ブナ森・季節の情報
(2002年)          

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島牧村・賀老高原(2002.10.18)  文字をクリックしてください。
島牧村・賀老高原(2002.10.3)  文字をクリックしてください。

黒松内町・歌才(2002.10.1) 文字をクリックしてください。
 

●島牧村・賀老高原(2002.9.5)
朝から、快晴。大きな青空が広がっていました。初秋の賀老高原に行ってみました。狩場山と東狩場山の上には、綿飴のような雲がぽっかり浮かび、天高くの秋を感じます。日差しは強いのに、あまり暑くありません。



これは、ブナの葉です。極々わずかですが、このように黄変しているものがありました。真夏の深緑は黒っぽく見えるのですが、今は全体に軟らかな緑になりつつあります。すでに、紅葉の準備を始めているみたいです。オオカメノキは真っ赤な実を付けており、葉が紅くなったものがチラホラ観察できます。ツルシキミも、表面がテカテカと輝く彩度の高い赤色の実を、鈴のようにぶら下げています。イタヤカエデ、ミネカエデ、ツタウルシ、ナナカマドなどの葉も、色づき始めています。ナナカマドは、長雨のためか葉が痛んでいるのを見かけました。

例年なら、今どきはキク科の花たちが花盛りなのに、今年はもう終盤に入っています。エゾノコンギク、エゾゴマナ、ヨツバヒヨドリ、ミミコウモリ、ヨブスマソウ、ハンゴンソウ、コウゾリナ、ヒメジョオン、アキノキリンソウ、ヤマハハコなどがあります。この中では、エゾノコンギクの紫の花が一番目立ちます。

意外なのは、ラン科のネジバナがまだまだ咲いています。今週末でも、十分楽しめるでしょう。サラシナショウマの白い穂状の花を見かけましたが、これはもう花期の終わりです。ツルニンジンとツルリンドウも、早々と咲き終えています。キンミズヒキ、ノリウツギ、エゾアジサイが、ほんの少し残り花です。

森を流れる空気は、ひんやりと冷たく、今年は秋の訪れが早いです。紅葉は、控えめに判断しても、半月以上前倒しのテンポで進んで行くに違いありません。キノコは、もうあちこちで顔を出しています。湿気の多い夏でしたので、かれらの成育時期も早いのでしょう。夏が無く、一気に秋になりました。

●黒松内町・歌才(2002.8.22)
昨日から青空が見えるようになってきた黒松内です。しかし、見上げれば高い空、秋のさざ波が寄せてきます。歌才ブナ林の中に、久しぶりに光のコントラストが戻ってきました。林内に吹く風は、秋の冷たさ。坂道を登っていても、ほとんど汗をかくこともなく、爽快な散歩をしてきました。散策路は、沢筋で道が悪かった。

ヤブハギが、至る所で満開です。目を近づけなければ形が見えない、小さなかわいい花です。一見よく似た印象のやつが、ハエドクソウ。葉の形がまるで違うので、注意して見れば判別は簡単です。ギンリョウソウモドキが、小さな群落を作り、散策路のほぼ全域にあります。ギンリョウソウとどこが違うのか?! ラン科のネジバナとアケボノシュスランがありました。アケボノシュスランは背が低く、花も白いので目立たないです。

キンミズヒキは、最盛期を過ぎましたが、まだ見られます。キツリフネも、まだ咲いていました。ツルリンドウ、ツルニンジンが見頃です。キク科の、ミヤマヤブタバコとミミコウモリが開花中です。アキノキリンソウも、これからきれいな黄色を見せてくれそうです。紫色のヤマハッカが、とても品のある色です。歌才川の近くでは、タデ科のミズヒキが見事な紅色になっています。これは、見物です。森の花たちは、秋秋と告げています。

●島牧村・賀老高原(2002.8.20)

今年の夏は、やって来ないままに終わったようです。「暑い!!」と叫びたくなるような日は、まったく無かったです。近所の方たちも、野菜がまったく育たないと、あきらめ顔です。経験したことのない異常気象です。

朝から雨が降る一日、歌才の森に行こうかと思いましたが、日本海側の賀老高原に期待を寄せて、島牧村に向かいました。日本海に出てみると、海がひどく荒れています。高波が海岸近くの岩礁に激しく寄せ、海水が高々と舞上っています。がっかりしながらブナ林に向かいました。やはり、高原は豪雨でした。

ブナの葉にぶつかる激しい雨の音が聞こえ、幹には見る見るうちに水の流れがわき出てきます。千走川の支流は、一気に水量をあげ、ザブンザブンと濁流が河岸を擦っていきます。視界があっという間に消えていきます。こんなに激しく、バケツどころか海の底をひっくり返したような雨に遭遇したのは初めてでした。

雨脚の弱くなった瞬間をねらって、ブナ林を観察しました。ハンゴンソウが満開です。例年よりその数は多く感じられます。ヨツバヒヨドリは、最盛期を過ぎたよう。キク科のエゾノコンギクは、あちこちに群落があり。エゾゴマナの白い花。ヒメジョオン、アキノキリンソウもたくさん咲いています。サワアザミ、チシマアザミは、姿が少なくなってきました。ウドも、残り花になりつつあり。オオイタドリは、今満開です。

珍しいものを見つけました。シソ科のナミキソウ、海岸に多い花ですが、何の何の!! 山にも進出しています。大好きなタチギボウシは、花期の終わり。ネジバナが、今時満開です。その他、ノリウツギ、ヤマアワ、クサレダマ、オオハンゴンソウ、エゾヤマハギ、ヤナギラン、ツルアジサイ、なども見ることができました。

この気候では、いつ夏が終わりいつから秋が始まるのか分かりません。森の中では、イタヤカエテの葉が、一部黄色くなっています。ナナカマドも、紅変しているものがあります。今年の紅葉はいったいどうなるものやら。まったく予想ができません。例年と違うことだけは確かでしょう。出来るだけ、情報を書くことにします。

●島牧村・賀老高原(2002.8.4)
黒松内町は、朝から霧と小雨模様。天候に不安はあるものの、賀老高原に向かいました。黒松内町と島牧村の境界にある月越(つっこし)峠に来ると、何と日本海は青空が広がる晴天ではないですか。この気候の違いに、あらためてショックを受けましたが、暑い光の中を車は快調に走りました。

島牧村の海岸では、キャンプや海水浴に来ている家族連れと若者たちが沢山いました。思えば、日曜日です。賀老高原も暑いので、賀老の滝を見に行くことにしました。昨年、展望台への道が崩れたので、今は新しい道が引かれています。きつい下り坂を、かなりの距離歩きます。千走川の河川敷まで降りられるので、途中の景色をゆっくり楽しみました。斜面にそそり立つブナたちの姿は、とても逞しく感じます。

賀老の滝を、千走川の岸に立って見上げると、その巨大な大きさに感心します。広い渓谷の間に、白い真四角の下駄が通せんぼをしているみたいです。よく見ると、春の雪解け時よりは、水量が少ないようです。滝の両側の斜面から山にかけては、ブナたちの森です。ブナ林の深い緑の上は、青空です。

今は、エゾアジサイが至るところで満開です。白、薄い赤、深い紫、鮮やかな紫、それらが混ざったような色、色々な色彩の花(ガク)を付けています。ノリウツギの白い花も綺麗です。ヨツバヒヨドリも満開。千走川の斜面では、遠目にウドが群落を作っており、これも満開です。落葉低木のミヤマホツツジが、見頃。小さくて目立たないのが、残念です。オオカメノキの実が、真っ赤になってきました。これも目を引きます。

トリアシショウマは、そろそろ花期の終わりでしょう。キツリフネが、まだありました。オククルマムグラとエゾノヨツバムグラもほんの僅かですが咲いています。エゾタツナミソウも、少々あります。イワイチョウが、場所が限定されますが、まとまって生育しています。ムカゴイラクサが、坂道の途中で群落になっていました。

その他、ヒメナミキ、クサレタマ(満開)、エゾゴマナ、エゾノコンギク(満開)、チシマアザミ、アブラガヤなどがありました。夏の花と秋の花が、ゴチャゴチャになって咲いているみたいです。たまに、春に見られるものまで混じっています。今年は、季節の変化のリズムがおかしいので、花の咲き方もおかしいです。

花の写真を撮っていると、スズメバチが様子を窺うように飛び回っていました。そろそろ、彼らの活動が活発になる季節でのすで、刺されないように注意してください。抵抗しないのが一番です。

●黒松内町・歌才(2002.7.23)
相変わらず、パッとした夏模様にならない天気です。蒸し暑いです。北海道にも梅雨があるのか?!?! ブナ林は、どっしりと大山動かずという雰囲気です。曇り日のため、軟らかな光で満ちていました。

花たちは、派手な色のものが少ないです。大半は、白系統です。白以外のものから紹介します。ベニバナイチヤクソウ、これは薄いピンク。でも、背も花も小さいので見過ごすかもしれません。エゾアジサイ、これはすぐに分かります。紫の花はとても気品があります。今が、満開です。サクラソウ科のコナスビ、小さい、黄色の花。これも見逃すかもしれません。シュロソウは、花期の終わり。もう種子を付け始めています。

キツリフネも、もう咲き終わり。運が良ければ、残り花を見られるかも。シソ科のミヤマトウバナは、薄い紫の花。派手さはないが、散策路上で目につきます。ヤブハギが、薄い紅色の小さな花を開いています。キツネノボタンは、黄色い花です。ほぼ花期の終わりです。後2,3日で落花するでしょう。

以後は、白い花です。トリアシショウマが綺麗です。バラ科のヤマブキショウマがまだ咲いていますので、非常に紛らわしい。オオウバユリ、名前に似合わずとても美しい姿です。でも、早くも花期は終わりのようです。

ユリ科のオオバキボウシが、目を奪われるほど白く輝いています。歌才川の斜面に群落を作っています。大いに目立つのは、ノリウツギです。アジサイの仲間ですが、樹高4m前後です。白いアジサイと思えば、分かり易いです。ひっそりと咲いているのは、ウワバミソウ。ウドが、大柄な鞠のような花を付けています。

その他、カノツメソウ、ミミコウモリ。ラン科のオオヤマサギソウらしきものを見ました。左右に羽を広げたような特徴的な花です。ドクダミが満開でした。優雅とは言い難いが、はっきりした花です。ハエドクソウも、あちこちで咲いており、満開です。ウマノミツバ(セリ科)も、たくさんあります。

これから楽しみなのは、キンミズヒキです。蕾がふくらんで、間もなく開花します。散策路上どこでもあります。その名の通り、品の良い黄色い花を見せてくれます。早くも、ツルニンジンが、蕾を付けています。

●黒松内町・歌才(2002.7.8)
7月に入ってから、ずっと悪天候が続いていました。太平洋から立ち上ってくる霧に覆われ、連日のジトジト模様。ストーブに点火したくなるほど気温が下がった毎日でした。今日は、久しぶりに雨も降らず、気温が上がりました。やや蒸し蒸しする中でしたが、歌才ブナ林を散歩しました。

ブナ林の中は、夏でいっぱいです。ブナは、春の芽吹きのような輝きはありませんが、どっしりと落ち着いた風格を漂わせて立っています。花たちは、目立たないものがほとんどです。ブナ林の前の駐車場から、オニシモツケが出迎えてくれます。白い箒のような花です。入り口を潜ってすぐ右の湿地には、オニシモツケとエゾノサワアザミ(遠目から見る限りたぶん)が群落を作っています。オニシモツケと同じバラ科、ヤマブキショウマの白い花が風にユラユラ揺れて、日陰などではとりわけ美しく見えます。品のある花です。

歌才川を渡って直登コースでは、シュロソウが見頃です。花の色が、ザゼンソウによく似ていて、あまりぱっとしないかもしれません。でも、ユリ科の花なのです。その他咲いているもの。イチヤクソウ、ウメガサソウ、これらは小さい上に白っぽい花なので、見落とすかもしれません。オククルマムグラとギンリョウソウが、まだ咲いていますが、すでに花期の終わりです。湿地では、チシマアザミに見下ろされました。

トチバニンジン、ツルアジサイがあります。蕾を付けて、これから咲きそうなものは、エゾアジサイ、セリ科のウマノミツバ、オオウバユリ、トリアシショウマ。トリアシショウマとヤマブキショウマはよく似ています。トリアシはユキノシタ科で、体全体がヤマブキより骨太に見えます。葉の形も違います。

たった一株、ラン科のクモキリソウを見ました。今までまったく気づかなかったので、やや自信がないのですが、たぶん・・・。花ではないけれど、トドマツ林で、ウスタケというキノコを発見しました。アンズタケ科で食用になる、と図鑑に書いてあります。私は食べたことがないので、保証はいたしません。名の通り、臼の形をしたキノコがウスウスウスと地面から体を出しています。うす茶色で、毒毒しくはないですね。
●島牧村・賀老高原(2002.6.30)
6月最後の日曜日。賀老高原は、素晴らしい夏の日差しが降り注いでいました。森の中にはそよとも風が吹かず、ゆっくり歩いているのにたちまち汗が出てきます。ブナ林も、夏模様です。黒い緑でいっぱいです。

川の流れと鳥の鳴き声以外は、何も聞こえぬほどシンとした森の中。花たちは、思いの外に咲いています。マイヅルソウとツクバネソウは、まだいっぱい咲いています。所々で群落を作っているのは、タニギキョウ、オオバミゾホウズキ、エゾノヨツバムグラ、ミツバツチグリ、ズダヤクシュなど。オオバミゾホウズキは、鮮やかな黄色で花も大柄なので、かなり目立ちます。タニギキョウの白は、小さいけれど鮮やかです。

ギンリョウソウがしばしば地中から顔を出しています。後一週間もすれば、いたる所に現れるでしょう。歌才の森ではすでに咲き終わってしまった花たちを、この賀老高原ではこれから楽しめます。ヨツバヒヨドリが、蕾を付けています。もう少ししたら、いっせいに森の中を飾り立てるでしょう。今日は、ラン科の花に会いたいと思っていたのですが、ひとつも見つけられませんでした。残念。エゾアジサイが蕾を付けていたので、楽しみです。

●島牧村・賀老高原(2002.6.19)
黒松内低地帯は曇っていたけれど、賀老高原は明るい日差しが降っていました。夏の間は、よくこのようなことが多いのです。内陸の黒松内より、日本海側の賀老は晴天の確率が高いのです。

ブナ林の中は、すっかり初夏になってきました。ブナの葉の色は濃緑になり、落ち着きと威厳のある森になっています。立ち止まったりすると、まだブヨがやってきます。が、元気の無い連中ばかりで、刺されても早春のような被害にはあわないでしょう。もう少ししたら、カが出てきます。

嬉しかったのは、マイヅルソウが満開だったこと。賀老のマイヅルソウは、心もち葉が大きい。花も大きい。本当にツルが飛んでいるような姿に見えるのです。ツクバネソウも、ちょうど見頃です。目立たない花ですが、品格があります。タニギキョウが、所々白い花を咲かせています。小さいけれと゜、美しいです。

ラン科の植物が登場しました。今日は、コケイランしか見かけませんでしたが、その他のものも登場してくるはずです。野草のランは、もの静かで優しい姿のものがほとんどです。気づかない人が多いかもしれません。その他、ホウチャクソウ、オオバミゾホウズキがあります。ミゾホウズキは、鮮やかな黄色い花を付けているので、簡単に見つけられるでしょう。タニウツギも、まだまだ咲いています。淡いピンクは、遠くからでも目立ちます。
●黒松内町・歌才(2002.6.11)
ブナの葉は、黒っぽい緑になって、いよいよ夏を思わせるような森になってきました。このところ不安定な天気が続き、汗をかきながら歩くほどに気温が高くないのが残念です。風は、心地よいです。

花たちを紹介します。前回あったコンロンソウ、ユキザサは、もう花期が終わったようです。駐車場から森への道を入ってすぐ右手の湿地では、バイケイソウが大型の白い花をこれ見よがしに咲かせています。キク科のシロバナニガナとハナニガナが満開です。姿形はそっくりですが、色が白と黄色。そのコントラストを楽しめます。

みなさんが興味を持っているギンリョウソウが、ほぼ八分咲き。見頃です。所々におおきな株を作って、オッと思わせてくれます。同じイチヤクソウ科のジンヨウイチヤクソウが咲き始めました。ギンリョウソウに比べると目立たない。オククルマムグラ(であろうと思います)が、散策路のほぼ全域で白い花を咲かせています。クルマバソウにそっくりなのです。よく見ると、花の形が違います。やはり小さくて白い花を付けているのが、タニギキョウ。とても可愛いです。ブナの木ばかりを見ていると、見落としてしまうかもしれません。

エゾノヨツバムグラが、満開です。群落を作っているのは、森の奥の方なので、見たい方は是非もう一歩足を運んでください。白くて小さな花です。しばしば見られるのは、ツクバネソウです。まったく派手さのない、控えめな花です。でも、葉に特徴があるので探しやすいでしょう。マイヅルソウは、まだ咲いています。

その他、ガマズミの白い花、コウライテンナンショウ、コケイラン、ヒメシラスゲ、ミツバツチグリの黄色い花、などです。全体に白い花が圧倒的に多いです。不思議です。黄色いのは、ハナニガナとミツバツチグリくらいしか見あたりません。早春のあの華やかな雰囲気が、こうも変わってしまうのですね。
●島牧村・賀老高原(2002.6.4)
この数日不安定な天気が続いています。賀老高原は、午後から雨足が弱くなり、森の中を歩くにはちょうど良い気温でした。ブナたちは、まだ新緑の色を残していて、さわやかな空気でした。期待していた花たちが咲き始めました。満開になっているのは、オオカメノキとシラネアオイ。オオカメノキは、ブナの間あいだで咲き誇り、白い浮き球が浮遊しているようです。シラネアオイは、沢筋でいっせいに咲いています。紫と薄い紫の花が上品です。

マイヅルソウが蕾をつけ始めました。ノウゴウイチゴが、まだ咲いています。予想以上に、花期が長いです。ギョウジャニンニクが、大きな蕾を作り始め、ずいぶん元気です。ツルシキミの白い花は、近づいて見ると、なかなかエレガントです。アカネ科のエゾノヨツバムグラが群落を作っています。咲き出すのは、まだ先になるでしょう。

ラン科の植物はまだだろう、と思っていたら、ハクサンチドリの赤紫色を見つけました。雨の中で、とても輝いていました。でも、たった一輪です。これから、そのほかのものも現れるでしょう。タニウツギは、二次林を中心に咲いています。薄いピンクは、美しいです。この木は、毒があると言われて、本州では嫌われているようです。

●黒松内町・歌才(2002.6.1)
ついに、WorldCupが始まってしまいました。元サッカー少年で、メキシコオリンピックの銅メダル獲得に熱くなった私としては、目の前で世界大会が行われることに感激しないわけにはいきません。我が日本代表チームが、せめて決勝トーナメント出場を果たしてほしい。気持ちの高ぶる一ヶ月が始まりました。

ブナ林は、ほとんど初夏から夏色になっています。ブナの葉は、深い緑色になっています。セミが、うるさく鳴き続けています。気温も高くなり、歌才の山への直登部分では、汗が噴き出します。散策路は、おおむね固まり、歩きづらい場所は無いようです。いくつかの沢が、少し湿っている程度です。

花たちは、初夏と夏のそれに代わり、落ち着いた色合いになっています。白っぽい花が多いです。たとえば、クルマバソウ、ユキザサ、タニギキョウ、ツボスミレなど。アブナラ科のコンロンソウは、大型で太陽の光を眩しいくらいに反射しています。ホウチャクソウも、白い花ですね。これは、あまり目立ちません。マイヅルソウは、見頃です。散策路のあちこちに咲いていますので、ゆっくり楽しめます。

時折見かけるのが、コケイラン。ランとは言え、高さ20cmくらいで派手さのない花です。黄色い花も、ちらほら。バラ科のミツバツチグリが群落を作っています。サトイモ科のヒロハテンナンショウを見かけました。これは、コウライテンナンショウの親戚です。花は、地面から見上げないと、見られないです。

トチバニンジンが、小さな蕾を付けています。こんなに早く、びっくりします。名前を確認できないのですが、タチツボスミレのような印象のものが蕾を付けています。あとで調べてみます。鳥もたくさんいます。アカゲラの激しいドラミングを聞きました。クマゲラはいないものか、また会いたいです。
●島牧村・賀老高原&黒松内町・歌才(2002.5.21)
三日間雨が降って、寒かったです。今日は朝から青空が見え、どんどん気温が上がってきました。賀老のブナ林は、まだまだ新緑で満たされています。今週末までは、明るく気分がすっきりする緑を楽しめます。新緑が素晴らしい、と書き続けているのですが、言葉ではその具体的イメージを伝え切れません。今日は、賀老のブナの葉を拾って来ましたので、それを見ていただきます。私は、一年中で一番きれいな緑色だと思います。

森を歩いていたら、目の前をフワリと横切るものがありました。一瞬大きなアゲハチョウか、と思ったのですが、見ると鳥なのです。黄色と白と黒が見事に混じり合ったデザイン。キビタキのようです。鳴き声もすっきりと澄んでいて、ブナの新緑をいっそう美しいものに感じさせてくれました。

咲いている花は、先日とあまり変わりません。もう、エゾイチゲが見あたらなくなっていました。賀老高原を下っていくと、タニウツギがピンクの花を咲かせ始めました。千走川の近くで、クサノオウとコンロンソウの群落を見つけました。クサノオウは、黄色のやや大柄な花。コンロンソウは、小さな白い花を楕円状にたくさん付けています。

一方、黒松内・歌才のブナは、早くも初夏を感じさせる濃い緑に変わりつつあります。花たちも、早春のものはすっかり姿を消しました。今は、クルマバソウが咲き始めました。ニリンソウも、まだまだ元気です。マイヅルソウが、お待たせとばかり、花を開いていました。タチツボスミレが、あちこちで群落になっています。

その他、見かけたもの。シラネアオイ、フタリシズカ、ユキザサ、コンロンソウ、オオカメノキ、ニシキゴロモなど。ホウチャクソウとオオアマドコロが蕾を付けています。季節の移りが早すぎて、付いて行けそうにありません。
●島牧村・賀老高原(2002.5.17)
今年最高のブナ林新緑です。ブナの葉は大きく開いていますが、まだ産毛が残っています。明るく、清々しい緑で、森の中がいっぱいになっています。歩いていると、気分も足取りも軽やかになります。

やっと花たちが咲き始めました。オオカメノキ、ミズバショウ、ザゼンソウ。エゾイチゲとヒメイチゲを見かけました。大きな群落を作って満開になっているのは、ノウゴウイチゴ。年々、生育地が広がっているようです。千走川の近くでは、ムラサキヤシオ(ツツジ科)が咲いています。ブナの陰に隠れて、あまり目立たないのが残念。

ツクバネソウとマイヅルソウがあちこちで成長して、中には蕾を付けているものもあります。咲き出すのが楽しみです。エンレイソウは、予想以上に早く開花しています。ブナの新緑に目を奪われがちですが、林床の花たちも見逃さずに楽しみたいものです。一方カタクリとエンゴサクを、まったく見かけないのは寂しいです。

ブナ林を出て、明るい二次林などでは、エゾニワトコのややクリームに近い白花が目立ちます。いっせいに開花しています。シソ科のオドリコソウの群落もありました。スミレたちも、まだ咲いています。ブナの新緑は、あと一週間くらいが素晴らしいでしょう。でも、あっと言う間に初夏になってしまいそうです。

●島牧村・賀老高原(2002.5.6)
賀老高原のブナも、ついに芽吹いて新緑の色になりました。今日は芽吹いた直後らしく、開いた冬芽に殻がくっついている木がほとんどでした。数日中には、葉が大きく開き、本当に新緑らしい清々しい色になるでしょう。思ったより雪解けが早く進んでいます。遺伝資源保存林の散策路は、もう雪がありません。

狩場山方面への林道も、おおむね雪は無くなっています。奥の原生林にも入っていけるようになりました。ブナ林の中は、まだ雪が残っています。危険な場所はほとんどありませんが、残雪の上を歩くときは注意です。そのためか、花の姿はあまりありません。目立つのは、ミズバショウぐらいです。ツクバネソウが、現れています。

花を楽しみたい方は、ブナ林の近くにあるダケカンバの二次林辺りを歩いてみてください。キクザキイチゲ、ニリンソウ、エゾエンゴサク、が咲いています。時折、カタクリが少々見られるかもしれません。意外と多いのは、スミレです。タチツボスミレとスミレサイシンと思われます。非常に物静かに咲いているので、車からは見逃してしまいます。ブナ林で花が咲き始めるのは、雪が完全に無くなってからです。本当なら、ブナが芽吹く前にという順なのでしょうが・・・。高度があり、気温が低いなどの悪条件が、花の種類を制限しているのかもしれません。

黒松内町・歌才(2002.5.4)
歌才のブナが芽吹き、森の中は明るい鶯色に染まっています。新緑が、一番美しく感じられる季節です。花たちは、入れ替わりながら次々と咲いています。今は、ニリンソウが最盛期でしょう。そして、ヒトリシズが咲き始めました。カタクリは、もう終わりの時期、種子を作っているものもあります。

ニリンソウの群落の中に、四個の花を付けているものを見つけました。3輪は珍しくありませんが、4輪はなかなか見られません。現在開花しているものは、オオカメノキ、エンレイソウ、オオバナノエンレイソウ、エゾエンゴサク。白いエンレイソウは、歌才の森では少ないのです。その他、フッキソウ、タチツボスミレ、キクザキイチゲ。キクザキイチゲは、予想以上に長く咲いています。スミレは、ざっと見ても3種類くらいありそうです。

蕾を付けているのは、ホウチャクソウ、マイヅルソウ、ユキザサなど。ツクバネソウは、随分大きくなって、もう少しで蕾を付けるでしょう。クルマバソウも、同じ。ミミコウモリが姿を現しました。これから初夏に向かって、たくさんの花たちが、森を彩りそうです。ツタウルシが成長しつつあります。注意、注意。この暖かさで、ブヨがぶんぶん羽音をたてながら、まとわりついてきました。昆虫の発生も多い年になりそうです。

島牧村・賀老高原(2002.5.2)
賀老高原のブナたちが、芽吹き始めました。まだ、彩度の低いウグイス色です。あと一週間もすると、最高の新緑に変化するのではないでしょうか。雪は、かなり溶けています。遺伝保存林の前の駐車場まで、車で入れます。まだトイレが閉鎖されています。砂利道の狩場山登山口方面は、残雪がたっぷりあります。まだしばらく、通行はできません。無理をして、乗用車を乗り入れるのは危険です。

千走川の水量は大変多く、賀老の滝はまさに「瀑布」です。新緑のなかに浮かぶ巨大な滝は美しいでしょう。森の中は、ブナもカエデもホオノキも、落葉樹が一斉に芽吹き始めているので、遠くからみるとまるで秋の紅葉の季節と見まがうほどです。狩場山系の残雪が、一際白く輝いて見えています。その下は、ブナの原生林です。

遺伝保存林の散策路は、あちこちに残雪があります。危険は無いようですが、軽登山靴、トレッキングシューズ、長靴などを用意して歩いてください。まだ、花はあまり見かけませんでした。
黒松内町・歌才(2002.4.25)
3日間ほど悪天候が続きました。ブナたちは、いよいよ芽吹きを始めました。全山全樹で冬芽が弾け、森中が淡い緑色になっています。ついに森の主役の登場です。ハウチワカエデも、同じタイミングで芽吹き始めました。鮮やかな赤い色が空中に浮かんでいて、目を引きつけられます。秋の紅葉も美しいですね。

花たちの動向です。カタクリは、おおむね最盛期を過ぎました。今週末までは、まだ鑑賞できるでしょう。キクザキイチゲも最盛期を過ぎて、花の数が減っていますが、カタクリ同様まだしばらくは見られそう。エゾエンゴサクも、まだ大丈夫です。見頃なのは、エンレイソウです。一塊りになって咲いていると、思った以上に華やかです。

小さいけれど目を引きつけられるのが紫色のスミレサイシン。タチツボスミレらしきものもあったのですが、断定する自信がありません。ユキザサが蕾を付けていました。驚いたのは、ほんの一部ですが、オオカメノキが花を付けています。とっても早いです。ニリンソウが、群落になって花を咲かせていました。キクザキよりも花は小さいのに、花びらのバランスが良く品のある姿です。バイケイソウが、グングンと大きくなっています。

マイヅルソウも、日に日に成長しています。ごく一部、蕾を付けています。開花には、まだ間がありそうです。ツクバネソウが、散策路のあちこちで姿を現しています。これも開花には、まだ早いです。もう少し経つと、シラネアオイ、ヒトリシズカ、フタリシズカが登場するでしょう。クルマバソウも、まだ小さいですが、楽しみです。

散策路は、だんだん乾燥しています。しかし、依然としてぬかるみがあります。斜面で滑らないよう、注意してください。ブナ林入り口前の駐車場にあるトイレが、使えるようになりました。積極的にご利用下さい。連休が目の前です。おそらく、ブナの新緑が、最高に美しいときです。暖かければ、言うことなしです。
黒松内町・歌才(2002.4.18)
花見の季節になりました。ブナ林の散策路からは、すっかり雪が無くなっています。ブナ林前の駐車場から入ってすぐ右にある湿地帯では、ミズバショウが大群落になっています。満開状態で、今が見頃です。散策路脇では、カタクリがどんどん姿を現して、蕾のものと開花したものが混然となっています。キクザキイチゲは、満開です。

歌才川の橋を渡って森に入ると、散策路脇と斜面ではカタクリとキクザキイチゲが競うように咲いています。カタクリは、蕾のものがたくさんあるので、今週末にはつぎつぎと開いて、ずいぶんと華やかになるに違いありません。エゾエンゴサクもまだまだ楽しめます。エンレイソウは、あちこちで姿を見かけるようになりました。すでに咲いているものもあります。本格的な開花期は、あと一週間くらい後でしょうか。

さて、ブナたちはいよいよ芽吹きの直前という状態になってきました。樹冠の上の方から冬芽がふくらみ、今にも殻を振り落としそうな勢いです。昨年と比べて10日から二週間早いペースで動いています。楽しみではありますが、気分的には慌ただしいです。ぼやぼやしていると春の美しい風景を見損なってしまいそう。

散策路は雪が無いとはいえ、随分と悪路です。乾いていない所が各所にあります。しっかりした靴を履いて、注意深く歩いてください。下り斜面では、とても滑りやすい場所があります。動物たちも活発に動き始めたようです。ときどき、キツツキのドラミングの音が聞こえました。姿が見えなかったのですが、アカゲラでしょうか?

黒松内町・歌才(2002.4.9)
驚きました。蕾を付けたエンレイソウを見つけました。何という春の動きの早さか、呆れるほどです。キクザキイチゲは、あちこちで花を開いています。カタクリも、南向きの斜面では群落になって花を開いています。エンゴサクも咲いてきました。この調子なら、週末にはキクザキイチゲとカタクリの花を十分に堪能できそうです。

散策路は、まだ雪が残っています。乾いたところよりも、雪解け水でグチャグチャになっている方が多いので、歩くときには注意が必要です。この週末は、まだ長靴の方が安心でしょう。一年で、一番足元の悪い季節です。

黒松内町・歌才(2002.4.4)
出ました、出ました!! ブナ林の花が。予想を大きく上回る早さです。キクザキイチゲが、数えられる程度ですが、太陽に向かって目一杯花を開いています。一年ぶりに見るその白さが、やけに眩しいです。カタクリは、注意深く探すと蕾を付けたものがチラホラありました。エゾエンゴサクも、薄い紫の蕾を下げてユラユラしています。

いずれも南側に向いた日当たりの良い斜面にあります。極わずか、限られた場所ですので、花見にはまだ早いです。その他に、フッキソウとツルシキミが白い蕾を付けています。昨年の季節感からは、全体に10日から2週間ほど前倒しで春の足音が聞こえています。森の主役ブナたちは、まだ冬芽を固くしています。芽吹きはまだ先です。しかし、今月の半ば頃には、冬芽がふくらんで森全体が妖艶なピンクに染まると思います。

問題の雪ですが、散策路上にかなり残っています。しかも、今雪解けの最終段階で締まりがなくなり、ズブズブと足を取られる場所が多いのです。カンジキを履くほどのこともないのに、長靴だけでは歩きずらいという、というやっかいな状態です。足元には、十分注意して歩いてください。出来れば、もう少し雪が解けた今月中旬辺りに入林するのをすすめます。その頃になると、花たちが森のあちこちで咲き始めるのではないでしょうか。

ブナ林入り口の駐車場も、すでに雪が解けており、利用可能です。ただし、トイレは使えません。
黒松内町・歌才(2002.2.24)
前回お知らせしたとおり、暖冬暖冬です。ブナ林の中は、カンジキが無くても歩けるくらい雪が締まっています。何度か雪が降ったのですが、すぐに気温が上がり、積雪量が目立って増えるということはついにありませんでした。このまま春に突入するのは、ほぼ間違いないと思います。ブナ林やその周りの山々が、うっすらと赤みを差しています。芽吹きの準備に入ったみたいです。国道や道道沿いのヤナギは、早くも花を咲かせています。

黒松内町・歌才(2002.2.3)
今年になってからは、暖かい日が続いています。大雪も大吹雪も、ほとんどありません。ブナ林の中も、先月と比べて積雪量はほぼ同じか少し増えたか、という程度です。まるで、春三月のような状態です。空を見上げると秋のようにすっきり抜けた青空、地上の雪は固く締まっています。暖かい日差しの中を歩くと、たちまち汗ばんできます。ゴアテックスの厚いコートと手袋を脱ぎ捨てたくなるくらいでした。

入林者の歩いた跡が、そのまま道になっています。夏の散策路跡が微かですが、確認できます。今日は、散策路上を確かめながらコースの最後まで歩いてみました。先月ご案内した「途中から山の尾根に上るコース」には、かなりの入林者があるようです。が、私は「苦難のコース」を選択しました。というのは少々大げさですが、尾根に上がるよりはアップダウンが多いのです。雪が少ないためコース取りは楽でしたが、湿った雪が重いです。一歩ごとに、カンジキが粘り着くような感触です。体力に自信のない人は、尾根に上がった方が良さそうです。

歌才の森の終点近くは平坦で、木々の並びや姿がとても美しいのです。特に春、芽吹きの頃は最高の色彩になります。でも、雪の中をここまで歩いて来て、冬期間の風景を楽しむ人はいないようです。残念なことです。往復に2時間半程度はみておかなければならないし体力も必要ですが、ぜひともコースの奥も訪ねてください。

ブナの太い枝に積もった雪が融けて、幹を一筋の水が流れ落ちていました。あまりにも気温が高い為です。今頃は冬でも一番寒い時期なのに、いったいどうしたのでしょうか。後でまとめて大雪、などというのはお断りしたいのですが。歩いていると、イタチ君が目の前をササッと横切っていきました。フサフサした毛が見事、かなり太り気味でしたね。鳥の鳴き声も大きく聞こえました。ゴジュウカラが、近くの枝で食事中でした。

入林される場合、雪が降ったかどうかを確かめてください。大雪の後では、今あるコースが見えなくなるでしょう。

黒松内町・歌才(2002.1.5)
今日は、とても穏やかな暖かい一日でした。連れ合いと連れだって、のんびりとブナ林を散歩しました。2日以後ほとんど降雪が無く、自分の歩いた足跡がまだ残っていました。日中気温が上昇したため、またも雪が固く締まってきました。大雪にならない限り、当分は歩きやすい状態が続くでしょう。

先日は通常の散策路に沿って歩きましたが、今日は山の尾根に上がってみました。ブナ林の本当の入り口は、歌才川を渡った所にあります。この入り口から、すぐに登りのコースが始まります。ここが、最初の人には辛いかも知れません。右に左に向きを変えながら、登り登りです。左下に歌才川が見えます。一度小さな下りがありますが、ほっとしないで最後の登りをクリアしなければなりません。ここまでが、散策路沿いです。

「鳥獣保護区」と書かれた赤い色の看板があります。この地点から散策路コースをはずれ、右側の斜面に向かって登ります。歌才の山の尾根に向かうのです。小さな山ですから、それほどきつい登りではありません。散策路沿いに歩くよりも、冬は楽ちんなのです。夏の間はまったく近寄れないブナの大木が、ドンドンドンと立っています。どれも20m、あるいはそれ以上ありそうです。そんなブナを見上げながら進むと、間もなく山の頂上に着きます。

非常に見通しがよく、黒松内の里を東西に見渡せます。高いところが好き、という方は是非訪れてみてください。とっても気持ちよくなります。ただし、吹雪いた日は、顔が凍るかも知れません。
黒松内町・歌才(2002.1.2)
明けまして、おめでとうございます。今年は、良い年でありますように。
一ヶ月以上にわたり、情報を提供しなかったことをお詫びいたします。12月に入ってから慌ただしい日が続き、しかも年末が押し迫った時に、ホームページを増殖させる仕事にとりかかり、思った以上に時間を盗られてしまいました。新しく開設した方も、どうぞご覧になってください。

新年のご挨拶に、森に行って来ました。積雪は、昨年と比べるてとても少ないです。散策路のところがわずかに窪んでおり、ほぼ夏と同じコースを確認しながら歩けます。年末に気温が上がり、雪がやや溶けました。お陰で雪が固く締まっており、足が深く沈むことはありません。カンジキが無くても、長靴だけで散策できる感触です。私は、念のためにカンジキを使用しました。コースの後半は、心持ち雪が多いようです。

昨夜は、風が吹かずにシンシンと雪が舞ったようです。ブナの枝枝に、柔らかな新雪が万遍なく覆い被さり、しだれ桜が咲いているかのような風景でした。もちろん、花は真っ白です。森中がそうなので、太陽の光が反射すると眩しいくらい。家に帰って顔を見たら、雪焼けで真っ赤になっていました。たった一人で見るのが、もったいないくらいの感動的なシーンでした。除雪に追われる冬は、本当にウンザリします。どうしてこんな雪の降る所に住んでいるのだろう、と思うことの方が多いのですが、雪があってこその美しい景色にも感動するのです。

今日の天気は、晴れ時々曇り。風はほとんど無し。歩いていると汗ばむくらいで、寒さは感じませんでした。しかし、ザックの横のポケットに入れていたペットボトルの飲み物が凍り始めたのには驚きました。風がないので、体感温度は低く感じないのに、実はけっこう気温が下がっていたようです。これからの季節、入林される方はしっかりとした靴やコートを身につけて入ってください。甘く見ると、やはり山の中、危険です。