鳴釜神事の実際と考察  14

鳴釜神事の実際と考察
今回は、庭に有る御社の神様を整理し、その後、この会社の内容がマスコミや書物で取り上げられ、急に事業が忙しくなった例です。


 今回は、この回の祈祷後に少し日にちをおいて、もう一回祈祷を行いました。

 京都に有る伝統工芸の会社の社長の実家には、先代の社長がお祀りした、伏見稲荷の立派な御社が庭に有ります。先代の社長は、神祭りが好きな方だった様です。

 実家を壊す事になりましたので、庭に祭られた伏見稲荷様を、会社の方に移転させたい旨の祈祷依頼でした。

 電話で依頼を受けた時に、どの様な伏見稲荷様が鎮座されているのか、此方の巳神に頼んで呼んでもらいました。立派な強そうな、白い御稲荷様が一体、姿を見せました。正式に勧請された稲荷様です。

 祈祷の当日、先ず会社に寄りますと、白い大きな蛇が姿を見せます。私は社長に、この会社の敷地には地神様が居ますよ、相当力の有る神様ですよ、と告げ、実家の場所を教えてもらい、先を急ぎました。

 鳴釜の準備を整え、庭の御社に鎮座する伏見稲荷様を呼んでみました。強そうな稲荷様が姿を見せます。

 今回の祈祷の主旨を述べました。

 私の横で、霊視している妻が、「伏見稲荷様だけではなく、まだ二体程、稲荷様が出てるよ」、と言います。「その他にも、形ははっきりしないけど、御社の周りに沢山出てるよ」、と言います。

 私は家人に、御社を開けて、中を見て宜しいですか、と言い、扉を開けてみました。

 大きな御社ですが、その中にぎっしりと御札が詰っています。これではっきりしました。

 先代の社長は、仕事が暇になるとその都度、いろんな神社の神主さんに家に来てもらい、神様を御祭りしていたという事です。

 今回は、伏見稲荷様だけを残し、他は全て、元の所に帰っていただきました。

 伏見稲荷様には、今日から会社の方に御祭りする旨を告げました。


帰りに会社に寄り、伏見稲荷様を御祭りする場所を、伏見稲荷様の意見を聞き、決めました。

 その後は冒頭でも書きましたが、新規に職人さんを何人か入れましたが、それでもまだ足りない位の盛況です。

(余談ですが、壊される家には井戸が有り、その井戸には水神様(巳神)が居ましたので、今は社長の妹さんの所で、お祭りされています)


  (半年後、会社の方で地神様勧請の為、祈祷を行いました)

 この会社は、相変わらず繁盛しています。この前より又何人か人が増えています。社長さんは従業員を連れて、首都圏のデパートでの販売に忙しそうです。

 今回の地神様勧請も、今よりも、より事業が栄える為のものです。

 今回は、鳴釜の神事を二回行います。一つは、伏見稲荷様に対し、商売繁盛の御礼と、地神様勧請の御断りの為です。

 先ず、伏見稲荷様の御社の前に釜を置き、今までの御加護に感謝し、地神様の勧請の許しを得、地神様勧請後も、地神様と力を合わせて、この会社の繁栄を頼みました。

 先ず、この家の伏見稲荷様を呼びます。中央に二体の稲荷様が姿を見せます。

 そして、何時も、私の呼びかけに対し駆けつけてくださる伏見稲荷眷属神白狐様を呼びます。この神様は、他の神様とは違い、少し青味がかった色で、長い毛をしています。

 私は、伏見稲荷眷属神白狐様に、伏見稲荷の他の神様も沢山呼んでください、と頼みました。霊視している妻が、「伏見稲荷の神様が沢山来てるわ、二列に並んで、数は分からない程きてる」と言います。

 有り難い事です。

 私は、伏見稲荷の神様、今から釜を焚きますので見ていてください、と言いました。

 霊視している妻が、「釜を焚きますから見ていてください、と言うと、列が少し乱れて、並んでいる稲荷様が前に出ようとした時、一番前の白狐様が、威厳を持って、前足で後ろの稲荷様を制した」と言います。

 釜に火を入れ、湯が沸騰して来ると、並んでいる稲荷様方も興奮している様です。洗い米を入れます。この場合は、当然釜は大きな音で鳴ります。

 私は、この家の稲荷様に、これからも、この会社の仕事の繁盛を頼み、これからこの会社はどうなるのか、形で見せてくれる様に頼みました。

 稲荷様の周りや、御社にかけて炎が上がりました。

 商売繁盛と取ります。



 次に、地神様の勧請に移りますが、その前に地神様をお祀りする場所の問題です。家の方は伏見稲荷様の横が開いていますので、そこでお祀りしたいと言われます。

 私は稲荷様に、この横が開いていますが、横に祀らせてもらっても宜しいでしょうか、と聞きました。

 すると、「横はあかん」「違う部屋で祀れ」と言われます。

 直ぐ横の部屋に、お祀りする場所が有りましたので、稲荷様と向き合わない方向を向け、場所を決めました。

 この家の巳神を出し、此処でお祀りさせてもらって宜しいですか、と聞きますと、異議は無い、と言われます。

 この御社で宜しいですか、と聞きますと、それで良い、と言われます。
 (前回の祈祷の少し後に、京都での祈祷の機会が有りましたので、帰りにこの会社に寄らせて頂いた時、すでに社長さんが御社を用意されていましたが、その御社では小さすぎる、と巳神が言われたので、今回新たに御社を用意されていました)

 祝詞を上げ、勧請の言葉を述べ、最後に「お入りください」と言います。

 今まで御社の近くに居た巳神(二体)が、お姿に入って行きます。
(素人の方や、この領域に気触れている方は、依代を置けば、自然に神霊が入って行くと勘違いされますが、正統な神霊は、此方が言わない限りは動きません)

 話が前後しますが、地神様勧請の折に、横の部屋の伏見稲荷様もお呼びして、一緒に見ていてくださいよ、と言いました。

 稲荷様が二体、姿を出しましたが、小さく、稲荷社の前に置く、焼き物の姿です。

 
 釜は当然大きな音で鳴り響きます。



 縁が有り、神様を勧請させていただくのは、大変光栄であり、気持ちの良いものです。

 
 地神様勧請の途中で、私に入っている巳神が、「鬼門を清め」「鬼門や」と何回も言います。この会社の鬼門は、今まで何回もそこに立っていますが、その時は何も感じませんでした。社長の妹さんの仕事部屋がその斜め上ですので、何か異常は無いですか、と聞きますと、霊的に敏感な妹さんが、「下から天井にかけ、もやっとしたものが感じられ、頻繁に音が鳴る」、と言われます。社長さんも、「この家は昔から、度々音が鳴り、誰も居ないのに、人気を感じる時が度々有る」、と言われます。

 この会社の鬼門は、少し前までは、この場所で仕事に使う刃物の砥ぎを行っていた場所です。何も支障は有りません。

 今回この場所で手を合わせてみると、私の左手の全ての指の第二関節から上が、痛くなって来ます。相当な痛みです。この前は何も感じなかったのですが、今回はひどいです。

 後ろに妻を立たせ、此方の巳神に、この場所の障りを見せてくれる様に頼みました。

 霊視している妻が、「鉤(かぎ)の様な物が沢山出ている」「黒い、もやっとした物が出て来た」、と言います。

 私は家の人に、この地はその昔、どんな土地だったか分かりますか、と尋ねると、社長さんが、横の家の工事の時に、墓石が沢山出て来た、と言われます。

 この会社の三軒隣は、○本願寺です。

 その昔、この辺一帯は、墓地だった様です。宗旨は分かりませんが。

 私は沢山の仏さんに、「今からお経を上げるから、成仏しいよ」、と言ってお経を上げ始めると、霊視している妻が、「いっぱい来てるわ」と言います。

 私は最初、横が○本願寺なので、阿弥陀経を上げていました。しかし、これで上に上がる仏さんは少ない様に思えます。真宗系ではなさそうです。

 観音経を上げて見ました。そうするとどんどん上に上がって行きます。しかし相当な数です。

 私は、これは私一人の力では無理が有ると思いましたので、私の先祖の1800年代のお坊さんに、「私一人では無理ですので、ちょっと出て来て、一緒にお経を上げてください」と念じました。

 そうすると、霊視している妻が、「白く光った男の人が出て来たわ」「光ってるわ」と言います。

 私は、「それは、坊さんや、先祖の坊さんや、今呼んだんや、俺一人では無理やから」「こんな沢山、一人では無理や」「御先祖のお坊さん、一緒に上げてください」、と頼みました。

 妻が、「ヒューと、どんどん上がって行くわ」、と言います。

 相当の数が上に上がりました。しかし全てでは有りません。しかし見えるものは、上げました。

 これだけ上げたなら、以前よりは、少しはましになるでしょう。

 

 これで今回の祈祷は終わりました。

 全て、今まで以上に、良い方向に行くでしょう。

 最後に社長の奥さんが、「稲荷様の世話をするのは殆んど私ですが、この度、実家の方で不幸が有ったのですが、少しの期間、私が世話をしない方が宜しいですか」、と聞かれましたので、私は良いと思いますが、一度稲荷様に聞いてみます、と答え、稲荷様にその旨を伝えました。

 すると稲荷様は、


 そっぽを向いています。

 駄目だ、という意味です。

 この会社はこれから先、飛躍的に伸びて行くと、確信しました。