富士登山 5合目→山小屋(8合目)


一生に一度は富士登山!

東京駅八重洲中央口、午前6時

Pi-子隊長:眠い〜、なんでこんなに朝早いの〜?
ピッキー:自分でツアー選んだんでしょ!?

集合時間は午前6時20分である。

Pi-子隊長:どのツアーも似たり寄ったりだったんだよ。
ピッキー:渋滞することも考えてるんだよ。しずるちゃんと姐さんは来てるかな?


5合目までバスに乗って行く
まる子:おはよ〜
ピッキー:おはようございます。すごいね、富士山行きのバスが何台も並んでるよ。間違えないようにしないと。
Pi-子隊長:「富士山を歩こう」ってステッカーの貼ってあるバスだよ。
ピッキー:おお、あった。あれかな?

しずる:おはようございま〜す。
Pi-子隊長:おはよ〜。いや〜、今日は天気がよくてよかった。これも日ごろの行いってやつだね。
しずる:いや、気象神社のおかげなんじゃないか?勘違いはよくないよ。


全員そろったところで、バスに乗り、定刻に出発。
バスガイド:おはようございます。
全員:おはようございま〜す。
バスガイド:私、富士スバルライン五合目まで皆様とご一緒させていただきます。本日、東京は非常にいい天気ですが、富士山では雷雨注意報 が出ておりますのでお気をつけください。
Pi-子隊長:えっ!!気象神社は何してるんだ?お賽銭ふんぱつして50円も入れたのに!?
しずる:50円しか入れなかったの!?10,000円、せめて5,000円ぐらい入れればよかったのに!!!

お金じゃないよ、気持ちだよ。



Pi-子隊長:ZZZ・・・
しずる:わ〜、すごい渋滞!

しずるの声に気が付いて、外を見ると乗用車、乗用車、乗用車・・・すごい渋滞。
ピッキー曰く、この渋滞は富士スバルラインに入って4合目を過ぎた辺りから発生しているとのこと。
しかしバスはゆっくりだが動いているので、どうやら駐車場渋滞らしい。

レンタカー借りる、というのも選択肢の一つにあったのだけど、それは選ばなくて正解だったかもしれない。
ここ数年の富士山ブームで収容台数が足りてない、というのが根本的な原因なのですが、富士登山客の多くは山頂でご来光を見て下山してくるので、その人たちが帰宅の途につき始める 頃までは車は駐車場からほとんど出ていかず、車はひたすら溜まっていく一方なのだそうです。
立体駐車場計画というのもあったようですが、環境・景観保全などの理由で市民団体の反対運動があり、取りやめになったそうです。
富士スバルライン自体、樹海を切り開いて建設した道路ということで環境問題になったので、ここは環境優先で車を規制してもいいのではないでしょうか。(実際に夏の間はマイカー規制してます)

富士スバルライン五合目駐車場に着いたのは、午後12時。
Pi-子隊長:けっこう時間かかったね〜。
しずる:おかげでバスの中でよく眠れたけどね。


到着した後は「みはらし」で45分間の休憩。(ツアーに含まれています)
ピッキー:集合は12時45分かぁ。高度に慣れるようには5合目で2時間ぐらい滞在した方がいいって本に書いてあったんだけどな。
富士スバルライン五合目の標高は2,305m。
このぐらいの高さになると鳥海山(2236m/秋田・山形の県境)、大雪山旭岳(2290m/北海道)の山頂ぐらいあるのだけど、車で来てしまうとそれだけ高度な所に来たんだ、 という実感は薄い。

まる子:渋滞しちゃったし、しょうがないんじゃん。
Pi-子隊長:お昼(持参)食べ終わったら、ちらっと売店見て、トイレ行って、ぶらぶらしてようか。
しずる:そうだね〜。
ピッキー:オレ、荷物見てるから先に行ってきていいよ。
Pi-子隊長:じゃあ、よろしくね。



宿泊・休憩所「みはらし」(右側) スバルライン5合目終点 普通の観光地っぽい

そして45分後
ピッキー:トイレ行く時間なかった。
女性陣一同:ごめん、ごめん。

・・・というのも、女性用、男性用どちらも混んでいたのです。
それでも女性陣は先に済ませていたのですが、最後に行ったピッキーが・・・

Pi-子隊長:男性用までそんな混んでると思わなかったよ。まぁ、でもイザとなれば立ち○ョンってテもあるし
ピッキー:無責任なこと言うなよ!!

環境保護、景観保全、猥褻物陳列・・・どれをとってもいけません。
おまけに富士山は6合目を過ぎた辺りから森林限界で、木が一本もなくなります。

しずる:それにしても、5合目からトイレ、50円なんだね〜。
まる子:確かに。5合目って思ったより建物きれいで、普通の(平地の)観光地と変わらない感覚だもんね。
Pi-子隊長:ここから先は1回、200円だってよ。環境保護と、トイレを清潔にしてもらってることを考えれば仕方ないよ。

昔はトイレは垂れ流しで、入ることをためらってしまうような汚さ・臭いだったようですが、どこのトイレも感心してしまうぐらいきれいでした。
紙もあったし、場所によっては生理用ナプキンまで用意されていていたれりつくせり。

ガイドさん:クラブゲ○ツ、11班で参加の皆さん、集合してくださ〜い
参加者は全員で何人いたんだろう・・・とても把握できるような人数ではなく、その団体を一人のガイドが連れていくことは不可能なので、15〜20人毎に班が分けられていました。
でもって、我々は11班(全部で12班)。

ガイドさん:人数を確認します。代表者の方だけ返事してくださいね。
Pi-子隊長:番号!
ピッキー:1!
まる子:2!
しずる:何、点呼?3!
Pi-子隊長:チームアドベンチャー、全員います!

ガイドさん:今から簡単に登山の注意事項を説明させてもらいます。私がペースメーカーとして先頭を歩きます。いきなり登ると高山病になりやすく、 また、体力ももちません。その為、皆さんが普段歩いているよりかなりゆっくりのペースで行きますが、追い抜かないようにお願いします。
一同:は〜い!
ガイドさん:体力に自信の無い方、ご年配の方、女性の方はなるべく私の後ろ、列の前の方にいてください。最前列の方がペースが乱れにくいです。 それから、途中で怪我をしたり、気分が悪くなった際には遠慮なく申し出てください。いいですね?
一同:は〜い!
ガイドさん:では、出発します!頑張るぞっ!
一同:お〜!

ガイドさんを先頭に登山開始。


最初はなだらかな下り
出発〜!

ここからひたすら頂上を目指して登る・・・のかと思いきや、最初はなだらか〜な下り坂が続く。
なんだ、富士山大したことないじゃん、なんて余裕のハイキング気分。
しかし、これが落とし穴。
ついつい早足になり、後になって高山病を誘発しやすくなるのだそうです。
ガイドさん:ちょっと遅いな〜、と思われるでしょうが、後々のことを考えてこれぐらいで行きますよ。

しかし、ハイキング気分も長くは続かない。
途中から本格的な登山道へ突入。
ガイドさん:ここからが、本当の登山開始ですよ。
流石、ガイドさんも心得たものであります。


ここから本格的登山開始 ハイドレーションで給水

そして全員、急に口数が減ってきました。
ガイドさん:ちょっと休憩しましょうか。
必ず山側に沿って休憩(転落防止&落石防止の為)
ガイドさん:水分補給はちゃんとしてくださいね。女性はトイレに行くのを煩わしがって、水分摂取を控えたりしますが、脱水症になりやすくて危険なんですよ。
しずる:はい。
まる子:ねぇ、Pi-ちゃんとピッキーのそれ、何?


皆から羨望(好奇?)のまなざしを受ける我々。
2人は背負ってるザックから、ペットボトルを取り出して→ふたを開けて飲む、ということをせずにリュックか出ている管から水分補給をしていたのです。
Pi-子隊長:これ?ハイドレーションって言って・・・
簡単に説明すると、水袋・水筒をザックの中に入れて、そこからホースを出して飲み口を胸の辺りにセッティングして、水分補給が簡単に出来るようになる機能です。
長時間に及ぶ、登山、ランニング、サイクリングに使用できるようになっていて、最近のリュックにはハイドレーションを入れる専用のポケットなんかもあったりします。
手軽に給水できて便利なのですが、欠点は水袋・水筒をザックに入れているので、残量が分からないことと、値段が高いこと!
水袋・水筒とチューブをセットで買うと¥3,000〜¥5,000ぐらい。
1度きりの登山に使うにはちょっともったいない。
(興味のある人は"ハイドレーション"で検索してみてください。)
しずる:へ〜。
まる子:なんか山でスキューバーダイビングやってるみたいだね。


ガイドさん:出発します!
その後もガイドさんは「まだまだ行けるよ」というタイミングで休憩をとりますが、結果的にはそれが体力を温存することとなり、元気に山頂を踏むことにつながるのです。

6合目の「安全指導センター」を越えて登っていくと、とうとう背の高い樹木はなくなり、ジグザグの坂道が続きます。
下は土ではなく砂礫と溶岩。
足が踏ん張れない上、ずるずると滑って歩きにくいことこの上ない。

Pi-子隊長:普通の山だと樹木で上まで見えないから知らず知らず歩いていくけど、富士山は見上げると「まだまだ」って分かるからストレスになるね。
まる子:それはいえるかも。
ガイドさん:そうゆう時は上ではなく、下を見てください。「ここまで来た」って思えますから。

なるほど、逆点の発想ですね。


上から見るとこんな感じ
砂礫の九十九折の道

砂礫と溶岩の九十九折の道を上ること、約1時間。
7合目の最初の山小屋「花小屋」が見えてきた。
5合目から登ると"しょっぱな"にたどり着く山小屋であるため「花小屋」という名前なのだそうです。

ガイドさん:ここから先は傾斜の急な所や岩場が増えてきますので、伸縮できるステッキをお持ちの方は少し縮めて、軍手がある方は準備してください。 休憩はちょっと長めにとります。

休憩 初老のおじさんにナンパされた(した?)しずる

リュックを下ろして、腰を下ろす。
ゆっくり登ってるから、それほどハードだとは思わないけど、さすが富士山は日本一の山だな。ようやく7合目だもんね。

ピッキー:食べる?
差し出されたのは市販の「干梅」
Pi-子隊長:食べる。ありがと。
すっぱさが身にしみますな。

まる子:食べる?
差し出されたのはしみチョコ(スナック生地にチョコレートをしみこませたお菓子)
Pi-子隊長:食べる。ありがと。
甘さが身にしみますな。

Pi-子隊長:あれ?しずるは?
まる子:あれ?どこに・・・あ、下にいるよ

下の岩に座って同じツアーの初老のおじさんと語らうしずる。
なんかいい雰囲気だから2人にしておこう。

登山再開。
ガイドさんが言っていた通り、今までは道幅が広い、砂礫の道を登ってきたけれど、ここからは本格的な岩場。
ガイドさん:鎖がありますが、あれは登山道の目印であり、あまりしっかりとは固定されていないので体重をかけないようにして下さい。
言われなければつかまるところでした。(^_^;A

厳しい岩場 渋滞・・・ガスが出てきました

キツさは覚悟していたものの・・・道幅が1人分くらいしかないところが増えるため、度々渋滞が発生。
そして強制休憩。
おかげであまりキツさは感じませんでしたが、確実にペースは崩されました。

ピッキー:天気よければ最高なんだろうけど、イマイチ、ガスってるな。
まる子:雨が降らないだけいいと思わなきゃ。雷雨注意報が出てるぐらいだし。

気象神社は・・・?


岩場は続く 富士山に生える草花

いくつかの岩場と山小屋を越えていき、ようやく8合目最初の山小屋「太子館」が見えてきました。
「太子館」という名前は「聖徳太子が白馬に乗って富士山まで飛来した時、休憩した場所がちょうどこの場所であった」という伝説に由来しているのだそうです。
ここまで飛ぶことができる空飛ぶ馬・・・いたら、いいね。

ガイドさん:ここで標高約3000m、5合目から山頂までの行程のちょうど中間になります。
Pi-子隊長:まだ中間なんだ・・・。
まる子:もう中間、って思うようにした方がいいじゃない?


3000mだと、甲斐駒ヶ岳(2967m/山梨・長野の県境)、乗鞍岳剣ヶ峰(3026m/岐阜・長野の県境)の山頂に匹敵する。


おおっ、ここまで来たぞ(と思うことにしよう) 上下に雲が ちょうど雲の間にいるんでしょうか

ガイドさん:標高が高くなってきたので、だいぶ空気が薄くなってきています。息があがってきたら、深く深呼吸するようにしてください。 息をゆっくり吐くと深く吸えますよ。
Pi-子隊長:ヨガみたいだね。
しずる:そうだね。


8合目に入ると岩場も蓬莱館の辺りで終わり、砂礫アゲイン。
砂礫の道は、滑るのよね〜。
あまり疲れていないと思っていたけど、6合目よりの砂礫よりも辛い。
高度が上がったことと、疲れが出てきたのだろう。


8合目を越えると雪がまだあるんですね 「亀岩」 山小屋までもう少し

ガイドさん:「亀岩」が見えてきました。みなさん、お泊りの「白雲荘」はもうすぐですよ。
左側に「亀岩」という大きな岩が見えてきた。
そして、気が付くとガスがなくなり、いい天気。
これも日ごろの行いってことでしょうか?(^_^)v

何度か九十九折の砂礫に道を行くと、ようやく「白雲荘」に到着。
いや〜、疲れた〜


山小屋「白雲荘」

夕焼け雲

ガイドさん:皆さん、今日はお疲れさまでした。しかし、富士山のキツさはこれからです。今日の行程はウォーミングアップだと思ってください。
ウォーミングアップ!?これで・・・

(Pi-子)