食在亜細亜〜食はアジアにあり〜


亜細亜食品的調味料 値段は高め・・・

5月5日(月)
本日の夕食のメニューは肉・じ・ゃ・が
にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、ピーマン、牛肉は揃えたぞ、と。
しらたき・・・欲しいけど、手に入らんもんねぇ。みりんもないから砂糖でごまかせ
醤油とこんぶは日本から持ってきていたのを使えばよい・・・あ、こんぶはなくなってきたなぁ・・・だし取るだけだから使うのはちょっとだけにしよう。
数分経過。肉じゃが完成!

Pi-子:いただきま〜す。
こんぶ少ししか使わなかったけど、だしもまぁまぁ出てるな。砂糖はもうちょっと入れてもよかったかなぁ・・・でもこのぐらいでいいや。
肉じゃがはおいしくできたし、味噌汁(インスタント)もある・・・

これで白いご飯があれば最高なんだけどなぁ〜

UKでもお米を使った料理はあります。が、サラダの上にパラパラかけてある、とかリゾットとか。
お米自体が長細く、ぱさぱさしていて、いわゆるニッポンの米とは全く別物。
品種も調理方法も全然違うんですね。

「ここはお米をよりパンの方がおいしいんだから」
と自分に言い聞かせ、肉じゃが・味噌汁とパンという奇妙な組み合わせで夕食をすませる。
(ヨーロッパ人は奇妙と思わないんだろうが)

Pi-子:はぁ・・・白いご飯が食べたい・・・


5月6日(月)
今日の授業も相変わらず、キウシックと口論。
あいつ、どっか行ってくれないかなぁ・・・

Pi-子:ふぅ・・・
ノブコ:どうしたの?Pi-子。
Pi-子:いや、最近、授業がバトルだから。
レティッツィア:同じクラスの新入り君でしょ?仲良くなれてよかったね。
Pi-子:レティッツィア・・・その反対なんだけど・・・
ノブコ:例のオタク?・・・英語でオタクって何て言うんだろう?"オタ〜クゥ"とか、かな?
Pi-子:・・・それ、バリバリ日本語なんだけど・・・

ノブコ、レティッツィアと雑談しながら、一般学生ラウンジへ向かう。
お昼を食べてスタミナつけよう・・・明日の授業に備えて。

今日のお昼はジャケット・ポテト(左写真)
「フィッシュ&チップス」と並ぶイギリス庶民の味で、丸ごとポテトを焼いて、割って、中にバター、チーズ、その他お好みトッピング(ツナ・ハム・ 適当に野菜など)を入れてもう1回焼く、というおおざっぱな料理

・・・食べ物に文句いったら、バチがあたるよ(ってよくおばあちゃんが言ってた)・・・
ぱくっ
ジャケット・ポテトを食らう。

キウシック:やぁ、Pi-子。ジャケット・ポテトかい?
う・・・会いたくないヤツに会っちゃったよ。

Pi-子:お・・・おいしいよ、ジャケット・ポテト。あんた、まだ食べたこと・・・はっ
顔を上げてキウシックを見た瞬間、息がとまった。いや、正確にはキウシックが手にしたモノを見たからだ。

白いご飯だぁ〜

容器からして、韓国版「玄関開けたら2分でご飯!」ってヤツだろう。(韓国にもあるんだなぁ)
さらに反対の手には韓国のりを持っていやがる。

ダメだ・・・目がそらせない。
キウシック:これが今日のボクの昼食さ。ご飯にのり、醤油をかけて食べようかと思って。

のりご飯かぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!

韓国のりに醤油をかけて・・・かぁ・・・なんて美味しそうなんだろう。
Pi-子:(ごくり)私、韓国のり、大好きなんだ・・・
あ、ヤバい・・・
キウシック:(勝ち誇ったように)そ〜なんだ、Pi-子、韓国のり好きなんだ。 さっ、昼食食べようっと。
くっ、悔しい!

キウシック、目の前でのりご飯を食べ始める。
キウシック:食事だけは合わないかと思って、いろいろ韓国から持って来たんだ。おかげで空港で重量制限ぎりぎりだったよ。

話ながら、何やら怪しい飲み物を出して・・・飲んだ。
Pi-子:何、それ?
その飲み物は、青汁を薄くしたような色・・・お世辞にもおいしそうとは言えなかったが・・・
キウシック:飲んでみる?

ヤツの飲んだモノなんてっ!・・・とは思ったが、好奇心には勝てず、一口
ごくり・・・
Pi-子:・・・なんだろ、これ、飲んだことがあるような気がする・・・

ミア:ハーイ
ヒロコ:ハーイ

そこにミア(韓国人)とヒロコ(日本人)登場。
ヒロコ:何?それ
Pi-子:あ・・・ああ、これね。キウシックの飲み物なんだけど、なんか懐かしい気がするんだよね。

ヒロコに差し出す

ヒロコも怪訝な顔をしていたが、一口
ヒロコ:分かった。これきな粉じゃない?
Pi-子:きな粉、きな粉かぁ。納得。韓国にもあるんだね。
ヒロコ:文化が近いし、あるかもね。


ミア:!!!!!!!!!!!!
キウシック:!!!!!!!!!!!!!!!

ミア、とキウシックがこの飲み物のことで言い合いしているみたいだ。(ハングルなので詳しくは分かりません)
ミアもどうやらキウシックとは馬が合わないようで・・・合うヤツがいないか。

ミア:Pi-子、私のドリンクの方がおいしいわよ。飲んでみて!
ミア、手に持っていたペットボトルを差し出す。
ドリンク競争してくれてもなぁ・・・(^_^;)

ま、一口いただきましょ。これは普通にお茶の色。
ごくり・・・

Pi-子:分かった。これって玄米茶だ。ミア、このお茶はお米から作られてるの?
ミア:そう、そう。日本にもある?
ヒロコ:あるよ、多分同じものだと思う。
ジョアンナ:みんなで集まって何を騒いでいるの?


ジョアンナはどこからお湯をもらったのか、ラーメンを持っていた。
Pi-子:そのラーメンは国(台湾)から送ってきたもの?それともイギリスで買ったの。
ジョアンナ:台湾のよ。家から送ってきたの。イギリスのはおいしいのもあるけど、やっぱり違うわね。
ミア:話には聞いていた通り、イギリスの食事ってイマイチだもん。どこへ行ってもこってり油のフィッシュ&チップス、 フィッシュ&チップス、フィッシュ&チップス・・・でさ。
うわさのフィッシュ&チップス
ノブコ:私はフィッシュ&チップス、けっこう好きだけど。


前にも触れましたが(「電磁調理器を求めて」参照)イギリス庶民の味、フィッシュ&チップス(Fish & Tips)。
タラ、ヒラメ、カレイなどの魚の切り身に衣をつけ、揚げたものとフライドポテト(チップス)をセットにした料理。
キリスト教では、「金曜日にお肉を食べない」という決まり(?)があり、その日は肉の代わりとして魚を食べるんだとか。

イギリスは日本同様、海に囲まれた国だし、ペイントンは海の街なので魚屋さんもあります。
魚屋さんの魚はおいしそうなんだけど、それにわざわざ衣をつけて揚げなくても・・・焼くだけでいいじゃん!と言いたくなります。

ヒロコ:フィッシュ&チップスのおいしいお店もあるけどね。
Pi-子:新鮮な魚を新鮮な油で揚げているとこなら、ね。素材の魚はともかく、油が怪しい。同じ油を使う料理でも中華の方が全然おいしいよ。


自国の料理、イギリスの料理のことで話に花が開く・・・

Pi-子:あ〜、なんかいろいろ食べたくなってきちゃった。最近、むしょうにご飯が食べたくなっちゃてたのに拍車がかかっちゃたよ。
ジョアンナ:ご飯が食べたくなったら、中華料理屋へ行けば。チャーハンとかあるわよ。

ああっ、そうか、そのテがあったか。
確かホテルの近くにも中華屋さん、あったな。
さすが中国人(華僑)は世界を征服しているだけのことはある。

ジョアンナ:あ、午後の授業始まっちゃう、行かなきゃ。じゃあね。
ノブコ:あ、私も。じゃあまた。

午後の授業のあるジョアンナとノブコはあわただしく去っていった。

キウシック:Pi-子、これ、あげるよ。
Pi-子:えっ?

キウシックがくれると言ったのは、なんと韓国のり

Pi-子:え・・・でも、いいの?韓国から持って来たんでしょ?
キウシック:いいよ、いっぱい持ってきたから。
Pi-子:うそ〜、ありがと〜!!!

キウシックのことを「いいヤツ」と思ったのはこれが最初で最後であった。

ミア:私もいっぱい持ってきたから、Pi-子にあげるよ。それからお茶もあるよ。
妙なところでキウシックに対抗意識を燃やしているミア。
Pi-子:あ・・・ありがと・・・(^o^;)


ホテルにもどり、ラウンジで早速韓国のりをつまみながら宿題をやっているとレティッツィアがやって来た。

レティッツィア:それ、さっき韓国ボーイからもらった食べ物ね。
Pi-子:うん、おいしいよ。レティッツィアも食べる?

と言って、一枚差し出す。

レティッツィア:No, No!悪いけど、いらない。
Pi-子:そう?おいしいのに・・・。
レティッツィア:アジアの食文化ってヨーロッパのとは全然違うよね。この間、Pi-子がくれたミソスープに 入っていた、あれ・・・何かしら、ぬるぬるした葉っぱみたいの・・・
Pi-子:ああ、わかめ。葉っぱじゃなくて海草だよ。
レティッツィア:そう、それとか。それに食器、2本の棒を使って食べ物を持ち上げるじゃない。あれでよくつまめるって関心しちゃう。
Pi-子:う〜ん、慣れればナイフとフォークより簡単で便利だよ。
レティッツィア:そういうもんかしらねぇ・・・


スイス人のレティッツィアにはイマイチ理解できないようだ。
レティッツィアが日本に来て納豆やとろろをみたらどうゆう反応をするのだろう・・・

レティッツィア:やっぱり、それ一枚もらってもいい?
Pi-子:のり?いいよ。

好奇心には勝てなかったようだ。
一枚レティッツィアにあげようとするが・・・

レティッツィア:あっ・・・いやっ・・・もう少し小さくていいから・・・
半分にして渡そうとするが・・・
レティッツィア:それよりもっと小さいの。ひとかけらでいいっ。
ご要望に応じて指先ほどちぎってレティッツィアにあげる。

レティッツィア:ぱくっ
Pi-子:どう?意外とおいしいでしょ。
レティッツィア:そうね・・・クリスピーな食感で思ったよりは・・・
Pi-子:もう少し食べる?
レティッツィア:いや・・・いらない。


おいしいと思うんだけどなぁ・・・。(^_^;


翌日、昨日の韓国のりのお礼にキウシックにインスタント味噌汁をあげる。

キウシック:あっ、ミソスープだ。
Pi-子:知ってるの?
キウシック:知ってるよ。わりと好き。あっ、そうだ、韓国から麺も持って来ているから、それに入れて食べよっと。

味噌に麺かぁ・・・あれ?それって・・・味噌ラーメンかよっ

食べたいよ〜 (ToT)

(Pi-子)