がありました。
↓ こちらのカードです。
なんと このルーベンスの絵も エルミタージュ展に 来ていたのです。
もちろん この絵の 同じようで同じでない2枚のカードを持っているのは
この展示室まで作成していたのですから 充分 承知していました。
が 所蔵美術館までは 覚えていなかった!
う〜〜〜ん 確か 一枚は
パリにいた時だったので 近隣国のどこかだったはず。
(ミュンヘン アルテピナコテークM)
でも その前に 日本で入手していた もう一枚は・・・
どの美術館展で 手に入れたたものだったのか?
今回のカードは 色がとても綺麗で 青空なんて驚くほど澄み渡っています。
輪郭も鮮明で これまでのものと 印象が違って見えます。
もう ここまできたら 肝も据わって
たとえ ダブリだとしても 冷静にやリ過ごす術も 会得しました。
一番 恐れるのは 買いそびれ!
はい もちろん購入しましたとも。
そして やっぱり・・・
あ〜〜〜また同じもの
今回入手 2308
エントリーは出来ませんでしたが こんなに違ってみえるという記念に 並べます(笑)
ちなみに楽器は
羊飼いの腰にぶらさげた バグパイプ。