ストックホルム(Stockholm)


王宮(Royal Palace)



朝4時、ピッキーの目覚まし時計のアラームが鳴った。

Pi-子:おはよ、目覚まし時計なんか持ってきてたんだ。
ピッキー:うん、寝坊したら困るからね。
Pi-子:昨晩はよく寝れたみたいだね。
ピッキー:寝袋は暖かくてけっこう快適だったじゃん。Pi-子はよく寝れなかったみだいだけど・・・夜中にバタバタ していたので1回だけ起きた。

1回だけじゃないよっ!

ピッキーは寝袋の足元に入れておいた上着を着て、トナカイの皮の間にはさんでおいたコートを素早く羽織った。
Pi-子:私は寒いからトイレで着替えるよ。
寝袋から出ると、着替えを手に持ち、ダウンだけ羽織ってトイレへ行く。

さすがにこの時間じゃ誰もいないだろう・・・と思ったら、先客が一人いた。
おばちゃん:Good-Morning・・・今、何時か分かる?
Pi-子:あ、Good-Morning。今は4時過ぎですよ。
おばちゃん:なんでこんな早い時間に起きてるの?
Pi-子:
(おばちゃんもね、と思いつつ)空港に行かなければいけなくて。 6時5分発ストックホルム行きの飛行機に乗る予定なの。
おばちゃん:そう・・・たいへんね。

おばちゃんもよく寝られなかったんだろうか・・・時間があったらもう少し聞けたのだが、早く身支度をしてしなければ。
遅くても5時には空港にいなければいけないのだから。

身支度を終えてロッカールームへ行くとピッキーが待っていた。
Pi-子:貴ちゃんと妙ちゃんはまだ?大丈夫かな。
ピッキー:大丈夫でしょ。今、係の人が起こしに行ったから。
Pi-子:ふ〜ん・・・ところで、ここ暖かいからかな?なんとなくトナカイの臭いがする。
ピッキー:そう?俺は何にも感じないけど。


少しして貴ちゃんと妙ちゃんがやって来て、あわただしく空港へ。
もう少し時間があったら係の人が温かいリンゴン(こけもも)のジュースを持ってきて起こしてくれて、サウナで温まってからチェックアウト ができるんだけど・・・しようがないね。
でも、これじゃ余韻もなにもないな〜・・・。

空港へ到着。チェックインをすませて飛行機への搭乗を待つだけ・・・夕べはほとんど寝ていないので暖かい所へ入るとすぐにまぶたを閉じてしまう。
貴ちゃん:なんだかあっという間でしたね。結局オーロラも見れなくて・・・今から次回はどこへ行こうか考えてますよ。カナダもいいかな。
Pi-子:そうだね〜、私はアイスランドなんかもいいな〜って思ってるけど。
ピッキー:搭乗時間遅れてるみたいだから、俺、トイレに行ってくる。
Pi-子:行ってらっしゃい。貴ちゃんたちはよく眠れた?
貴ちゃん:私はよく眠れたけど、妙ちゃんは眠れなかったみたい。

確かに妙ちゃんもすごく眠そう。彼女の場合、カゼぎみということもあるのかもしれない。

ピッキー:あっ、ちょうど搭乗開始したみたいだ。
ピッキーが絶妙なタイミングで戻ってきた。

Pi-子:・・・あれ?なんかまた動物の毛皮の臭いがしない?
ピッキー:そうかぁ?そこに熊の剥製とか置いてあるからかな?


確かに待合室の入り口に熊の剥製があったけど・・・さっきまではあまり臭いがしなかったんだけどな。
Pi-子:毛皮着てる人も何人かいるし、誰かの荷物の中に毛皮でも入ってるのかもね。
あまり深いことは考えずに飛行機へ乗り込む。



アーランダ・エクスプレス
飛行機は1時間半でストックホルムへ到着。
ここから、さらにコペンハーゲンまで行き、そこで日本行きの飛行期に乗る予定なのだけど、次のコペンハーゲン行きの飛行機が出るのは13:40。
9時ちょい前だから・・・4時間半ぐらいの時間があるわけだ。

もちろんストックホルムの街へGO!

空港から街の中央(その名も"Central Station")まではアーランダ・エクスプレスという電車が運行しており、20分ぐらいで行けてしまう。
そう考えると、やっぱり成田って不便なのね。

数日間、スウェーデンの田舎まわりをしていたので、中央駅から出て思ったことはやはり
「都会だな〜、ビルがいっぱいある!」と「寒いっ!」ということ。
北極圏外に来たのだから、暖かいかと思っていたらそうでもなかった。
そういえばユッカスヤルビの氷のホテルのガイドさんが「今年は異常気象でスウェーデンの南の方が寒い」って言ってたっけ。

ピッキー:貴ちゃんと妙ちゃんとははぐれちゃったな・・・どこへ行く?
Pi-子:空港へは12時半に戻るとすると3時間か・・・時間がありそでないな。手始めに王宮へ行ってみようか。


王宮までは中央駅から徒歩で約10〜15分。
ヨーロッパの街って、昔ながらの建物をそのまま使って内装だけ変えて使っていることが多く、ストックホルムも同様。
海外旅行初めてのピッキーは西洋の時代物映画とか「ハウス名作劇場」(ハイジとか、小公女セーラとか)に出てくるような光景に感激しながら歩いている。
・・・完全におのぼりさんだな。
Parliament 国会

ピッキー:Pi-子、この建物何?かっこいいよっ!
Pi-子:ちょっと待って・・・地図には"Parliament"って書いてある。
ピッキー:"パーラメント"って何?
Pi-子:国会。・・・確かにこの国会はかっこいいね。


国会から橋を越えると王宮があった。
スウェーデンの王宮はガルム・スタン(Gamla Stan)島という川の中洲に位置しているので”水の上に浮かぶ街”とか”北欧のベネチア”と呼ばれています。
ガルム・スタンは小さな島ですが、ここがストックホルム発祥の地だそうです。

Pi-子:国王一家のお住まいになってるんだそうで・・・国旗が上がってるってことは在宅(?)中なんだろうね。
ピッキー:ふ〜ん、日本の皇居と比べてずいぶん無防備だね。
Pi-子:開かれた王室・・・なのかね?スウェーデンの王室事情はよく分からないけど。


この時の外気温は−4度。
気温としては昨日の氷のホテルと変わらないんだけど、海風が吹いているせいか、寒く感じる。

Pi-子:今何時?
ピッキー:もうすぐ10時。
Pi-子:NK(エヌ・コー)へ行ってお土産でも物色して暖をとろうか。

NK(エヌ・コー)とは1902年創業のストックホルム最大の老舗の高級デパートです。

NKへ行ってみると、開店はまだだったようで、数人の人がお店の入り口で待っていた。
どう見ても10代だろ?って女の子が数人いたんだけど・・・学校はどうなってるんでしょうか?

開店と同時に入店するが、日本のように店員さんがずらっと並んで「いらっしゃいませ」ってのはなし。
みんな、めいめいにオープンの準備なんかしてる。
高級デパートでもこうなんだね。日本がサービス過剰なのかな?

デパートへ入ったら、まずカフェへ。
だって寒くて冷えちゃったんだもん。

Pi-子は一応、カロリーを気にして紅茶とクッキー。ピッキーは紅茶とケーキを注文した。
スウェーデンでカフェに入って紅茶をオーダーするとティーバックごと出てきて味気な〜い、と思ってたけど、高級デパートも例外ではなくティーバックだった。

Pi-子:甘そうだよ、ケーキ。一般的に海外のケーキでめちゃくちゃ甘いから。
ピッキー:そうかもしれないけど目が欲しがっちゃったんだもん。
Pi-子:あ、食べる前に写真撮る、その一輪挿しいい感じだけど奥にずらして。
(nogiみたい)
ピッキー:ダメ。これ、真ん中で固定されてる。
Pi-子:しょうがない、このまま撮るか。パシャ

しかし、よく考えてみたらトレイからおろして写真撮ればよかったわけだけど・・・

このお茶の値段は2人分、合計90SEK(¥1,298)うち25%は消費税でした。

暖まったし栄養も補給したので、お土産の探索に。
地下1階にお土産と食器など日用品の売り場があります。老舗高級デパートだけにお高めですが・・・

この後、中央駅への帰り道の途中、「デザイン・トリエ (Design Torget)」(Kulturhuset 文化会館地下1F)にも立ち寄る。
日用品の販売しているお店ですが、スウェーデン人デザイナー達が作品を販売する場にもなっていておしゃれなお店です。
値段もNKに比べればお手頃です。

時間になったのでアーランダ・エクスプレスで空港へ戻る。

Pi-子:あ、そうだ。会社へのお土産忘れてた。まだ時間あるよね?
ピッキー:時間は大丈夫。俺も買わなきゃ。
Pi-子:じゃ、搭乗口の所で待ち合わせしよう。
ピッキー:うん。分かった。


こうしてピッキーと離れてお土産散策。
ヨーロッパはあまりチョコに外れがないから、予算で決めてしまおうかな・・・と・・・おおっ
変なチョコを発見してしまいました。
その名も"Geisya(芸者)"

有名なチョコメーカー、FAZER(ファッツェル社)のものだからおいしいと思うんだけど・・・。
ウケ狙いで会社のお土産はこれに決定!
(残念ながら写真を撮り忘れてしまいました)

その後もお土産屋さんをふらふらしながら、搭乗口へ。

Pi-子:ピッキー、見て、このチョコ"Geisya(芸者)"だって。
・・・あれ?また動物の毛皮の臭いが・・・

ピッキー:変なもん買うな〜。俺も見たけど「これだけはやめよう」って思ったよ。
ピッキーと離れて、また会った時にいつもこの臭いがするような気がする。

ピッキー:しかし免税店はいいな。消費税25%取られないもんね。
くん、くん、くん・・・
ピッキーの肩口に鼻をあて、臭いをかいでみると・・・やっぱり・・・

めちゃめちゃトナカイの臭いがするんですけど

Pi-子:分かった、ピッキーがトナカイ臭いっ!!
ピッキー:えっ、俺は何も臭わないよ。


たぶん臭いって鼻が慣れちゃうから本人には分からないんだよ。
Pi-子もピッキーといる時は気がつかないけど、離れてまた会った時に気づくもの。

まだスウェーデンにいる時はいい(香水をつけている人が多いから)問題は日本に着いてから

成田空港から一緒に帰るのヤだよ〜

・・・しかも家まで一緒だ。

帰ったら早めにお風呂に入れて、洗濯してしまおう・・・

(Pi-子)