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これは どんな場面?

SCENE 3 神秘の子羊

 

5339

5339  Jan & Hubert Van Eyck  1432  Het Lam Gods  Musicerende Engel
Lukas & Sint Baafskathedraal GENT  2008・9・20入手  
オルガン

 

のカデンツ

 

↑ この作品は 油彩技法による北方美術の珠玉の名作。

金属 宝石 布の質感描写がホンモノと区別がつかないくらい 見事に描かれています。

弾いている楽器は パイプオルガンの前身で

後ろでパタパタと ふいごを動かしながら奏でる構造になっています。

一人で持ち抱えて 右手で鍵盤を左手でふいごの操作する 小さな ポルタティブ・オルガンと

ここに登場した より大きくて置いて演奏するタイプの ポジティブ・オルガン があります。

このカードのポジティブ・オルガン 鍵盤がボタンのようで なんだか弾き難そうですね。

 

 

 彼女は一人で演奏しているのではなく ↓ 私たちと一緒に合奏しているのよ!

私たちは ヴァイオリンとハープを持っていますけど  メロディー担当ではありません。

オルガンの休符の間の 拍子をとる打楽器の役目をしているんです。

 

6880

6880  Hubert und Jan Van Eyck(1390 - 1440) Musizierende Engel(Ausschnit)  Genter Altar
Emil Fink Verlag, Stuttgart - Printed in Geermany    2012・5・25入手   
アンサンブル

 

 

実は私たち 天上のミサをつかさどっている 奏楽天使なんです。

天使なのに 司祭服を着て 天使の翼もないなんて とても異例なことなんですってね。

↓ このカードの 左端で オルガンの向こう側に ちらっと赤い服が見えますね。

彼女は あそこで ポジティブ・オルガンのふいごを動かしているんですよ。

どうです、聞こえますか?  とても美しい音楽でしょ?

 

 

106

106  Van Eick-Het Lam Gods-6 mei 1432 Angels making music(INV.426) Sint-Baafskathedraal-Gent
 1999.9.9ファイル   
 オルガン

 

 

↑ この 106 のカードは カードコレクターの先輩 A  が 

オランダ・ベルギーのツアー旅行に参加したとき わずかなフリータイムを利用して 

神秘の子羊に会いに ゲントまで行ってきた という いわくつきのおみやげカード。

そう この奏楽の彼女たちは 

↓  ゲントの至宝 聖バーフ教会の 多翼祭壇画(ポリプティク) 神秘の子羊 に描かれた絵。

15世紀初期ネーデルランドで活躍した ヤン・ファン・エイクとその兄フーベルトによる作品で 

、右扉内側上段のパネルに 描かれたもの。

左扉内側上段パネルには 合唱する天使たちもいて

中央の 神秘の仔羊を 賛美しています。

 

5336

5336  GENT  S.Baafs  Het Lam Gods−H & J  Van Eyck (1420-1432)
2008・9・19入手    
奏楽天使

 

 も そのずーっとあと この聖バーフ教会を訪れたのですが

 その日 持参した日本語ガイドブックをどこかに置き忘れるという 致命的なミスをしてしまい

ゲントの地図や文字はまったく ちんぷんかんぷんで

たいへんな一日になってしまいました。 

Sint-Baafskathedraal  ← こんな綴り 全く読めないですよねえ、これが聖バーフ教会だとは。

(あ、落ち着いて見直したら バーフカテドラル って つなげて書いてあるだけなんだ・・・)

駅から市電に乗って なんとか旧市街までは行ったものの どの建物かわからず

誰に聞いてみても まったく通じなくて

 迷いに迷って ようやく この神秘の子羊 のある バーフ教会に たどり着きました。

5339 5336 のカードは そのときの 戦利品。

教会に入ると 真っ先に 

あこがれの この大きな多翼祭壇画 神秘の子羊 が目に飛び込み

その周りを取り囲んで 大勢の観光客のグループが ガイドの説明を聞いてました。

てっきり それが本物かと思ったのですが 

じつは脇にチケットを買って入る特別な入り口があって 

その奥の展示室に 本物のこの多翼祭壇画がありました。

ぐるっと部屋を回りながら この祭壇画の裏表に描かれた絵を鑑賞します。

中は照明も落としてあり みなさん無言で見上げ とても静謐な雰囲気でした。

あとから知ったのですが

 この部屋で ガイドの説明をきくことは 禁止されているのだそうで

だから 明るく広い礼拝堂のほうに実物大のイミテーションが置かれ 

そこでガイドが説明していたのですね。

 そのイミテーションも 

本物だといわれれば 素人には判別できないほど よく出来たものだったので

勘違いしたまま あれだけ見て帰ってこなくて よかった よかった と

胸をなでおろしました。

 


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