細野晴臣 ― HOSONO HOUSE レビュー
大御所・細野晴臣の若き時代が詰まったファースト・アルバム『HOSONO HOUSE』。 自宅録音ならではの暖かさ、独特の詞世界、そしてティン・パン・アレーの精鋭が支える珠玉の作品だ。
『HOSONO HOUSE』収録曲
- 1. ろっか・ばい・まい・べいびい
- 2. ぼくはちょっと
- 3. CHOO-CHOO ガタゴト
- 4. 終わりの季節
- 5. 冬越え
- 6. パーティー(作詞:鈴木りょうこ・中山康史)
- 7. 福は内鬼は外
- 8. 住所不定無職低収入
- 9. 恋は桃色
- 10. 薔薇と野獣
- 11. 相合傘(前奏のみ別バージョン使用のためと思われる)
このアルバムは、はっぴいえんど解散後に制作された作品だが、鈴木茂がギターで参加し、 さらにティン・パン・アレーの林立夫、松任谷正隆も加わるという豪華な布陣。
自宅録音で、音の「ぬくもり」や「木の反響」を出したかったという細野氏。 16トラックの録音機材を使ったにも関わらず、全体はシンプルで温かいサウンドに仕上がっている。
はっぴいえんどのラストアルバムで鈴木茂の曲が増えたのは、 細野晴臣と大滝詠一のソロ制作が影響したと言われるが、実際のところはどうなのだろうか。
細野晴臣の「詞」の世界
このアルバムの特徴のひとつは、細野氏自身による独特の作詞。 松本隆の作詞とはまったく違う、素朴でありながら不思議なフレーズが並ぶ。
「CHOO-CHOO ガタゴト」「住所不定無職低収入」「福は内鬼は外」「恋は桃色」…… 一度聞いたら忘れないワードが満載だ。
好きな曲
全曲好きだが、特に気に入っているのは 「ぼくはちょっと」、「冬越え」、そして 「恋は桃色」。
若き才能の集結と、細野晴臣の“ベース”
演奏陣は後の日本音楽を支えたメンバーばかりで、若くても抜群に上手い。 そこに細野氏のセンスが際立つベースが重なる。
大滝詠一も「あの音楽は細野のベースがなければ成り立たなかった」と絶賛しているほどだ。
シンプルな構成でも音が映えるのは、このメンバーを束ねた細野氏の力量あってこそ。 聞いていて優しく、温かく、そして深い―― 自分にとっても長く手放せないアルバムである。