ティンタンジェル(Tintangel)


ティンタンジェル

5月10日(土)
今日は学校の日帰りツアーに参加するので早起き、早起き。
授業じゃないと早起きできるのはなぜだろう・・・。

今日の行き先はティンタンジェル城。
ティンタンジェル城というのは「円卓の騎士(Kights of Round Table)」で有名な伝説のアーサー王(King Arthur)のゆかりの地、 アーサー王が生まれた場所とされており、アーサー王とは・・・

実は「アーサー王伝説」ってよく分からないんだよね。
アーサー王絡みのものは「王様の剣」っていうディズニーー映画を1度見ただけだし、はっきり言ってよく分かってません。
こなつちゃんがここに来たいって言っていたような気がするから自慢話のタネに行ってみようかな〜と思っただけで・・・。

学校に着くとヒロコとミアがいた。
ヒロコ:Pi-子、おはよう!
ミア:おはよう
Pi-子:あ、ヒロコにミア、おはよう。2人とも今日はティンタンジェル?
ヒロコ:うん。Pi-子も・・・でしょ?
Pi-子:そうそう。


ナタリー:おはよう!Pi-子。
ナタリーとそのご主人登場。
Pi-子:おはよう。今日は天気がよくてよかったね。
ここ数日、ずっと天気が悪かったので本当によかった。
今日は1〜2時間のウォーキングが予定されているので天気が悪いと最悪。

キウシック:でも、ここはイングランドだよ。天気がとても変わり易いんだ。
Pi-子:うん。それも心配なんだけど・・・げっ、キウシック!あんたもティンタンジェル?
キウシック:もちろんさ。ボクはアーサー王伝説にとても興味があるんだ。基本的にファンタジーが好きだから。 「ロード・オブ・ザ・リング」も大好きなんだ。

それは私も好きだが・・・(こいつ、こなつちゃんとは話が合うかも)

キウシック:オタク、アーサー王についてはどこまで知ってる?
Pi-子:それは、あまりよく知らない。
キウシック:説明してあげようか?
Pi-子:いらない。おまえの説明長くてよく分かんないだもん。

・・・という人の言葉をよく聞かずにバスの中で説明を始めるキウシック。


アーサー王伝説(キウシックの言うことは長くてウザイので、かなり省略します)
    アーサー王はコーンウォール領主ゴルロイスの妻イグレーヌとイングランド王ウーサーの間に出来た、いわば不義の子供。
    ウーサーの不倫の手助けをした魔法使いマーリンに育てられた。
    少年になったアーサーは「石に刺さった剣を引き抜いた者が次の王になる」といわれる誰一人として抜くことができなかった剣(聖剣エクスカリバー) を引き抜いて、王として認められることになった。

    やがて王となったアーサーは円卓を囲んだ騎士たちと一致団結してブリテンを統一する。(「円卓」は「平和」の象徴)

    しかし、平穏な日々は長くは続かなかった
    円卓の騎士の一人、最も忠実で信頼していたラーンスロットとアーサー王妃グウィネヴィアが許されざる関係に・・・(要は不倫だよ)
    これを契機に円卓の騎士団は崩壊、ラーンスロットは王国から追放となる。

    その後、甥のモルドレッド(実は王の息子。アーサー王とその異父姉モルゴースの間に生まれた不義の子)が内戦を引き起こす。
    アーサー王は激しい戦いの中、モードレットを倒すものの、瀕死の重傷を負い、その傷を癒すために湖の妖精たちによってアヴァロン島 に運ばれていったのでありました。


・・・・・・戦いに不倫に忙しそうな物語だなぁ・・・(^_^;



ティンタンジェルに到着。
バスを降りて少し歩くとお城チックな建物(左写真)が見えた。
Pi-子:あれがティンタンジェル城?(もちろん復元だと思うが)
キウシック:バカだなぁ、Pi-子。ティンタンジェルは廃墟の城跡だよ。
こいつにバカと言われたくない!(`m´#)

運転手:あれは"キャメロット城ホテル"という有名なホテルだよ。
キウシック:"キャメロット城"っていうのはアーサー王の居城だったと言われていて・・・

ああ、ウザいなぁ・・・めんどくさいので、聞いているフリして無視する。

一行はキャメロット城ホテルの横を抜けて風光明媚&断崖絶壁が広がる丘陵に連れてこられた。
運転手:皆さんお待ちかねのウォーキング・タイムだよ。ここから海沿いに"ボスキャッスル(Boscastle)" という街まで歩きます・・・が、距離が長く、起伏の激しい歩道なので体力に自信のない人はバスに乗って。もっとボスキャッスルに近い 所からスタートするコースへ行くから。
ナタリー:Pi-子はどっちにする?
Pi-子:もちろん、長距離コース。
ナタリー:私たちもそうするわ。がんばりましょうね。
キウシック:うん。がんばろうね。

キウシックはどうでもいいから黙ってろ!

ウォーキング開始。
海岸に沿った"フット・パス(「ぶっとばす」ではなくfootpathね)"をみんなで黙々と歩く。
"footpath"というのは・・・なんとなく字を見て分かるかもしれないけど、まさに「足の道」、つまり「歩行者専用の道」。
"Public Footpath"はイギリス全国の自然がある所(丘陵・海・川など)に設置されていて、表示のある道ならどこでも歩くことができます。 例えそこが私有地であっても。
これは人々の"rights of way (通行の権利) "人が自由に通行できる権利を保証しているもので、ローマ時代から続いているんだそうで・・・めちゃめちゃ歴史が長いですね。

海に沿った道・・・といっても断崖絶壁なので目隠しして歩いたらかなりでんじゃらす(^_^;
そんなバカなことする人はいないでしょうが。

危ないといって、フェンスを設置しているわけではなく、何かあっても「自己責任」というヤツなんでしょう。

おかげで美しい風景を眺めることができます。

ちょっと止まって写真をパチリ

キウシック:そんなに崖の方へ行っては危ないよ、Pi-子。
と言いつつ、後ろから押すしぐさをしてるキウシック。
Pi-子:あんたのがよっぽど危ないわ!
ナタリー:Pi-子とキウシック・・・どうして友だち同士なのにいつもケンカばかりしてるの?
Pi-子:友達?それは違う。キウシックは友だちじゃなくて"Enemy(敵)"っていうのよ!
キウシック:敵・・・おもしろいね。
Pi-子:敵なんだからもっと離れて歩いてね。少なくとも半径5mは近づかないでくれる?
キウシック:イヤだね。敵の幸せは僕の不幸、敵の不幸は僕の幸せだもん。

なんてあまのじゃくなヤツ。

こんな調子で歩いていたが、途中で"Public Footpath"という表示があるのに柵で区切られている。
柵の向こうには道が続いているみたいなんだけど・・・勝手に越えて行っちゃっていいの?

・・・とPi-子が考えている横で、キウシックが勝手に柵をあけて進んでいく。
Pi-子:ここって勝手に通ちゃっていいの?
キウシック:ああ、オタクは知らないんだね。僕も本で読んだんだけど"Public Footpath"は人の土地であっても通ってよくて・・・

んなこたぁ、知ってんだよ!

キウシック:今まで通ってきた土地は仮にA氏のものとして、ここから先はB氏の土地になるんだ。
Pi-子:で?
キウシック:Pi-子も見てきたと思うけど、羊が放し飼いになっている場所があっただろ。ああゆう家畜が他人の土地 に入ったり、逃げたりしないように柵が設けられていることがあるんだ。だから最後の人は必ず柵を閉めてね。

なんでこいつが仕切ってんだ!?

その後、いくともの山(といっても小山)と谷と柵を越えて歩いていくと、入り江と小さな町が見えてきた。
終点「ボスキャッスル(Boscastle)」に到着したんだ。
キウシックに仕切られたことだけは気に入らないけど、5kmのウォーキングコースを歩き終えるとなんとも言えない爽快感があります。

この町には魔女博物館(Witchcraft Museum)という博物館があると聞いていたので、とても行ってみたかったのだけど・・・歩いたからお腹がぺこぺこ。
パブでランチをとっていたら博物館へ行く時間はなくなってしまったのでした。



ボスキャッスルからはバスでティンタンジェルに戻る。

歩くと1時間以上かかったけど、バスではほんの10分弱で着いちゃうんだよね。


町の駐車場からティタンジェル城へ向かう・・・が、これまたけっこうハード。
下りたかと思うとまた上るの〜!という道を黙々と歩く、歩く・・・と、あれ?いつの間にかティンタンジェル城を見下ろしていた。
入り口を探していたんだけど・・・ここから全景見えるんだ。(左写真)

少し休んでから下へ降りる。
人の流れに沿っていくと入り口はすぐに見つかった・・・が、入場料 Adults £2.90, Concessions(割引) £2.40。
私は現在学生だから学割で£2.40(約500円)か・・・。

上から全景見ちゃったし、アーサー王伝説マニアでもないから入らなくてもいいや。
(ティンタンジェル城に来る前にウォーキングしていたせいか、けっこう疲れてたんですよね)

アーサー王で有名なティンタンジェル城ですが、それは飽くまで伝説。
本当のところローマ時代に建てられた要塞(後になって修道院になった)だったようです。

ティンタンジェルの街に戻るとミアとヒロコがソフトクリームを片手に歩いているのが見えた。
Pi-子:ソフトクリーム、どこで買ったの?
ミア:すぐそこ。ソフトクリームの看板、見える?
Pi-子:あっ、あそこね。私も買ってこようっと。


ティンタンジェルは小さな町なのですが、アーサー王伝説があるせいかお土産屋さんとか軽食を食べられるお店は充実しているのです。

Pi-子:すみません。ソフトクリームください。
店員のお兄ちゃん:味は?
Pi-子:ええと・・・バニラをお願いします。
店員のお兄ちゃん:は?Perdon?

あれ?通じなかったみたいだ。

Pi-子:バニラ。バ・ニ・ラ Please。
店員のお兄ちゃん:?

あ、そうかバニラは "B" じゃなくて "V" だ。日本人は "B" と "V" の区別が苦手だからな。

Pi-子:ヴァニラ。ヴァニラ プリーズ。
店員のお兄ちゃん:???

まだ通じない。

Pi-子:ヴァニラ。ヴァァァ〜ニィ〜ラァ プリーズ。
店員のお兄ちゃん:・・・ごめん。分からないんだ。どれ?

そんなに発音悪いの・・・(T_T)

Pi-子:・・・その白いヤツをください。
店員のお兄ちゃん:Oh!・・・ヴァニィ〜ラァ。これのことか。はい。

バニラって "ニ" にアクセントがあるんだ。覚えておこう。(*^_^*)


Old Post Office
14世紀にマナーハウスとして建てられたのですが、1844年
から1892年まで約50年間、郵便局として使われました。
念願のソフトクリームを手に歩いていくと、古い郵便局(その名も"Old Post Office")の前でミア、ヒロコと留学生数名が輪になっていた。
みんなソフトクリームを片手に・・・。
今日は天気がよくて暑いぐらいだし、下りたり上ったりよく歩いたもの。

輪の中に入ってみんなと話しているとティンタンジェル城へ誰もいなかったようだ。・・・ま、外から丸見えだもの。オタクのキウシック以外は 入らないだろう・・・と思っていると
キウシック:やぁ、みんな。ティンタンジェル城の中へは入った?
キウシック!せっかく巻いたと思っていたのにどこから湧きやがった

キウシックの問いかけに全員首を横に振る。(Pi-子とミアは無視)
キウシック:Pi-子は入っただろうね、なんたって、日本人はお金もちだから。
ムカつく!

Pi-子:入んなかったよ。そうゆうあんたはどうなの?アーサー王伝説が好きだって言ってたじゃん
キウシック:入らなかったよ。外から見えたし。僕はお金持ちじゃないからね。

相手にするとますますムカつくので無視することにした。

帰りはキウシックと離れた席をゲットすることに成功。
これで安眠ができるというものだ。

ところで、今日、帰ってからどこかへ行かなければいけなかったような気が・・・あ、そうだ。昨日メイシーが「明日も騒ごう!」と言っていたんだ。
どうしようかな〜・・・(と考えつつ意識が遠のいていく)

バスの中で安眠したので、ホテルに帰った時は体力復活。
スピニング・ウィールへ行くが・・・そこにメイシーの姿はなかった。

(Pi-子)