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天体観測・星雲写真撮影を楽しむ熟年ウォッチャー
アンドロメダ銀河
    
 
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天体望遠鏡 ~設置から撮影まで~ 備忘録 (Vixen SP赤道儀)
   
      設 置調 整機器の接続動作確認
      観 測撮影準備ガイド撮影開始ガイド撮影終了

設 置
三脚を設置する。赤道儀取り付け用の突起をほぼ北に向け、平らで堅固な場所を選んで設置する。

赤道儀を載せる。三脚に載せたら極軸がおおよそ北を向いているか確認して、付属の水準器で水平を合わせる。後々鏡筒などの荷重がかかりズレが生じるが、軽いうちに一度合わせておくと楽。

バランスウエイトと鏡筒を取り付ける。安全のために、先にウエイトを取り付けてから赤道儀に鏡筒を載せる。アイピースやガイド用Webカメラ、撮影用カメラを取り付けて赤経軸と赤緯軸の重量バランスを取りましょう。バランスが合っていないと駆動モーターとギアに負担がかかり、ガイドエラーに繋がる。ウェイト側をほんの少し重くしておく方が、ガイドが安定する。
水準を再確認し、最後に三脚の伸縮部や付け根の六角ネジ、鏡筒バンドなどをしっかり締め付ける。これで設置は完了。カメラはその後の調整のため一旦外しておく。


三脚設置  
反射望遠鏡

調 整

極軸を合わせる。極軸望遠鏡の接眼部保護カバーと前キャップを外す。赤緯軸を90°回転すると、極軸望遠鏡が使用可能となる。
 極軸望遠鏡
極軸望遠鏡

日本標準経度(東経135゜)と観測地の経度の差を求め、観測地が明石市の135゜より東に位置する場合はE 方向に、西の場合は W 方向に差の分だけ目盛をずらせる。(下左写真)
最近は携帯電話にGPSによる測位機能が備わっている場合が多いので、簡単に現在位置のデータが得られる。
次に赤経軸を回転して、月日目盛と時刻目盛を観測日時に合わせる。(下右写真)

  
経度補正目盛り
観測地経度設定目盛り
東経136°の場合  

赤経軸合わせ
   例 10月10日1時の場合

極軸望遠鏡には北極星導入レチクルが内蔵されている。
対物レンズの前に自作赤色灯を取り付けてレチクルを浮かび上がらせる。

その状態ですばやく極軸望遠鏡を覗き、赤道儀の高度と方位を調整して、北極星を2012年の所定の位置(下右写真 )に導入する。うまく収まれば調整ネジをロックする。これでひとまず極軸合わせは完了だ。

極軸望遠鏡暗視野照明
極軸望遠鏡暗視野照明
極軸合わせつまみ
方位と高度調整で北極星導入
極望レチクル
極軸望遠鏡内レチクルサークル


この後赤経コントローラー「MD-6」を接続しガイドアダプター「GA-1」をアイピースに取り付けて、東天と南天の星を数分間ノータッチガイドをし、高度と方位の微調整を繰り返す。この方法が最も精密な極軸合わせである。ここまで出来れば、直焦撮影時に安心ガイドができる。 
 

ガイドアダプターレチクル

ガイドアダプターGA-1のレチクル

機器の接続
 
機器接続図 シガーライターソケットにインバーター(200w)を接続する。
PCと赤道儀駆動のためのAC電源 。

 (2012・6  専用36Ahバッテリー購入)

PCにガイド用Webカメラと撮影用Eos Kiss X2をUSB接続する。オートガイドユニットをPCに接続。
赤経・赤緯モーター駆動ケーブルを赤道儀に接続する。 
 
動作確認 
 オートガイドソフト「GAGP1」を立ち上げる。
「撮影」タブをクリックし「ステッピングモーター駆動ラッチ版」を起動する。
「設定」タブでガイド星エリアを設定する。Webカメラの「解像度」は640x480。赤経コントローラー「MD-6」の電源ONで、赤経軸クラッチが噛んでいれば恒星時追尾がスタートする。
Eos Kiss X2をONしてPCディスプレー上に「Eos Utility」が起動されるか確認する。
WebカメラQcam s7500のコントロールパネルも表示されているか確認する。
観測天体の導入は、近くの恒星を指標にする。
恒星の導入は、左目の裸眼で見ている恒星と右目で覗いているファインダー内の十字線を合わせるように鏡筒を動かすと楽に導入できる。

GAGP1
GAGP1 

ファインダーに恒星が導入できたら、主鏡とガイド鏡に同じ恒星が入っているか確認する。
主鏡は倍率を上げて視野の中心に恒星を導入する。
ガイド鏡は前回の観測でガイド星導入のために、ずらしている場合が殆どなので確認する。ファインダーをはじめ、主鏡やガイド鏡は上下左右逆に見えるので、扱いには慣れが必要。導入後は「MD-6」による恒星時追尾をして、恒星がアイピースの中心から外れないようにする。
次に赤経目盛環を回して、導入した恒星の赤経座標目盛を基準点に合わせる。その後目標天体の赤経座標まで主鏡を回転する事で、赤経軸方向の導入は終わる。

赤緯軸は、座標の差分だけ回転し天体を導入する。この時、60進電卓があると便利。事前準備として、撮影予定の天体と近くの恒星のデータは調べておく必要がある。 
別の手法で少し高度なテクニックだが、星雲まで目じるしになる星をたどりながら導入する事もできる。
いずれにしろ天体が導入できたら、再度恒星時追尾で目的天体を外さないようにしておく。


観 測
いよいよ天体の観測。主鏡のアイピースを低倍率にして、目標天体を眼視で楽しみましょう。
淡い天体が多いため小口径の望遠鏡では確認しづらいが、自分の目でリアルタイムの天体を観ることが宇宙の「今」を体感する大事な時間。 


撮影準備
肉眼で楽しんだ後は、カメラに記録する。カメラによる長時間露光をすると、眼視とは全く違う素晴らしい姿を現してくれる。
まずは主鏡のアイピースを外して、撮影用デジタル一眼レフカメラを取り付ける。およそのピント位置を知るため自作バーティノフマスクを主鏡前に取り付けて、ダイヤルゲージ目盛りで1/10mm単位でピントを回し、15秒程度の露出で10枚撮影する。


 バーチノフマスク
バーティノフマスク
 ダイヤルゲージ
  ダイヤルゲージ    



撮影した画像を、合焦ソフトピントエイド」(右写真)で確認する。次にジャスピンに近い周辺を、ピントを2/100mm単位で回して15秒露出で10枚ぐらい撮影する。その撮影画像からピントエイドでジャスピン位置を求め、構図も完璧にしておく。
明るい星がフレーム内にあればライブビューでピント出しが出来るので、いちいち撮影する必要はない。

フィルムカメラ時代に裏蓋を開けて、ナイフエッジ法によるピント出しを
していた時代からは考えられない進歩だ。
 ピントエイド
ピントエイド
現像が仕上がってくるのを、期待と不安で待っていた時代も悪くはなかったが・・・。


撮影カメラのセッティングが終われば、ガイド星の導入に進む。ガイド鏡を覗いて4~5等星程度以上の星があるか確認する。明るい星がない場合はガイド鏡の3点支持を緩めて写野をずらして探す。
あらかじめ星図を見て目的天体近くの恒星を頭に入れておくと良い。ガイド星の導入がスムーズに出来れば、ベテランの域。程よく明るい星を視野の中心に導入できたら、アイピースを外してオートガイド用Webカメラを取り付ける。
フリップミラーがある場合は切り替える。
GAGP1に映し出された星像で、ガイド星のピント出しをする。星像が小さいほど、ガイド精度はあがる。 

ガイド撮影開始 
GAGP1でオートガイドを開始する。暫くガイドをして、オートガイダーのパラメーターを微調整する。気象条件によって、同じ装置でも必ずパラメーターの調整が必要になってくる。
安定したガイドが出来てきたらいよいよ撮影開始。
カメラのISO感度、ホワイトバランスやノイズ設定などをしておく。
Eos Utilityの「タイマー撮影設定」で露光時間と撮影枚数をセットして、インターバル撮影を開始する。
シャッターON/OFF時にミラーアップ/ダウンの振動でブレが生じるので、5秒ほど主鏡の筒先を黒く塗ったうちわ等で塞ぐと良い。撮影中はカメラの光学VFにキャップをして、液晶VFの光がカメラ内に回り込まないようにする。

撮影中、オートガイドのエラー補正状況を示すグラフを見る以外は、ゆっくり肉眼と双眼鏡で星空を楽しみましょう。双眼鏡は視野が広く明るいので、星雲などの観望にはちょうど良い。
NIKON D7000での、星景写真撮影も楽しみましょう。
EOS Utility
 Eos Utilityの設定       

ガイド撮影終了 
撮影が終了し他に目的天体がない場合は、ダークフレームとフラットフレームの撮影に入る。ダークフレームは、長時間露出・高感度撮影で現れるダークノイズとランダムノイズを画像処理ソフトで減算するためのデータである。
撮影はカメラにキャップをした真っ暗な映像を、本撮影と同じ露出時間・同じ枚数撮る。ダークノイズは温度変化に敏感なので本撮影終了後、速やかに撮る。

望遠鏡の周辺減光を補正するためのフラットフレームを撮っておくと、後の画像処理を深くかけられる。
フラットフレーム撮影は、望遠鏡の前にELシートと減光用トレーシングペーパーを取り付けて十数枚撮る。シャッター速度が1~2秒になるように減光すると、良質なフラットフレームが作成できる。この時、長秒時ノイズリダクションON、高感度ノイズキラーONで撮影する。
フラットフレームはCMOSセンサーのダスト除去にも役立つ。天文薄明の時間帯に、空をトレーシングペーパーをつけて撮影しても良い。フラットフレームは毎回撮影しなくても、ある程度使い回しが可能。 

撤収・帰路 
辺りは真っ暗でほとんど何も見えないから身の安全に気を付けると共に、忘れ物に注意して撤収する。夜更けの運転は慎重に、家に着くまでは気を抜かずに。お風呂に入って、ビールを飲んでお疲れ様。
仕上がりを見るのは、明日のお楽しみ~。 

 
 
 
 
 
 
 
 
     
     
         

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