地神(巳神、水神、土地の神)様の勧請・・・5
今回の例だけではなく、この神霊の夫婦愛というものを今さらなく深く感じ、又例えはおかしいが、人間もその何十分の一だけでも近づけたらと思う次第です。
この場合も、何十年と言う歳月を、この女の巳神様は待っていたのかと思うと、何ともいえない気持ちになります。
ある女の方から連絡を頂きました。
体調が悪く、会社から休暇をもらい、長期に渡り仕事を休んでいると言われます。
仕事に復帰しようとすると体調が悪くなると言われます。
子供も授かるでしょうかと聞かれます。
そして、この方の実家や御先祖様の事情も書かれています。
早速、この方の病気の障りを聞いてみました。
妻、「巳さんが・・・・、苦しそうに口を半開きにして上を向いているわ」、と言います。
私、「あんた、苦しいんか?」、と聞くと、
妻、「「苦しい」、と言ってるわ」。
私、「あんた、自分の窮地を知って欲しいので、○○さんの体を悪くしているのか。そうなら舌を出してみ」。
妻、「苦しくて出せないみたい」、と言います。
私、「あんた、○○さんの実家の土地と関係があるんか?」。
妻、「口を開けたわ」。
私、「何とかして欲しいんか?」。
妻、「今度はうなずいたわ」、と言います。
他にも見せて頂いたものはありますが、それはさほど重要ではありませんので書きません。
日を改めて、再度聞いてみました。
妻、「チビの前に・・・、何か形が出て来たわ・・・。「己」・・・・」。
私、「それ、「巳」、やろ・・・」。
再度、日を改めて聞いてみました。
妻、「物干し竿の様なものに、白いシャツの様なものがかかっていて・・、シャツには模様があって・・・・、竿の様なものに巻き付いているものがあって・・・、顔の様なものがついていて・・・・・、顔は尋常な顔ではないわ」、と言います。
思うに、時代(時)は分かりませんが、この方の父方の誰かが、蛇を殺しています。
この始終をお伝えすると、来て欲しいと言われます。
私、「地神さん、この家は行くべきか?」、と聞くと、うなずきました。
祈祷の前夜、ホテルで、明日の祈祷の最終的な段取りの確認に入りました。
私、「地神さん、明日の祈祷の・・・」、と言おうとした時、
妻、「地神さんが最初から下を見ているわ」、「真っ黒の太い蛇が・・・、体が切れているわ・・・。小さい白い巳さんが出て来たわ・・・・。チビがローソクを持って走り周ってるわ。黒い巳さんの下は、赤黒い血の海やわ・・・・。此方の(私の方の)地神さんの下は綺麗な水やわ・・・。チビの下も綺麗な水やわ。小さい白い巳さんの前に白いカーテンが出て、それを一生懸命に開けようとしてるけど行かれない・・・・。地神さんが赤い血の中へどぼ〜んと入ってしまったわ。中で動く音がするわ・・・・」、と言います。
あ・・・・・・・、何とも言えない・・・・、悲しいものを見せて頂いた・・・・・。
小さく白い巳さんは、体を斬られた、太く黒い巳さんの奥さんです。
主人の所へ行きたいが・・・、主人を助けに行きたいが行かれない状況を見せて頂きました。
物干し竿に巻き付き、尋常ではない顔のものは、この奥さんの巳さんだったのでしょう。
益々明日の祈祷の重要性を感じました。
現地に着き、鳴釜の準備を終えました。
何か・・・、この家に来ている邪を感じますので、
私、「地神さん、これ、此処の奥さんのお母さんが信仰しているものから来ているものと思うが・・・、どうしましょう。最初の釜で消しましょうか?」、と聞いてみました。
妻、「「この家の中までは入って来れないから、気にしなくて良い」、と言ってるわ」、と言います。
私、「・・・殺生された巳神さん、お姿を見せてください」。
妻、「真っ黒で、胴体が切られた巳さんが、やはりどす黒い血の中に出て来てあったわ」。
私、「奥さんの巳神さん、出てください」。
妻、「出て来てあったけど、黒い巳さんの近くには行けないみたい」。
私、「大変やったな・・・。釜焚いて、あんたらを元の夫婦の形に戻させて頂くから、ちょっと待ってな」。
私、「あんたを殺した人を憎む気持ち、あんたの辛さ、皆、釜で消して、本来の神霊の本分の形に戻させて頂くから、ちょっと待ってな」。
私、「チビは?」。
妻、「見えない」。
私、「ややこしいから・・・、隠したんやろ」。
「謹み敬って・・・・・・・・・・・・・、不条理な迷惑をおかけした事・・・・・・・・、御許し願いたく、畏み、恐みも申し上げます」。
二体の夫婦の巳神様は、離れ離れの恰好で出ています。
「身滌大祓」、「大元造化三神報恩之祈詞」、「龍神祝詞」、を上げます。
私、「巳さんは・・・、どんな様子や?」。
妻、「こっちを向いてるわ」。
コンロに火をつけます。
「観音経」、「延命十句観音経」、を上げます。
湯が沸騰して来ます。
洗い米を入れます。
釜は何とも言えない・・・種類の音?で鳴り出しました。
私、「楽になるで・・・・・」、と言い、「身滌大祓」、を上げます。
「龍神祝詞」、を上げます。
ある真言を唱えます。
音は段々と小さくなり、消えて行きました。
私、「どや?」。
妻、「鳴ってる途中で、黒い色から真っ白な色になったし、体の傷も無くなって、綺麗な巳さんになったわ。奥さんの巳さんと向かい合ってるわ」、「巳さんの下は綺麗な水になったわ」、と言います。
私、「そうか・・・、良かった・・・・」。
私、「巳神さん、長い間、大変やったな・・・・。もうどうも無いか?。不都合な事は無いか?。まあ、あんたを殺生した人はもう死んでるやろし・・・、これはからあんたらもどうするのかは知らんが、この事だけは知っていて欲しい。今回、あんたらを釜でこの様な形にさせて頂いたが、このきっかけを作ってくれたのは○○さんやからな・・・・・。それだけは忘れんといて欲しい。あんたらの・・・、まあ・・・、恩人やからな・・・。それで話しやが・・・」。
私、「地神さん(私の方の)、この巳さん、声に出さずに喋っても通じますか?」。
妻、「通じないらしい」。
私、「そしたら地神さん、地神さんから言ってください」。
(声に出さず)、
私、「あんたら、この後、この○○さんを守ってやってくれへんか?。この夫婦、守ってやってくれへんか?。子供も欲しいと言われているが、あんた、出来るやろ?。神霊やから出来るやろ?」。
妻、「二体で此方を向いてうなずいてあったわ。何聞いたん?」。
(声に出して)、
私「地神さん(私の方の)、腕白やな?。そうやな・・・、腕白やな?」。
妻、「地神さん、うなずいてあったわ」、と言います。
私、「頼むな・・・。守ってやってよ。頼むで・・・」。
この事をこの家の方に話すと、「祀ります」、と言われます。
私、「○○家の地神さん、この家の方がお祀りしたいと言われているが・・・、まだ若いし・・・、祀るといっても正式な形ではなく、コップにお酒を入れて、卵を置いて、簡素に祀る形になるが、それでも良いか?」。
妻、「良いと言ってるわ」。
私、「そうか、有難う。ところでお祀りする場所は何処でも良いな?」。
妻、「何処でも良いと言ってるわ」。
巳神様というのは稲荷様と違い、お祀りする場所や方角は余り気にする事も無く、簡単に決まります。
私、「ところでチビは?。チビ出ておいで」。
妻、「走り周ってるわ」、と言います。
どうやら、祈祷が終わるまで出て来ない様に、お母さんに言われていた様です。
しかし、巳神という神霊の夫婦愛には感動するものがあります。
この方は直ぐに棚を作り、其処にお酒などを置き、お祀りされました。
あれから2カ月が経ちますが、この方は祈祷後、直ぐに職場に復帰され、毎日仕事に行かれているそうです。
後は・・・、腕白だけです・・・・。
その内・・・、大丈夫です。
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