St.マイケルズ・マウント&ランズ・エンド
(St.Michael's Mount & Land's End)



St.マイケルズ・マウント

4月20日(土)
5時起きです。眠いです。
しかも昨日はアキコとクラウディアが最後のレッスンの日だったので、夜はパブへ行っていって、帰ってきたのは 12時を過ぎていたというのに・・・ふぁ〜
アキコも一緒だから文句言えないな。

今日はアキコと小旅行、UKの最南西、コーンウォール州にあるセント・マイケルズ・マウントとランズ・エンド へ行くつもりなんです。
デヴォン州のお隣なのでそれほど遠くはないんじゃないかな・・・と思っていたら・・・いやいや。
ここ、ペイントンは田舎の町なので電車の本数が少ない。
しかしペイントンから本線に出ても電車の本数が少ない。
さらにSt.マイケルズ・マウントとランズ・エンドは駅の近くにあるわけではないので、最寄駅 ペンザンスからバス。これまたバスが本数が少ない。 逆算していくと早起きしなければいけなくなったわけであります。とほほ・・・
               
眠い目をこすりながらアキコと駅へ。
駅へ行くと駅員さんはいなかった・・・ここで「世界征服宣言」とお付き合いの長い方は「早起きして電車に乗れなかった」 というオチだろう・・・と思うかもしれませんが、残念でした。あわてずに車内で車掌さんから切符を購入したのでありました。

電車の中ではお約束の爆睡

終点のペンザンスに着く少し前、進行方向左側を見ていたらSt.マイケルズ・マウントが見えた。

St.マイケルズ・マウントは海岸から200〜300mぐらい離れたところにある小さな島。
なぜそんな小さな島にわざわざ来たのかというとこの島の上には修道院が建てられていたのです。
いや、建物自体は今も建っているのですが、歴史の中で修道院→要塞→お城と変わっていったので正確に いうと今では「お城」ということになってます。
ところで、島の上にポツンと建つ修道院・・・なんだかフランスにある「モン・サン・ミッシェル」を思い 出しませんか?
それもそのはず、一時期この島はフランス、モン・サン・ミッシェルのベネディクト派修道院の 所有するものであり、彼らが建てたものなのですから。
名実ともにSt.マイケルズ・マウントはモン・サン・ミッシェルの「弟分」なのです。

駅を下りると霧雨が降っていた。
Pi-子:う〜ん、天気が悪いのはイギリスだからなのか、それとも私が雨女 だからか、どっちだろ。
アキコ:えっ、雨女なの!?それを先に言ってよ〜!
Pi-子:言ったらどうしてたんだ!?


と、ぶつぶつ言いながらバス停へ行くとバスは行ってしまったばかり、次は・・・ええ〜、1時間後!?。
寒いよ〜。(((T_T)))ぶるぶる

1時間後、バスに乗ってモン・サン・ミッシェルへ到着・・・と言っても正確には到着したわけじゃない。
なぜならモン・サン・ミッシェルは小さな島の上に建てられているので、干潮時は歩いていけるってこと なんだけど・・・海に水は満ちていて、天気が悪いので波が荒い!でもって、ともかく寒いっ

Pi-子:う〜、どうやって行くんだろ。せっかくここまで来たんだから行きたいよ。
アキコ:「満潮時にはボートが出てる」ってガイドブックには書いてあるけど・・・。
Pi-子:ボート乗り場ってどこ?今日もやってるといいけど。
アキコ:あそこに観光客っぽいカップルがいるからついて行ってみようか。



カップルさんの後をついていくと、ボート乗り場へ行くことができた。
ありがとう、カップルさん。

しっかし、あのボートかい!?(右写真)
観光地だから、見た目からして「観光船」みたいなボートだと思っていただけに・・・あのボート、 カップルさんたちがいなかったら「地元の人の船だよ」って思って乗らなかったかもしれないな・・・。

波が荒かったので予想はしていたが、ボートはまるで遊園地のアトラクションのように揺れる、揺れる!
もう少し乗っていたら気持ち悪くなったな・・・絶対。

アキコ:でもこの天気でボート出してくれてただけよかったじゃん。
ごもっともです。

島に上陸し、お城までは急な石畳の坂道を登っていく。雨が降っているので、けっこうすべるんだな。
うわっ、おっとぉ!危ない、危ない。

しばらく歩いて行くと井戸を発見した。
アキコ:何・・・?"The Giant's Well (巨人の井戸)"?
Pi-子:あっ、これTV(「世界ふし○発見!」)で見たことがある!この島には巨人伝説 があって、少年ジャックがこの井戸に悪い巨人を突き落としてやっつけたんだって。
アキコ:ふ〜ん。
giant's heart Pi-子:確かもう少し先に・・・あった、あった。あれが"The Giant's Heart (巨人の心臓)!"だ。
アキコ:あの岩が巨人の心臓?でかいね。
Pi-子:・・・と思わせておいて、足元にある敷石のひとつが本当の心臓、というオチ。
(写真の○部分をクリック)
アキコ:ええっ、これ?・・・なんか、お貴族様のお嬢様が散歩をしていて、この石を見つけて 「きゃっ、かわい〜。そうだ、これを巨人の心臓ってことにしましょ(はーと)」なんて決めちゃったんじゃないの?
Pi-子:うん、まぁ、そんなもんかもね。


さらに上に登っていくと、眺めのいい砲台の跡地に着いた。
16世紀にはスペイン無敵艦隊を監視する要塞だった時に作られたものなのだろうか。
天気がよければ「眺めがいい〜、気持ちいい〜」というところなんだけど、今日はともかく寒いっ!
早いところお城へ入ろう。

お城の中は風はしのげるものの薄暗く「お城」という華やかなものではなく、「修道院」「要塞」といった方がよさそうだ。 現在でも男爵とその夫人がここに住んでいるというのは驚きだ。さぞ、買い物が不便なことだろう。 (自分で買い物には行かないのかもしれないが)


順路にそって歩いていくとテラスに出た。
真下を見ると高さに一瞬「くらっ」とするが、とてもきれいに手入れされている庭が見える。
少し遠くを見ると自分たちがここへ着いた港が一望できる。(写真クリックすると拡大図が見れます)
右側の家(実はお土産屋)のところから海の中に筋のようなものが見えますが、あれが「海の道」で 干潮時はそこを歩いて行き来できます。

建物の一番高い部分にあるチャペルを通り、順路に沿って歩いて行くと出口に出た。
やって来た時と同じ急な坂道を降りていく・・・すべるから登る時より怖いよ。

下まで下りると朝よりはだいぶ潮が引いていた。
ペンザンスの駅前で見たパンフレットには3人の女性がスカートをたくしあげ、サンダルを手に持ちながら 歩いている写真が写っていたが・・・この寒さでそんなことしたくないっ!
ボートで陸地まで帰る。波はだいぶ静まっていたので行きのようなジェットコースター気分は味わえなかったのは よかったような残念だったような・・・。

一旦、ペンザンスへ戻り、次はランズ・エンド(Land's End)へ向かう。

再びバスでGO!

ランズ・エンド・・・文字通り「地の果て」、イギリスの西南部コーンウォール半島の先端。
ガイドブックには「強風が吹き荒れ、なまり色の空と海の風景が・・・」などと書いてあったので吹きさらしの まさに地の果てというものを想像していたのだが・・・バスを降りると、そこにはレストランと ゲーセンみたいなものがあるちょっとしたレジャーセンターみたいなものがあった。

・・・がっかり・・・

しかし、精神崩壊から立ち直り、先へ進んでいくと・・・
断崖絶壁、強風、鉛色の空と海・・・おおっ、これ、これですよ。
想像していたような「地の果て」の世界が広がっていた。


"Land's End"と書かれた標識があったのでそこで写真を撮ろうと思ったのだけど、なんと写真を撮るには 5ポンドもかかるとのこと。
・・・もったいないからやめておこう。
結局、横から盗み撮りした。

バスの時間もあることだし、そろそろ戻ろう。

本当なら、さらに足をのばしてミナック劇場へも行きたかったんだけど、断念。
バスは本数が少なくて不便ですわ・・・。
やっぱり田舎はレンタカーが一番だな。
Pi-子、ペーパードライバーでいることをちょっと(ちょっとだよ)反省。

夕方にはペイントンへ帰る予定だったのだけど、結局夜になってしまった。
といっても日が長く9時過ぎてもまだ明るかったのでよかったけど。

帰りの電車の中は人もまばらでいかにも「田舎の電車」という感じでよいっす。
・・・と思っていたのだけど
Pi-子:トイレ行ってくるわ。

・・・とPi-子がトイレへ行っている間に世界が変わっていた。

トイレから出ると・・・すっごい人が増えてて、大声で歌なんか歌ってて、ビールなんか飲んで酔っ払ってて
なんかすごいことになってるぞ!!


やっとのこと座席まで帰り着く。
Pi-子:何、この人の洪水は!?座席まで帰ってくるのたいへんだったよ。
アキコ:こっちもたいへんだったんだよ!プリマスからこの団体さんが乗っきて、 サッカー観戦の帰りみたいなんだけど、みんなハイになってていきなり握手をもとめられるわ、 キスされそうになるわ!
Pi-子:キスぅ?


団体さん:アーガイル♪アーガイル♪
どうやらチーム名らしい。

前に座ってたおっさん:君たちはどこから来たんだい?
Pi-子:日本からです。・・・今日の試合は勝ったんですか?

分かりきったことをきいてみる。
前に座ってたおっさん:そうなんだよ、上のリーグに昇格するかもしれないんだ。今夜は乾杯だよ。

団体さん:アーガイル♪アーガイル♪

音頭をとるおっさんがいて、何度もチームの応援歌(?)を大声で繰り返し歌う。楽しそうだなぁ。

明るいのはよいのだが、次の駅「トトネス」で彼らが降りて行く時、アキコが言っていたように握手をもとめられ、 手の甲にキスまでされた。

さすがはサッカー王国だ。(^_^;)


(Pi-子)