<トリニティー Live at よいどれ伯爵>

(里見紀子、井上ゆかり、北浪良佳)

トリニティー
(左から)井上ゆかり(P)、里見紀子(Vl)、北浪良佳(Vo)


2008.1.17.(木) トリニティー Live at よいどれ伯爵
里見紀子(Vl)、井上ゆかり(P)、北浪良佳(Vo)

昨年ユニット名も決まり、今年より精力的に活動していくことになった3人ユニット、「トリニティー」。
昨年のライブの余韻は頭に残しながら、関内へ向かった。

開店少し過ぎた後に入ったところ、リハが終了した直後。
店員さんに促されて中央右手の席へ。
ピザを食しながらしばし待ちました。

よいどれ伯爵は3ステージ。

1stステージは、「春よ来い」を里見さんと井上さんで演奏。
前回の時とピアノの音が全然違う。頗る気持ち良く鳴っている。
「座席の違いでこんなに違うのか?冬だから?それともゆかりさんの気持ち?」などと思った(以降の話は後述)。
そして、「A Child Is Born」。暖かさに包まれるようなお二人の演奏。
ピアノ&ヴァイオリンの編成は暖かいですよ。

ここで北浪さんが加わり、軽やかな曲(曲名不明)。
お客さんも肩や足でリズムを取ったり、歓声を上げる。
「Mona Lisa」、「赤い花白い花」。
北浪さんのスキャットは最高に楽しい。
ここで北浪さんのアルバム収録曲、「I'm Glad There Is You」、そしてステージ最後に「燃える秋」を演奏。
「燃える秋」では、井上さんは間奏でピアニカを披露。そしてこの曲は非常にヴァイオリンの引き立つ曲。
井上さんの燃える心情をあらわすピアノ&ピアニカ。
そして里見さんのヴァイオリンが北浪さんの歌声に絡みながら、小さく震える心情が伝わってくるようでした。

さて、ここで昨年末に発売された里見さんのアルバム「Hot Summer Night」を購入。
きっちりサインを頂きました。


しばしの休憩の後、2ndステージです。
3人で「Fly Me To The Moon」から。
最初は夢を見ながらゆったりと、そして気持ちを解き放って月へと飛び立つようにリズミカルにしたアレンジ。
「この3人の真骨頂だな。」と感じました。
ブルージィに決める「Over The Rainbow」。場の熱は上がっていく。
そして、井上さんと北浪さんで井上さんのアルバム「Pianin」に収録されているオリジナル曲、「Michel Michel」を披露。
最近「Pianin」を聴きかえしていた私にとって、非常にタイムリーで、北浪さんの表現力がアルバムと違った味わいで楽しませていただきました。
次に里見さんと井上さんで、「James」、そして里見さんのアルバムより、「亡き王女のたまのパヴァーヌ」を披露。
緩やかなリズムに楽しそうに奏でられる井上さんのピアノ、そして艶やかな里見さんのヴァイオリンの演奏に舌鼓。
そして凍てつく寒さが染みる「Calling You」。
凍えそうなぐらい皮膚に痛さが伝わる。
暖かくしないとと、アレンジが光る「You Are My Sunshine 〜 Oh Sole Mio」。
不思議と体が温かくなるんです。
そして、2ndステージ最後は「蘇州夜曲」で異国の地へ。
う〜ん、酔えたね。思わず唸ってしまった。
後半3曲は全然違った楽曲。
温度感の起伏が激しすぎますよ(笑)。


この日は2ndステージまで。
2ndステージ終了後、3人とお話をさせていただいた。
そして、後ろ髪引かれる想いでお店をあとにしました。
お店の人に「絶対、3rdステージが盛り上がるんだよね」と話し、なだめられながら...

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そうそう、この日のミュージシャンとの会話の一部を幾つか(端折ってますが)。
素人の質問です(笑)。

KAMIN:「昨年のステージで感じたんですけれど、井上さんの打鍵って凄く強いですね」
井上さん:「ここのピアノはスタンウェイで、強く弾けるんですよ」
KAMIN:「ピアノで違うんですか?」
井上さん:「そう。強く弾いても余力があるんで」
KAMIN:「でも今日のピアノの音、凄く気持ち良かった。昨年と場所が違ったからかな?」
井上さん:「調律したばかりだからじゃないですか。弾いている方も気持ち良いですから」

調律でこれほど音の粒立ちが違うとは...凄いね。
もちろん、井上さんの演奏があっての事ですよ。

そして場所を移して...
KAMIN:「マイナス・ワンのところを里見さんや井上さんがどのように演奏していくのか、自分の中でイメージしながら聴くと楽しいんだなと感じました」
里見さん:「凄いレベルの高い聴き方ですね」
KAMIN:「私、素人です(笑)」
KAMIN:「このユニット、やっぱり良いですよ」
里見さん:「楽曲もジャンルにこだわらないし。」
KAMIN:「そうそう。でね。やっぱりオリジナルを作って欲しいと思うんですよ。」
里見さん:「そういった構想してますよ。」
KAMIN:「やっぱり自分たちの作った曲を残していかないと。期待してます。」
(これは北浪さんにも話しました)

KAMIN:「いやぁ、良かったです。そしてあなたに出会えて「小さな空」にも出会えたし。」
北浪さん:「ホンマ?うれしいです。」
KAMIN:「このユニット、姉御にお嬢に姫って感じ」
北浪さん:「...あぁ〜、やっぱ私が姉御だぁ。そりゃぁ...(ブツブツ)」
KAMIN:...(フォローなしでごめんね)
でも、北浪さんがいないと成立しないんですよ。
お二人の演奏に北浪さんのダイナミクスのある歌声とパフォーマンス。
最初に出会ったライブで、歌声を一瞬聴いただけで鳥肌もの。
1stステージ終了後、里見さんにご本人そっちのけで北浪さんのことを聞いたのですから。
歌うことが大好きなんだと、ひしひし伝わってきますよ。
(文面でフォロー...いや、本心です)

こんな風にミュージシャンとの会話ができる。
ライブはやっぱり楽しいや。

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トリニティーは楽曲のジャンルにこだわらない選曲。
そして日本の曲をジャズのライブで聴けるという楽しみもこのユニットには欠かせない魅力の一つ。
北浪さんのMCは楽しくて、いつも場が穏やかになる。
北浪さんはヴォーカリストだから歌心あるのは当然ですが、井上さん、里見さんも歌心があるんです。
それが私のように歌ものを中心にライブに足を運んでいる、ジャズに素人な人でも演奏を聴いて感じられる。
そしてダイナミクスが伝わる歌に演奏。
3人の歌・演奏は音の余韻まで楽しませてくれる。
そう、ピアノもヴァイオリンもヴォーカルも。
今回のライブでそれを存分に魅せつけられました。
「晴れやかに、和やかに、しみじみと...そしてウキウキ・ワクワク」させてくれました。

3人とも一人一人ライブハウスで活躍する逸材。
個性的な3人がユニット名を付けて独自の表現をこれから磨いていく。
「トリニティー」、私はこの3人にジャズの未来を託します。
素人の私でも楽しめますから、皆さんもジャズだからとジャンルを気にせず、足を運んでみてください。


うーん、良いユニットだ。
やっぱり最後まで聴けなかったことが心残り...絶対盛り上がっているんだよ...

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トリニティー
(左から)井上ゆかり(P)、里見紀子(Vl)、北浪良佳(Vo)

















ボケボケですみません(_●_)


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