蛟(みずち)・・・2
5年ほど前に中古の一戸建てを購入し、そして、その家に引っ越した時から変な物音がしたり、足音が聞こえたりすると言われます。
小さい娘さんが、「この家には獅子舞が居る、前に家に戻りたい」、と泣き叫んだりすると言われます。
近くの霊能者に相談すると、家相が最悪で土地の四隅や階段に塩を置くように言われたり、別の方に相談すると水晶を置きなさいと言われその様にしたら大分ましになったと思うが、娘さんがまだ人の気配がして怖いと言われるそうです。
そしてこの方がお風呂に入っていた時、閉まっている窓の方から突風が入って来て、その風は直ぐに窓の方に抜け出して行ったと言われます。
そして風呂から上がり気がついてみると、首が切れていたと言われます。
この方は、家相が最悪という様なものではなく、他にもっと大きな原因がある様な気がすると言われます。
この家の方が言われる様に、そんな単純なものではないことが直ぐに解ります。
家相が悪いとか、塩を置くとか、水晶を置くとかのレベルではなく、この一帯の土地の形状、歴史などが関わっている様に感じました。
この土地は直ぐ横に中国道が通っていますので、祈祷の折にはよく通っています。
そして元は山を切り開き住宅地になっており、その下にはダムがあります。
その切り開いて住宅地になっている土地にも、池が残っています。
此方の巳神様に頼み、この家に何が原因でこの様な事が起こっているのかを聞いてみました。
私、「地神さん、この家、何が入っていますか」。
妻、「トカゲ・・?。ヤモリ・・・?。イグアナ・・・?、顔が・・・・蛇?、の様なものが、歩いて来たわ」、と言います。
あ・・・・・、やっぱり・・・・、と思いました。
私、「あんた、この家で何をしてるんや?。この家の人に悪さをしたらあかんやないか。ところで、もう少し近くに来てみ」。
妻、「のそのそと歩いて来たわ」。
私、「あんた・・・」、と言いかけると、
妻、「大きな顔で目をむいたわ」、と言います。
私、「ちょっと聞くが、あんた、昔からこの土地に居たものやな?。そうやったら舌を出してみ」。
妻、「出したわ。べろ〜んと出したわ」。
私、「ところで、地神さんはどんな表情で見てる?」。
妻、「地神さんの姿がぼやけているわ」、と言います。
これで全てが解りました。
全て解りましたが・・・・・、さて、私達に出来る事はと考えたのですが・・・・・・。
私、「あんた、聞くが、何にでも、何の形にでもなれるな?。獅子になってみ」、と言いました。
妻「獅子舞の獅子の様な顔になったわ」、と言います。
それからです、
私、「あんた狐になってみ。あんたお化けになってみ。あんた蛇になってみ。あんた水になってみ。あんた山になってみ。あんた・・・・・・・・・」。
此方が言うもの、全てにそれらしき形を見せます。
あ・・・・、これは下手に対処するもの、対処出来るものではないなと思いました。
私、「あんた、昔からその土地の居るところ、人間が山を開いて宅地にして、あんたが居る場所の上に家を建てたんやな?。あんたとしても迷惑な話やな・・・・」、と話かけました。
しかしどう返事をさせて頂いたら良いのか・・・・、迷いました。
私、「あんた、私達はあんたをどうこする考えはない。其処に行って、あんたに対しどうするという気は全くない。今日はこれで帰ってください」、と伝えました。
妻、「嬉しそうな顔にかわったわ。ゆっくり歩いて帰ったわ」、と言います。
私、「地神さん、このもの、祈祷でどうこうするものではないと思います。そうならはっきりとしたお姿に戻ってください」。
妻、「はっきりしたわ」、と言います。
さあ・・・、この家の方にどう説明したら良いのか・・・。家を買うというのは、大概の方には一生に一度の大仕事です。
ましてや若い夫婦が借金をして・・・・・、今さらこの土地には祓いきれないものが居るので、家を売って他に引っ越した方が良いですとも言えません。(勿論、相当前、絶対家を売って引っ越ししてくださいと進言した事がありました。此処は宮地が関係しますので、その様に進言させて頂いた事を覚えています)
しかしこの家の方には一つだけはっきりとお伝えしておかなければならない事があります。
それはこの先、何が有ろうとも、絶対この家にこの領域の者を入れて、祓いの儀式の様な事はしてはいけないという事です。
2日後、この四足を呼んで再度話をしようと思ったのですが、いくら呼んでも姿が出ませんでした。
私、「地神さん、この家の土地に居る神霊は大きく、厚く、私達が普段対処する対象ではない、対処出来るものではない、何か次元の違う所の存在と観ます。そして、ある意味、神霊と観ます。地神さん、このものに地神さんの方から、もう人間の怖がる様な行為はしない様に、人間の前に姿を見せない様に言ってください。そして此方も、この先、絶対に祓いの様な行為、嫌がる行為はしないので、この土地に居らせて欲しい旨、このものにお伝えください」、と頼みました。
妻、「地神さん、良い顔でうなずいてあったわ」。
私、「地神さん、若い夫婦が苦労して手に入れた家やからな・・、このからもずっと居られる様に頼んでください」。
妻、「解ったと言ってるわ」、と言います。
後日、この家の方と電話で話し、説明させて頂きました。
@今家が建っている土地には昔から、多分、蛟(みずち)と呼ばれる存在が居た。其処に家を建てた。
Aこの蛟(みずち)という存在に関しては、先ず、この領域の者でも解る者は居ないし、太刀打ち出来るものでもない。ある意味の神霊と観る。。
B土地に居る存在には、もう姿を見せない様に伝えてあるので大丈夫だと思う。
Cそして、土地の何処でも良いので、偶にはコップにお酒を入れて置いてください。
D絶対にこの領域の者を入れて、何らかの儀式の様な事はしない様に。
E多分、これから先、家の守り神に近い存在になると思う。
以上の事を説明させて頂きました。
そして首を切られた形状について、
私、「首を切られた時つけられたのは、何か鋭い爪の様なものでかかれた様な傷でしたか」、と尋ねてみると、「丁度そんな傷でしたと言われます」。
四足の動物の爪です。
此方の巳神様には、
私、「この存在は蛟(みずち)と呼ばれるものですか?」、と尋ねたのですが、
妻、「だま〜とってやわ」、と言います。
まあ、この様な存在も居るという事です。
しかし、地神様のお姿が、「ぼやける」、という現象は、とてつのないものを持つ存在である事を経験上知っています。
この領域の者が身辺ともおかしく、不幸な生活を余儀なくされる方が多いのは、知らずにこの様な存在と縁を持ち、侵してはいけない所まで踏み込んだ事が有るのかも知れません。
そして、この方の前に住んでいた住人も、何か分からないものの恐怖を感じたので、この家を売りに出されたのかも知れません。
中古住宅を購入する時は注意を要する物件も有るという事なのでしょう。
兎に角この家の方には、この先、絶対この領域の者は入れないという事は、しつこく言わせて頂きました。
蛟(みずち)とは、本来龍の一種を表す漢字である。
蛟(みずち)とは、水中に住み、蛇に似て四足がある想像上の動物である。
と、ある。
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