● 実験テーマ37

7セグAC電圧計の実験」 (JA1WBY氏の、HP記事による)

■ 2013.8.8
  ・AC電圧計と言えば、手頃なところで、テスターの、AC電圧レンジによる測定を
   思い出すが、今迄、テスターでAC電圧を測定したことは、極まれにしかなかった。
   それは、テスターでのAC測定は、経験上、誤差があまりにも多き過ぎて
   使い物にならないと考えていたからである。
   まず、50Hz以下程度の低い周波数でしか使えない。

  ・そこで、ある程度高い周波数(100kHz程度)まで使えて、7セグに、割と正確な
   実効値表示できる、AC電圧計を探していたのだが、JA1WBY氏のHPの記事に、
      ちょうどよいAC電圧計が載っていたので、製作実験してみることにした。
   尚、その記事によると、メインの表示部は、JK1XKP氏がHPで公開されている
   「7セグ3桁表示の、mV_DC電圧計(PIC+FET定電流回路+充電C 構成)」
   を採用している。
   その前段に、AC全波整流+LPFによる平均化+GAIN回路を設け、
   AC入力を直流変換して、mV_DC電圧計に、AC入力の実効値表示をするという
   仕掛けになっているようだ。
       また、高い周波数まで精度を出すため、OPアンプの選択には神経を使った
   ようで、高速のOPアンプを採用している。

  <このAC電圧計の、主な仕様>
   @ 測定周波数範囲: 50Hz〜 100kHz
   A 測定レンジ
      999mV、9.99V、99.9V フルスケールの3種類

  ・今回は、実験ボードとして考え、ACアダプター(DC6V)入力とした。
  ・まずは、水魚堂CADで、自分用の回路図作成から行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


■ 2013.8.13
  ・回路図作成終了
  ・パーツリスト作成


■ 2013.8.14
  ・パーツ手配済


■ 2013.8.22
  ・部品メーカーが、夏季休暇に入った関係で、コーセル製の、DC/DCコンバータモジュール
   の納期回答が遅れていたが、やっと本日到着した。


■ 2013.8.23〜 2013.8.25
  ・ユニバーサル基板製作


■ 2013.8.26
  ・ユニバーサル基板製作上がり


■ 2013.8.27
  ・動作確認の前に、PIC16F84Aに、JK1XKP氏の作成した、HEXファイル:MV3L.hex
   を焼かないといけない。
   秋月のライタ(WIN7非対応)で焼くのだが、
   旧XPパソコンが壊れてしまっているので、最近不調の、WIN_MEパソコンで焼くしかない。
   何とか、HEXファイルの書き込みは終了した。
   以下に、その時の、ライタソフトのウインドウを示した。

  ・いよいよ動作チェック開始
   @ 電源のショートチェック OK
      A IC, 7セグ未実装時の、OPEN電源電圧を、各供給先のピンにて確認→ OK
      DC IN→ 6.14V
      +5V→ 4.96V
      +15V→ +15.04V
      -15V→ -14.99V
   B 調整開始
     a. まずコンパレータと、PIC及び、7セグのみ実装し、DC TESTコネクタと、DETジャンパピンを
       OPENにして、電源ON (DC測定部の調整)
     → デシマル・ポイント無点灯で、000表示になっている。
        また、CN2の、DICピンを切替えると、0.00、00.0表示になるので、PICは、RUNしている。
        またこの時の、VCC= 4.96Vで全くダウンしてない。

     b. DC入力源として、電池+ポテンショによる簡易治具を使用した。
       DC TESTコネクタに、500mV(テスターで確認)を入力し、7セグ表示が、500となるように
       VR1を調整。
       10mV〜500mV入力の範囲で、7セグ表示を数点プロットしてみたが、±2デジット以内に
       に入っているようなので、上出来である。(まあ、元設計が、すばらしい!!ということだが・・)

     c. 次に、AC全波整流部のOPアンプ、2個を実装し、この部分のレベル調整を以下の手順で行う。
       c-1: 
DETジャンパピンは、未だopenにしておく。
       c-2; まずは、DET動作(全波整流)しているか確認
           (この確認の時は、終段OPアンプの、CはOPEN→ JMP1,2:OPEN)
         → AC入力に、50Hz、1Vp-pサイン波を入力して終段OPアンプの出力を確認したが、
            何故か全波整流になっていない。
            原因は直ぐには判らなかったが、回路図をよく見ると、終段OPアンプの入力ピン(加算点)
            への接続が誤っていることに気が付く。
            詳細は下図参照のこと。

         → 朱書き修正のように、ユニバーサル配線を修正し、再度、全波整流部の動作確認
            とレベル調整を行った。
            調整は、AC入力に、50Hz、1Vp-pサイン波を入力した時、全波整流出力の波高値が
            0.5Vになるように、VR2で合わせればOK(未だ暫定調整)
            下図に、レベル調整が終了した全波出力波形と、直流化出力波形を示した。

       c-3; DETジャンパピンをクローズして、この時の、7セグ表示値が、実効値:353(mV)となるように
           VR2を再調整する。(わずかに回す感覚でした。) 

  ・ここで、各種データ取りを行ってみた。
   @ 入力レンジ毎の、表示確度
      下表のような結果になった。
      999mVレンジにて、入力500mVで、表示を殆どピタリと合わせたが、他のレンジでは、どちらかというと
      実効値でなく、平均値の理論値(Vp-p/3.14)に近い表示値になった。
      尚、99.9Vレンジの、校正値は、50.0Vとしたかったが、この電圧を発生できる交流源がなかったので
           10.0V(20.0Vp-p)を校正値とした。

   A 入力周波数 対 表示値の変化
      3Vp-pサイン波にて、入力周波数を、50Hzから100kHzの間で変化させ、
      その時の表示値の変化を確認した結果を下表に示した。
      大方、100kHzまで良好な結果となった。



■ 2013.8.28
  ・おまけとして、DC電圧測定部の、FETによる定電流回路+C充電回路+コンパレート出力
   の、動作タイミングを取得しましたので、ここにアップしておきます。
   2現象オシロには、ソフトオシロ2を使用しているため、AC成分しか観測できませんし
   高速パルスには反応しないので、見にくい波形となっていますが、ご了承ください。
   尚、DCモードでの測定には、別途、自作オシロ_V3を使用して、
   シングルトリガにより、Cの充放電波形を取得しました。


■ 2013.8.29
  ・大方、OKなので、最後に化粧パネルとしてアクリル板を加工したものを
   前面パネルとして取付けてみました。
   トップの写真が、その写真なのですが、透明アクリルなので、写真だと、ちょっと
   分かりにくいかもしれませんが・・・


<最終回路図>
 ・こちらから、どうぞ→ 「PIC_AC電圧計_実験回路」


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