● 実験テーマ125

「aitendo DSPラジオモジュール:M6955の試用実験」
(AM(MW)/SW/FM 3バンドラジオモジュールの実験です。SW(短波帯)の受信には、とても苦労しました。)

■ 2020.7.20
   ・SW帯を受信してみたいという思いがあるので、3バンドラジオモジュールの実験をしてみることにしました。
   外観は、以前の実験テーマ107で扱った、AM/FM 2バンドラジオモジュール:M6951と殆ど一緒だが、
   ピン数が11pin x 2から、9pin x 2に減っていて外形寸法が一回り小さくなっている。
   AUX入力pin(IN-R, IN-L)が外のピンに引き出されてない。
   コントローラICは、AKC6955で、それには、アンテナ入力ピンとして、FMinとSWinが存在するが、外部アンテナ
   は、FM,SW共通に使うことになっている。

  ・レジスタマップは、FMとAM(MW)に関しては両者殆ど同じそうなので、以前のソフトそのままでも、SWを除いては
   たぶんそのままで動く見込み。
   SWに関しては、Reg1[b7-b3]で、AMバンド(LW/MW/SW)を選択するビットが存在する。
   その他にも、周波数ステップ5kHzを選択するビットが、Reg2-b5:Mode3k('0'でAM mode 5kHz Step)が存在する。

  ・実験は、前回と同じ、PIC18F14K50搭載のトレーニング基板を使い、M6955以外は、Vcc=5Vを供給。
   M6955は、5Vだと誤動作(動作電圧のMAXは仕様上4.5V)するので、シリコンダイオードで約0.6Vダウンさせ
   4.4Vを供給している。
   最数的にケーシングまでして、まとめる時は、液晶:SC1602のみ5Vで、他は3.3Vで動作させるつもり。
   尚、アンテナはロッドアンテナにしてみました。


■ 2020.7.30
   ・これまで、RFアンプ無しでやって来たが、MW, FMは今迄通リ受信出来るが、
   SW帯だけは、NIKKEI等、どの局も受信出来てない。チューニングLEDも点灯しない。ノイズのみ聞こえる状態である。
   SW帯に切替えるための、ソフト設定は、間違いなさそうなのに・・・
   以下の様に、主に4つのレジスタアクセスのためのマクロ関数を使っているのだが。
    @ AM5KStep(); // Reg2-b5:Mode3kビットを'0':AMモード 5kHzステップにセット
    A AMBand(SW4); // SW4:5.7-6.4MHz, 5KHz Step→ Reg1-b2-0:fmbandビットマスク Reg1-b7-3:ambandビットを上位にシフトしてセット
    B SetChannel(channel);  // 但し、channel= freq/5
    C AMmode();        // select AM→ Reg0-b6:fm_enビットを0:AM MODEにセット
         ↓
    ※ この後に、triiger tunningマクロを実行

    ・そこで、aitendoのhpに載っていたんNPN TR 1石による簡易RFアンプで試すがSW受信出来ず。



■ 2020.8.3
   ・SWにする設定に間違いはなさそう。
   SWに対して受信感度が悪いだけだと思う。
   hentekoさんサイトに紹介されている、NチャンネルFET:J310による、ゲート接地型の、GGアンプ(トロイダル活用本に載っていたという話です。)
   を試すことにした。
   これには、ドレイン出力と、受信機入力との間に、出力インピーダンスを50Ωに変換する為のマッチング・トランスが必要で
   これを自作(いわゆる巻物を作る)しないといけない。

   4Tバイファイラ巻きを行った。
   フェライトコア:FB801#43に、0.26UEW(エナメル線)を使い、4Tバイファイラ巻きを初めてやってみた。
   ※ 2つの4Tコイルは、接続点を含めて連続に巻いて行った。(結構適当に巻きました。)
      それぞれの巻き始めと、中間点は、DIP8pinソケットの、pinに出した。


■ 2020.8.4
   ・
GGアンプを組んだ。



  <結果:SWを聞いた感じは変わらず>
   @ FMOK
      若干感度が上がった感じ。
      他の
FM局より受信しにくいNACK5, TOKYO-FMが、クリアに聞こえた。
     
GGアンプが多少だが効いているようである。
   A SW
     
相変わらず、NIKKEI-1,2共に、ノイズしか聞こえない。
     
dBuVの数値が、ロッドアンテナ付で、25〜 35dBuV程度。
     
GGアンプからアンテナを外すと、5dBuVに下がるので動作はしている模様。
      ただチューニング
LEDは点灯せず。
   B MWはOK


■ 2020.8.11
   ・ちょっと間が空いてしまったが、ソースを眺めていたら、
    SWに於ける、バンドとステップの設定であるが、バッファ上でのセットはしてあったが、その後これを
    実レジスタの、Reg1,2に反映(書込む)する記述が
抜けていることに気付いた。
    イージーミスの部類だが、これで室内でもロッドアンテナだけで、KBS(韓国国際放送局)が受信出来た。
    また、NIKKEI-1も、室内ではノイジーで受信が厳しかったが、夜間窓際に実験セットを移動設置して試したら受信出来た。

  ・さらにここで気が付く。
   上写真を、よく見ると、周波数表示単位の末尾の'z'が消えている。
   これについては原因がはっきりしているので明日ソースを修正することにする。


■ 2020.8.12
   ・受信局周波数の"MHz"を含めた字数が8文字を超えると、末尾の"z"が消えてしまう対策をした。
   dBuV表示は、0より下になると"-"表示をする関係で、プラス領域になった時、"-"表示を
   消している。
   消すロケーションと"z"を表示するロケーションが重なるので消えてしまう。
   そこで、マイナス領域の"-"表示はやめて、マイナス領域は、0に固定表示するようにした。 
   対策後の写真を改めて以下に示した。


■ 2020.8.14〜 2020.8.16
   ・ここまでの実験で、大方3バンド共okになったので、ここらで、ケーシングしてまとめてみる。
   前作:M6951_2バンドのユニバーサル版(この後に、P板化している)が、アクリル板共に残っているので、
   これを改造して、まとめようと思います。
   本作は、
液晶:SC1602と、RFアンプ(GGアンプ)のみ5Vで、他は3.3Vで動作させます。

  ・前作のM6951を外すのが、ちょっと大変だっが、何とか改造・実装が完了した。

  ・動作チェック開始
   (1) ショートチェック→ OK
   (2) HEX書込み済のPIC(治具から外す)と、LCD実装して動作確認開始
     @ 稼働時の電源チェック
        +5V→ 5.21V
        +3.3V→ 3.30V
     A 動作確認
       ・一応、3バンド共に受信出来た。
       ・ただ、部品配置の関係か、AM(MW)のTBSより上の放送局は、本体を少し斜めにしないと、ノイズが増える。
        (これは前作も同じような傾向があった。たぶんCPUの輻射ノイズの影響かな?)
       ・FMは概ね良好。
       ・SWバンドは、時間帯によって受信周波数が異なったりしているのもあって評価しにくいが、アンテナの
        状況(角度と長さ)に影響を凄く受ける感じがする。
        
しかしKBS WORDなどは、ロッドアンテナを畳んでも受信出来ている。
        短波帯独特の、フェージングを伴う受信音には、懐かしさを感じた。

     


<回路図>
 ・こちらからどうぞ 「Aitendo M6955モジュール回路図」
          「M6955モジュール実験回路図(バラック版)」
            「M6955モジュール実験回路図(ケーシング版)」

<最終ソース>
    /// メインソース
     M6955_MW_SW_FM_Add_LCD.c

     /// LCDライブラリ
     LCD_Lib_xc8.c
     
LCD_Lib_xc8_V1a.h

     /// M6951ライブラリ
              akc6955_lib.c
              akc6955_lib.h

    注:前作のakc6951と比較してSW帯特有の設定が追加にはなっているが、それ以外は同じなので、
      
関数名には、akc6951の方を使った。(特にakc6955とはしていません。)


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