リードスイッチこま            リードスイッチモーター
 リードスイッチについて
 リードスイッチこまは、リードスイッチモーターの回転板が、固定された回転軸でまわるのでなく、回転板自身に回転軸があるもの、つまり「こま」になっているものである。(オリジナルは群馬の石井信也さん)
 回転板には、片面2極フェライト磁石(通称「半月型フェライト磁石」)を使うが、理科教材社以外では、なかなか手に入りづらい。ここでは、片面2極フェライト磁石でまずつくり、手作りでこまもつくってみる。
1 難しいところと工夫
  @ 半月型の磁石こまの代わりに、手作りでこまもつくってみる。
  A こまにするフェライト磁石が軽いか、着磁のバラツキかで、不安定な回転になりがちである。工夫して少し重くし、こまの径を大きくする。 
  B 長時間まわしていると、リードスイッチがONの状態に固まってしまう。
  ※コイルに流れる電流を、リードスイッチの許容開閉電流内に押さえる。(エナメル線の太さの検討)
    ※0.32mmφエナメル線の200回巻きコイル、乾電池1個のとき、流れる電流は0.8Aであった。
C 乾電池を容器の中に入れるが、磁石に影響しない様に離す。(それで、大きめの容器が必要)
2 材料
 リードスイッチ
 LED  3φか5φ(赤色がよい)
 片面2極フェライト磁石または手作りこま 1
 竹串か真鍮のくぎ、楊枝(こまの軸)
 六角ボルト(鉄) φ5mm×30mm
 ナット φ5mm用
 エナメル線  0.3mmφ程度 約5m
 乾電池と電池ボックス(なくてもよい) 各1
 配線用電線、接着剤、ビニールテープ 少々
 プラスチック容器
 コイルなどの支持台 
3 つくり方  
◆こまをつくる
@ A:市販の片面2極フェライト磁石でつくる
    竹串を磁石の穴に通し、片方の先をけずり、とがらせる。
  A B:コースター(厚紙)などを利用してつくる。
    コースターの中心に楊枝を通し、小磁石を中心近くに2つ、NSを逆につける。
  こまの回転のむら(味噌すり運動)を調整するために、紙の円板を磁石にはりあわせる。(上図の右写真)
  ◆支持台をつくる  
  B 木片、アクリル板などを利用して支持台をつくる。
    アクリル板で右のようなコの字の台をつくった。
  ◆コイルをつくる
  C 六角ボルトに、ビニールを巻いて絶縁し、エナメル線を約150〜200回巻く。 
  D 巻けたら、支持台に、コイルをつける。
  ◆支持台に、リードスイッチ、LEDをつけ、乾電池ボックスにつなぐ。
  D 支持台に、リードスイッチ、LEDを取りつけけ、乾電池ボックスとつなげる。
  ※LEDは、コイルに並列につけるときは、電流方向と逆方向、リードスイッチに並列につけるときは、電流方向と順方向につける。
  ◆容器に支持台、乾電池ボックスを、両面接着テープでつける。 
  E はじめは、少ないテープで軽く接着し、調整後、容器にその位置の印をする。
  ◆容器のふたに、こまがまわるへこみをつける。   
  F コイルの位置などを確かめ、コイルの中心に、へこみの中心がくるようにする。
    ※釘の頭の丸みを利用する。釘の頭を軽く熱して、へこましたい所に押しつける。
※コイルの位置などを確かめ、コイルの中心に、へこみの中心がくるようにする。
4 使い方
@ プラ容器をあけ、乾電池を乾電池ボックスに入れる。(入れることがスイッチになる) 
A ふたをして、こまを軽くまわす。
  B こまの回転が不安定な場合は、磁石に紙の円板をはりあわせて調節する。
C 乾電池は、アルカリ電池だと電流が流れすぎ、リードスイッチが過熱し、導通になりっぱなしなることがあるので、マンガン電池がよい。 
5 まわる理由
  乾電池は、コマの磁極の方向が、リードスイッチのON領域と一致すると、コイルに電流が流れ、その磁極とコマの磁極が反発し、回転力が生まれる。OFF領域になると、電流が切れ、その瞬間、LEDが点灯する。コマが半回転すると、再びON領域になり、回転力が生まれ、同じようにコマは回る。瞬間的なこの繰り返しで、コマは回り続ける。