● 実験テーマ142
「旧携帯KY009のACアダプタ自己修理記録」
■ 2023.1.8
・約12年前に購入した京セラ製の旧携帯KY009(俗称:K009)の内部リチューム電池が弱って来た。
十分充電できない状態になっているようだ。
この携帯用のACアダプター(充電器):
共通ACアダプタ02
商品コード:0203PQA
がNGなのか卓上フォルダ(充電スタンド):KY009PUAがNGなのか、調べてみることにした。
まずは卓上フォルダから分解してみた。
底板のタッピングビス2個を取外し、後は上下はめ込んであるだけなのでマイナスドライバ
でこじって開けた。
構造的には、棒状の電極バーの先端が上板台のスリットの下に隠れており、携帯を台の上
に置くとばねの力で電極バーが上がり、携帯底面にある電極と接触するしくみになっている。
携帯を台の上に置かないでACアダプタのコンセントに、ACアダプタのプラグを挿入して、
電極バーにDC5Vが供給されるかチェックした。5.07V来ている。
ここは問題無いようである。(予め電極間で接触委不良があるといけないので接点復活剤を吹きかけておいた)
■ 2023.1.9
・ACアダプタの調査開始
外観上疑わしい個所有り。
それは、ケーブルの被覆が根本付近から10cmほど裂かれていて中の極細いワイヤーが露出し
根本で赤線側のワイヤが潰れているように見える。
ここで接触不良を起こしている可能性が高い。
根本にはケーブル保護の為の数センチのブッシングがハメ込まれていたので
極く根元で接触不良を起こしている可能性があるので、まずはブッシングの部分を
ケースの根本ギリギリまでカーターで削り、ワイヤを露出させてから
そこをこじりながら通電してみたが症状は出ず。
症状が出れば分解しないで外側で修復可能だったのだがそうはいかなかった。
中でワイヤが接触不良を起こしていると決め込んで,ACアダプタを分解し
基板上で半田付けされている所でワイヤを外して、
数センチ切り新たにストリップして半田付けし直すことにした。
ただカバーを上下2つ割りにするのがかなり困難で手こずった。
ネジはどこにも無く上下、内部で爪に、はまり込んでいるだけの構造である。
まずは、上下カバーの境目にアクリルカッターでスジを付けながら少しずつ丁寧に削り
中身が隙間から少し見え始めたら今度は幅の狭いマイナスドライバで抉じ開けた。(接着剤の跡も見受けられた)
・パルストランスが2個ほどあるのでスイッチング電源のようである。
基板の根本で直接ホール(ベーク材で、スルーホールでは無かった)にワイヤが半田付けされ
その上からシリコンゴムで固定されていたので、それをカッター等で取り除いてからの
作業となった。
取り除き作業終了後、半田付けされているワイヤを根元から切り被覆を剥いて
AC100V入力電極に直接AC100Vを印加して出力を確認したところ完全に根本で
断線したようで出力は出なくなった。
しかし、基板裏側のランドまでは正常に5.07V来ている。
次に被覆が裂けている部分全体をカットし新たに被覆を剥いて
中の芯線を、ホールへ半田付けした。
補修作業は何とか終わったが、シリコンゴム・チューブの持ち合わせは無かったので
ホットメルトの代用としてロウソクのロウを溶かしながら下にたらし、それで固定した。
これで元に戻し上下カバーの境目にアロンαを流し込んで固定して動作確認を行ったところ
問題無く接触不良無しに修復に成功した。