札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」です。比較的最近のことです。職場の検診で糖尿病が疑われました。どうすればよいのか落胆していたところ、京都の江部康二(エベコウジ)先生の提唱する「糖質制限食」なるダイエット法を発見しました。しばらくこの方法を実践したところ、驚きでしたが、糖尿病関連のマーカーが正常値に回復しました。主治医もびっくりです。
この食事療法を実践するには、なにしろ炭水化物(糖質)を抑えた高タンパク・高脂質ゆえ、特に腎臓の機能が正常であるなど、一定の条件が必要とのことです。新薬が開発されるなど、糖尿病治療は確実に進歩しつつありますが、インシュリン治療を行わずに生きて行くために、この方法はかなり有効であるようです。まだまだ知名度が低く、眉唾もので見られがちのところもあるのかもしれませんが、この病気でお悩みのみなさんにぜひお勧めしたい治療法です(実践する場合には、必ず主治医とご相談ください)。
江部先生の提唱する食事療法についてお知りになりたい方は、「江部康二」「糖質制限食」「糖尿病」をキーワードにして検索してください(不親切ですみません)。
さて、少しだけつぶやきます。私は身体的な慢性疾患に罹患しております。ここからは精神疾患の話にしましょう。もしもカウンセリングを行うカウンセラーが身体疾患ではなく、精神疾患だったら、あなたはどう思うでしょうか。そんなカウンセラーのお世話になるのは心配だから、御免こうむりたいと感じるでしょうか。では、いまは回復しているが、かつて精神疾患であったカウンセラーについてはどう思うでしょうか。私が敬愛する臨床家ヘルムート・カイザーは、もともと一人の患者でした。
この点については、専門家の間でも賛否両論があるようです。私の立場は、どっちつかずのものであるかもしれません。けれども、どちらかといえば、「まあ、よいではないか」と言う肯定よりの意見です。なぜなら、肯定派よりも否定派に対して、ある意味で危険性を感じるからです。
否定派の意見が極端になると、おそらくそれはレイシズムといいますか、優性主義、純血主義、人種差別主義にかぎりなく近づいて行く危険性をはらんでしまいます。また、そこには、相談者=病気(異常)、カウンセラー=健康(正常)と言う、根拠のない暗黙の図式が前提とされています。私は、少なくとも、自分が差別的であることに無自覚なカウンセラーには、なりたくないものだと思っています。
カウンセラーとて、長い人生を生きていれば落ち込むこともあるでしょう。私も例外とは言えません。病院勤めから離れて、もうすでに医学モデル(病気と健康を分ける考え方)はどうでもよくなってしまったのですが、広い意味で私自身が病と共に生きていることもあって、プロフェッショナリズム(専門家づら)とは違ったスタンスでの実践であることは強調しておきたいと思います。悩める一人の人間、病と共に生きる人間として、皆様をお迎えしたいと思います。
江別など札幌圏の対人援助