● 実験テーマ145
「自作FFTアナライザ用_MIC_AMP製作実験」
(OLED版FFTの他、QVGA版FFTにMIC AMP出力を接続して楽音(Flute)のスペクトルを表示してみる実験です)
■ 2023.2.8
・現在は、LINE入力のみ対応しているが、フルート・ギター等の楽器音を、コンデンサMIC
で入力し、その倍音成分とか音程を確認・表示出来ないものかと以前から考えていた。
・色々調べていく内に、手持ちの部品だけで出来そうな感触を得たので、試すことにした。
@ コンデンサMICは手持ちの、ステレオ式超小型SONY製:ECM-DS70Pの、Lchのみ使用。
<SONY製:ECM-DS70Pの主な仕様>
・指向特性 単一指向性×2
・周波数特性 100-15,000Hz
・正面感度(0dB=1V/Pa) -38dB±3.5dB
・本体出力コネクター 金メッキステレオミニプラグ
・使用電池連続持続時間 プラグインパワー方式
・大きさ(最大径×全長mm) 幅58×高さ57×奥行16
・質量 約10g
A OP AMPは、LM386を使用
・手持ち(METORONOMEで使用のもの流用)の型番「LM386N-1」(秋月で販売しているのは、LM386BD)
GAIN設定用電解コンデンサの定数は、aitendoの「コンデンサmic amp」の回路例より、4.7uにする。
倍率の説明書きはなかったが、LM386N-1のデータシートの説明によると、
open= 20倍
10u = 200倍
なので、100倍と思われる。これで試してみる。
B 電源は、小型OLED_FFTアナライザ基板の、ICSP-6pinコネクタから取ろうと思ったが
3.3VなのでNG(動作電圧範囲:4〜 18V)
なので、DC9V(006p乾電池:LCメータの時使っていたフォルダ+SW付きのを流用)にする。
コネクタは、FFCタイプの安物で十分。
LM386出力にはVCC/2= 4.5Vの、DCバイアスが掛かっているが、FFTアナライザ入力側に
DCカット用の10u16Vの電解コンデンサが入っているので直結出来る。耐圧も問題無い。
■ 2023.2.10
・製作開始
MIC及びOUT-JACKには、ジャンクのMIC拡声器から部品取りしたパネルマウント式の小型の物を
そこらに転がっていた(昔の勉強机に付いていたコンセント取付け用樹脂パネル) L型樹脂製アングルを
加工した物に取付けて使用することにした。
基板との接続は以下のようになりました。
今日はここまで。
■ 2023.2.13
・部品実装+ベース・アクリル板作成完了
■ 2023.2.14
・最初の動作確認を行った。
前条件: IC未実装
EMC_MIC:aitendoで購入した安価なマイクユニット挿入
SP治具挿入
(1) 電源ショートチェック→ OK
(2) 電源電圧チェック
@ 9V(006P)電池BOX
・無負荷単体= 9.17V
・本体に接続して、U1ソケット:LM386-6pin(V+pin)=
9.09V
A EMC_MICのプラス側= 7.89V
B U1実装時の、LM386-6pin(V+pin)= 9.06V
GAIN_VR中央位置ではハウリングするので、VRを絞って測定した。
この後、SP位置はMICから少し離した。
(3) 動作確認
@ 一応、音を拾ってSP鳴っている。
MICにギター弦チューニング用の440Hz音叉を近かずけると、音叉音している。
A aitendoで購入した安価なマイクユニットよりも、SONYのEMCのLchを使った方が感度が良く
音質も良好なので、これで音叉音を拾って、OLED版FFTにスペクトルを表示してみた。
※ dsPIC33F_OLED_FftAnalyzer_Test.cを使い以下の条件で実施した。
<dsPIC33F_OLED_FftAnalyzer_Test.c ソフト仕様概要>
・512ポイント固定
・サンプル周波数切替え
次の3種類、分解能選択可能
@ 32kサンプル/512ポイント= 分解能:62.5Hz
表示Fレンジ= 0〜 約8kHz(62.5Hz × 128dot)
表示上の時間軸レンジ(1目盛り当たりの周波数)= 250Hz/div
A 16kサンプル/512ポイント= 分解能:31.25Hz
表示Fレンジ= 0〜 約4kHz(31.25Hz × 128dot)
表示上の時間軸レンジ(1目盛り当たりの周波数)= 125Hz/div
B 8kサンプル/512ポイント= 分解能:15.625Hz
表示Fレンジ= 0〜 約2kHz(15.625Hz × 128dot)
表示上の時間軸レンジ(1目盛り当たりの周波数)= 62.5Hz/div
※ 上記の、Aが楽音(特にフルート)にとって適当なレンジなので実験はこれで進めた。
最初MICは、aitendoで購入したEMCユニットで自作した簡易的な物を使いギター弦チューニング用の
音叉を振動させて音を拾ってみたが十分な感度が得られず、スタジオ録音で常用している
ステレオ式超小型SONY製:ECM-DS70Pの、Lchのみを使用して入力してみたところ
440Hz付近に綺麗なピークスペクトラムが観測出来た。
又、自作オシロにて波形観測も行った。
ch1:LM386-3(+)
ch2:LM386-5(OUT)
一応440Hzの周期でサイン波に近い波形を確認することが出来た。
ただGAIN確認はこれでは明確に出来ないので後日改めて行ってみる。
■ 2023.2.16
・電池BOXが本体の外にあると重量バランスが悪く、ケーブル類を繋いだ時に本体の安定性が悪く
お尻が浮いてしまうのが気になっていた。
電池BOXを基板下に配置出来るように長目のスタック構造にして収納スペースを確保した。
これで少しは安定性が改善された。
■ 2023.2.18
・ここでMIC AMPのGAINを実測してみることにした。
理論上は、100倍のはずだが・・
MICからの入力電圧は、数mVなので自作オシロだと厳しい(最低レンジ:50mV/D)ので確認程度とし、
自作ACメータにて測定してみた。
<結果:1000Hz, サイン波入力にて>
・LM386-3(+)= 10mV
・LM386-5(OUT)= 991mV
※ GAIN= 991/10=99.1倍
OKのようだ。
・自作オシロでも確認してみた。
レンジを細かく出来ないので確認程度だが、ほぼ良さそうである。
■ 2023.2.21
・2回目の動作チェック開始
今度は、実際にフルートで、中央Cを基音とする倍音を第5倍音まで吹いてみてMICで拾い
スペクトラム表示しそれを携帯のレコーダーアプリで録画してみることにした。
ビデオファイルは容量が大きくなってしまうので、それを抑える為、旧携帯の録画アプリを、
ムービー(メールモード)- 録画モード: QVGA ・ムービー画質:ノーマルモード・保存形式:3GP
に設定し、30秒位のショート録画を行った。
これで、ファイルサイズは、400KB程度に収まる。
これを、PCに転送して、WEB上で動くフリーソフト:CONVERTIOにて、WEB閲覧標準の、MP4に変換した。
・使うソフトは「easy_audio_fft_analyzer_v2.c(QVGA版)」で測定条件を以下に示した。
< easy_audio_fft_analyzer_v2.c(QVGA版) ソフト仕様概要>
・512ポイント固定
・サンプル周波数切替え
次の3種類、分解能選択可能
@ 32kサンプル/512ポイント= 分解能:62.5Hz
表示Fレンジ= 0〜 約16kHz(62.5Hz × 256dot)
表示上の時間軸レンジ(1目盛り当たりの周波数)= 250Hz/div
A 16kサンプル/512ポイント= 分解能:31.25Hz
表示Fレンジ= 0〜 約8kHz(31.25Hz × 256dot)
表示上の時間軸レンジ(1目盛り当たりの周波数)= 125Hz/div
B 8kサンプル/512ポイント= 分解能:15.625Hz
表示Fレンジ= 0〜 約4kHz(15.625Hz × 256dot)
表示上の時間軸レンジ(1目盛り当たりの周波数)= 62.5Hz/div
※ 上記の、Bが楽音(特にフルート)にとって適当なレンジなので実験はこれで進めた。
フルートで、Cのハーモニックスを基音から、第1〜第5倍音まで連続で吹いたのを録画するので
MICは、卓上型のSONY製:ECM-270をマイクスタンドに設置して使用した。
このマイクには、ヘッドアンプ(FET)と電源の単3電池が内蔵されているので、mic amp側での
電源供給は不要になる。
マイクを半田付けの際に対象物を固定するクリップが付いているスタンドを少し改造した物に取付け、
一人で自撮りしているので綺麗にとはいかなかったが何とか撮れた。
ハーモニックスで発生した倍音以外に高次の倍音が含まれていることも確認出来た。
そのビデオファイルをコマ送りして各倍音のところの静止画をキャプチャしたものと
ビデオファイルを以下にアップしました。
・こちらからどうぞ→ video001.mp4(696KB)
<回路図>
・こちらから、どうぞ→ 「LM386 MIC AMP回路図」
<チェックに使用したFFTソフト>
・こちらから、どうぞ→ dsPIC33F_OLED_FftAnalyzer_Test.c (OLED版FFT)
easy_audio_fft_analyzer_v2.c (QVGA版FFT)
← 実験テーマ1に戻る TOP PAGEに戻る 実験テーマ146 →