ある家うさぎの夢

僕、昨日とても怖い夢を見たんだ。
僕のお母さんが僕を前にして泣いた日・・・

でも、僕の見た夢は、現実に世界中のどこかで確実に毎日繰り返されている事だったんだ。

僕は、小さい檻の中に入れられている。
もう、どれ位この中にいたのか、
生まれて来たときからいるのか、
わからない。

ある時、僕の上に人間の手が大きな影となって背中をつかまれ、檻から出された。

その手にやさしさはなかったけど・・・出られるの?
ここはどこ?
乱暴で痛かったけど、僕をつかむ人間の腕。
僕の知ってる人間のお母さんと同じ様に可愛がってくれるの?
でも、本当に一瞬に僕は、足に紐を結ばれた。

何をするのかな?

判らなかったのは一瞬だった。
そのままに逆さに吊るされた。
痛い!痛いよ!何するの?
離してよ! 僕は、必死にもがくのにその紐は、全然外れないんだ。
そして僕は、叩かれた。
すごく痛くて、何がなんだか判らないけど、暴れちゃいけないんだと思った。
僕は、痛いのを、必死で我慢して大人しくしているのに
その人間は、僕の吊るされた足に何か冷たい”鋭いもの”を入れたんだ。

それは、ナイフだったと思う・・・

痛いのに、何も出来ないの。
逃げたいのに、何も出来ないの。
そして、僕は、我慢して、それでもちゃんと生きているのに、
その人間は、僕の両方の足から”鋭いもの”を徐々に入れて、僕の皮を頭まで剥ぐんだ。
前足でとまった僕の皮を剥がす為に僕の前足を切るように”鋭いもの”を入れていくんだ。
キラッと光った”鋭いもの”はやっぱりナイフだった。
痛くて、悔しくて、なんだか判らなくて気絶しそうだったのに、僕は、気絶しなかった・・・。
そして、その人は、僕の引っかかった目や鼻の皮もナイフで切り落とした。
そして、やっと足から紐がはずされて、僕は、生暖かい血の匂いのピンクの塊の上に放り投げられたんだ。


足よりもずっとずっと痛い体中・・・

これは、誰?僕と一緒にさっき檻にいた彼かな。
血だらけだ。死んでいるのかな?
きっと、僕もピンクの肉の塊になってしまったんだと僕は、わかってきたんだ。

痛いよ!痛いよ!助けてよ・・・

もう、それしか考えられない・・・
そして、僕の体の上には、次々と新しい血と肉の塊が乗せられていくんだ。
僕は、激しい苦痛と悔しさの中で徐々に弱って死んでしまった。

これは、僕が見た夢。
僕は、お母さんに可愛いねって言われて毎日を過ごしているけど、 僕が見た夢は、本当に毎日繰り返されている事なんだ。
僕と、僕が夢にみたうさぎたちと、どう違うんだろう・・・

皆にも考えて欲しいんだ。


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