パブに行きたい!


パブ?クラブ?…ともかく盛り上がったスピニング・ウィール(Spining Wheel)

4月12日(金)
午前中で授業は終わり、今日の午後はスーパーへ行って食料の買出しだ。
電磁調理器をゲットしたから、いっぱい買っちゃおうっと。
授業終了後、アキコと一緒に駅前の大型スーパーへ向かう。

アキコ:パブって行ってみたくない?
Pi-子:パブ?

パブ…パブリック・ハウス(Public House)、直訳すると「公共の家」になるけど、その実態は飲み屋さんのこと。
イギリスの長い歴史から見れば、庶民のくつろぎ所だったり、政治討論をするような 社交の場だったりで確かに「公共の家」だったりしますが。

Pi-子:以前、イギリスに旅行で来た時にパブランチならしたことあるけど、 夜は行かなかったな〜…私も興味はあるけれど、どうだろう?
アキコ:何か問題あるの?
Pi-子:…うん。これはイギリスじゃなくて、フランスでの話なんだけど、日曜日の夜に ご飯食べる所を探していたんだけど、営業しているお店が見つからなくて…ほら、ヨーロッパって日曜日 はほとんどの所が休みじゃん、で、一軒だけ営業しているお店があったから、そこに入ったのはよかったんだけど、 店内に女性が一人もいなくて、私と友人が入っていったら「何だ、この娘たちは?」って感じで全員から じろじろ見られてさ…。
アキコ:それでどうしたの?
Pi-子:居心地悪かったから、すぐに外に出ちゃった。…だから、ロンドンとか都会だったら ともかく、田舎のパブってどんなもんかな〜って思って。
アキコ:そうだったんだ。でも、帰国する前に1回行ってみたいな。雰囲気のよさそうな …女性でも気軽に入れそうなお店を探して行ってみようよ。
Pi-子:そうだね。



話をしているうちにペイントン駅の近くにある、大型スーパー「LIDL(リドル)」に到着。
このスーパー、ディスカウントショップのような作りで、商品がダンボール箱のまま陳列されていて 安いんだけど、一袋がデカい。缶詰とか乾物ならいいけど、野菜なんかだと冷蔵庫がないから大量に買っても 腐らせちゃうだけだ。
アキコ:私、朝食用にチーズ買っておこうかな〜。
日本のチーズはくせがあって、あまり好きではないんだけど、ヨーロッパのチーズはくせがなくて(種類にも よりますが)おいしいのよね。私も買っておこうかな。

乳製品売り場へ行き、チーズを探す…というか、探さなくてもたくさんあります。さすが酪農国。
種類はたくさんあって選べるのだけど…難点はどれも大きい
家庭における消費量が日本と違うってことなのね…さすが酪農国。(T_T)

カタリナ:あら、Pi-子とアキコじゃない。
Pi-子:カタリナ。あなたもお買い物?
カタリナ:ええ、パンとかチーズとか…。ああ、このチーズおいしいのよ。

カタリナはたくさんの種類のチーズの中から一つを取り出した。
彼女の滞在期間はあと2週間なんだよね〜…このデカいチーズを2週間以内に食べてしまうのだろう。
さすが(アルプスの少女)ハイジの国からやってきた人だわ〜。

カタリナの買い物カゴを見ると小さな花束が入っていた。
Pi-子:そのお花どうしたの?誰かの誕生日?
カタリナ:これはシルビアへのプレゼントよ。彼女はホームステイをしていたんだけれど、 今日からハンターズロッジ・ホテル
(私たちが滞在しているホテル)に 来るのよ。ホームステイ先が学校から遠かったのと…ホストファミリーとうまくコミュニケーションを とれなかったらしいのよ。
アキコ:たいへんだったんだ。
カタリナ:今日はそのお祝いよ。…じゃあ、またね。
Pi-子&アキコ:See you !
(またね)

アキコ:シルビア、ホテルに移れてよかったね…私も何かプレゼントしたいな。
Pi-子:そうだね〜、何か日本的なもの…私、折り紙持って来たから「鶴」でも折ってあげようかな。
アキコ:私は大量に持ってきた「おかき」をあげよう。



2人で鶴を折り、アキコはおかきを、Pi-子は「Japanese Miso Soup(1パックごとに分かれているだし入りみそ汁だよ)」を 持ってシルビアの部屋へ行ってみる、が…。
Pi-子:いないみたい…まだ、着いてないのかな?
アキコ:カタリナの部屋へ行ってみようか。


カタリナの部屋(なんと私の部屋の隣りだった)に行ってみるが、シルビアは来ていなかった。
アキコ:これ、シルビアに渡しといてもらえる?こっちがシルビアの分で、こっちはカタリナに。
折り鶴、おかき、みそ汁をシルビア分、カタリナ分に分けて渡す。

カタリナ:えっ、これを私にもくれるの?まぁ、紙でこんなに小さな鳥が…それに 食べ物まで…悪いからお金を払うわ。
アキコ:(;^o^)/ そんなのいいよ。
カタリナ:でも…Pi-子なんか長期いるんだし…
Pi-子:気にしないで。いっぱい持ってきたから。

まじで。鶴だって久しぶりに折ったから折り方忘れてて、あんまり上出来とは言えないし。みそ汁にいたっては 買ったわけじゃなくて、会社のお弁当屋さんでお弁当買ったら「ご自由にお取りください」っていう所で ゲットしたものだから(さらに同僚の皆さんからカンパしてもらった)本当に気にしなくっていいっス。
…とは、仮に英語がペラペラでも言わないだろう。

カタリナ:そうだ、今日の夜はみんなでパブへ行くつもりなんだけど、あなたたちも 一緒に来ない?
アキコ:えっ、行ってみたい。
カタリナ:よかったわ。じゃあ、7時半にホテルの入り口で待ち合わせしましょう。


…前置きが長くなりましたが、ここからが本題の「パブ」のことです。


ホテルからとホームステイしている人、何人かと合流して、みんなでパブへ。
全部で10人ぐらいいたかな?その中にはシルビアとクラスメートのレティツィアとズザナもいた。

歩いて10分ぐらいで到着。海の近くにあるパブでなかなかいい感じっす。

2F席のテーブルを占領し「ふんふん、これがイギリスのパブというものなのね」と見ていると…
レティッツィア:Pi-子も何か買ってきなよ。
日本の居酒屋なら席に座って、店員がオーダーをとりにくるのを待てばいいけれど、イギリスのパブはバー・カウンターへ 行って店員にオーダー、その場でお金を払い、自分で飲み物を席まで持ってくる…という完全にセルフサービス。
食べ物と飲み物はオーダーするカウンターが違うという所が殆どです。
食事はカウンターで代金を払い「あの辺に座っている」と言っておけば、持ってきてくれます。(番号札を くれるところもあります。)
イギリス人は食事をしながら飲む、というよりひたすら飲んでいる人、またはひたすら食べて水代わりに ビールを飲んでいる人に分かれてて「つまむ」というとポテトチップ程度って感じですね。

レティツィアは手に缶を持っていた。
Pi-子:何、それ?
レティッツィア:「レッド・ブル」お酒じゃないわよ。

一口もらうと、なんだかジンジャーエールをしつこくしたような味。私は違うのにしよう。

カウンターへ行くといろんなビールメーカーのラベルがついたビア・ポンプが並んでる。
う〜ん、どれがどんな味だかよく分からないっす。
アルコールがイヤならコーラーやスプライト(7UPだったかも)もありますが、ここは一つ、「ギネス(Guinness)」に挑戦だ。

Pi-子:すみません、ギネスをください。
Barman(バーマン/店員):One pint or half pint?

わん・ぱいんと…?ああ、量をきいてるのか。
イギリスってL(リットル)じゃなくて"パイント"なのね。
ところで One pint ってどのぐらいだろ?…分からないから half pint にしておこう。

ギネスは日本でも有名になりつつある黒ビール。イングランドのビールだと思ってたのだけど、 アイルランドのビールだった。席にもどって、まずは一口

…ごくり…

ちょっと苦いけど、なかなかクリーミーな味です。
ギネスの独特な苦味&色ができるのは酵母を焦がしてから発酵するから、だそうです。

パブにはお店によっていろいろなビールがあります。
炭酸入りの日本のビールっぽいラガー、ちょっとくせはあるけどマイルドなエール、 その名の通り苦味のあるビター、ギネスに代表される黒ビールスタウトなど。
…とは言っても、ビールの種類というより、メーカー、銘柄によって味が違うのでなんとも言えませんが。 (極めるほど飲んじゃいないし)。

大抵のパブはどこかのビール会社と専属契約をしているそうですが、"Free House"とお店のどこかに書かれていたら それは専属契約をしていない"Free"ということです。間違っても「ただで飲める店」ではないのでご注意を。

周りではみんな好きなように飲んでた。
ビールの人、ウィスキーの人、ソフトドリンクの人。英国式なのか、それともヨーロッパの国ってそうなのか 分からないけど、つまむものはなしで飲み物だけ。なんだかおしゃれな立ち飲み屋さんみたい。

最初は授業のように決められたテーマもなく、クラスメート以外の人も何人かいたので「何を話そう?」 と少し緊張したけど、しだいに打ちとけていった。いいもんだな、こうゆうのって。

時間が遅くなってくると店内の音楽がだんだん大きくなっていって、踊りに行く人もいた…あれっ、ダンスホールがあったってことは もしかして、パブではなく、クラブというものだったのかもしれない

…まぁ、いいかぁ。

(Pi-子)