次は今回の旅のメインイベント、
氷渡(すがわたり)洞探検である
龍泉洞を12:30に出発、予約した時間は13:00
普段なら30分かからずにで到着するのだろうが・・・
Pi-子隊長:いやぁ、すごいね。ここからはあんまり除雪されてないよ
そうなのだ。
龍泉洞は全国でも超メジャーな観光地だからか、宮古→龍泉洞までの道は完全に除雪され、何ら問題もなく来られただが、ここからは除雪はされているものの、
残った雪が夜間凍ってガチガチのアイスバーン
まるで「セガラリー」だ。
某ポテチの宣伝ではないが
「You can't stop it !」車は急に止まれません。
ピッキー:洞窟はガイド予約してるんだろ。スピード出せないし、遅れそうだから電話で連絡をいれたほうがいいんじゃないか?
Pi-子隊長:私もそう思ったんだけどね、ずっとばり圏(ばりばり圏外)なんだよ。
ピッキー:オレ、隊長、まる姐さんはキャリアが同じだから3人ともダメだな。るむちゃんとくりりんちゃんは?
るむ&くりりん:圏外でございます。
Pi-子隊長:各員携帯の電波状況を常にチェックせよ!電波を拾い次第電話をかける。
一同:イエッサー
しばらく道なりに直進。
交差点もないし、当然信号もない、対向車1台もすれ違わないような山道。
昨日とうって変わったような青空に白い雪が映えるなぁ。
くりりん:電波キター!!
ピッキー:よっしゃ!
車を路肩に止める。
いや、あまり路肩に止めると滑って転落しそうで危険なので、気持ち幅よせしてみる。
後続車もないので、迷惑にはなりそうにないし。
くりりん:いや〜ん 圏外になっちゃった
ピッキー:結構シビアだな
Pi-子隊長:バック、バック!
仕方がないので、車を数メートルバックさせ、どうにか電波を再キャッチ
くりりん:電話でませんよ。呼び出し音はするんですけど。
ピッキー:せっかく貴重な電波拾ったのに・・・
ここに留まっていても、時間がもったいないのでまずは先を急ぐことにした。
そして、しばらく走ると建物らしきものが見えてきた。
Pi-子隊長:あっ、ガソリンスタンド発見!あそこで左に曲がって・・・
ピッキー:あい
Pi-子隊長:右側に見える橋を渡って、突き当たりを左ね
ピッキー:次は
Pi-子隊長:そのまま直進、「ガソリン」の文字の手前、平屋の建物・・・だって。
まる子:あった、あれじゃない?
とりあえず指定された場所の前で車を停める。
時刻はジャスト13:00!
まるでサスペンスドラマのようにぴったりだ。
ピッキー:で、ここからどこへ行けばいいのだ?
カーナビを見ると手前の建物には「郵便局」が表示されているだけで、その他は普通の民家っぽいのだが
Pi-子隊長:どこだろ?もらったメールにはここまでしか書いてないよ
というやりとりを車内でしていると「郵便局」から一人の男性が微笑みながら近寄ってきた。
???:すみません、予約いただいた「チームアドベンチャー」様じゃないですか?
Pi-子隊長:はぁ、そうですけど
大崎さん:私がケイブレンジャーの大崎です。とりあえず中の方でどうぞ。
中ってどこ?
と思っていると、案の定、「郵便局」の中へ案内された。
もっとも実際の建物には「郵便局」とは書いていないのだが
大崎さん:カーナビに「郵便局」って書いてありました?そうなんですよ、もともとは郵便局だったんですよ、ここ。
確かに中に入るとカウンターらしきものが残ってる。
さっそく元郵便局という事務所で作戦会議が開催された。
大崎さん:では、これから行く氷渡洞探検の説明を行います。まず洞内は真っ暗なんでそこんとこよろしく。
ところでヘッドライト(別名:川口浩)は持ってきてますか?
一同:ばっちりです。
恐竜型川口浩を装着した隊長 |
くりりん:私、持って無いです
大崎さん:ないと厳しいので有料になりますが別途レンタルしてください。他にも明るさが不安な方は申し出てくださいね
るむ:じゃあ私も借りていこうかな。
まる子:これはどんなもんでしょう?
まる姐さん、川口浩をオンにして大崎さんに聞いてみる。
大崎さん:微妙ですが今回は人が多いので大丈夫でしょう
がぉ〜ん
隊長自慢の恐竜型川口浩が火を・・・いや明かりを点けた。
Pi-子隊長:子供用だから暗いんだよね、これ。私もレンタルしようかな。
大崎さん:いいえ、それは持っていってくださいね。
なかなか話が分かるガイドみたいだ。
大崎さん:皆さん、装備は大丈夫ですね?洞内の気温は約10℃、水温は約9℃です。砂や泥で汚れてもよい動きやすい服装、ひざ上まで濡れる場所を通過します
ので濡れてもよい運動靴、但し、鍾乳石保護のためスパイク付は禁止です。ケガ防止、及び鍾乳石保護のため軍手は必ずしてください。両手が使えるように、荷物は背負ってください。
それからいうまでもないですが、洞内の環境を変えないでくださいね。鍾乳石を叩いたり、壊したり、動かしたりすることはもちろん、落書きや落ちているものを拾うことも禁止です。
また、洞内生物への悪影響を避けるため、ゴミ捨て、喫煙、排泄もだめですよ。私が携帯トイレ(有料)を持っていきますので、もしどうしても!ということになったら
声をかけてください。
一同:OK牧場!
一通り説明が終わると、着替えも済まして
いざ出発!
洞窟へ向かう途中の売店(地方特有のスーパー兼、コンビニ兼、DIYショップのようなところ)でヘルメット及び川口浩を装着。
完璧すぎるぐらい完璧だ。
なんとなくBGMはドラクエ、後はラスボスを倒すのみ!
鍾乳洞入口近くの駐車場で車をおり、そこから徒歩。
るむ:わ〜、寒〜い!
Pi-子隊長:わ〜、滑る〜!
コート類はすべて元郵便局の事務所に置いて、洞窟仕様の薄着になっているので1月の岩手は寒い、寒い。
さきほどの大崎さんの説明の通り、洞内の気温は常時10℃ぐらいを保っているので、暖かいダウンのコートなど着たら暑くなることこの上ない。
ましてや中でじっとしているわけではなく、くぐったり、上ったりしなければならないのだ。
雪に覆われた氷渡洞入り口 |
上は長い袖のTシャツの上にレインコートをはおり、下はジャージ、靴は今回は水の中を歩いていく箇所があるというので「ぬれてもいい靴」を装着済みだ。
(滑らないようにゴム底でミゾがあったほうがなおいい、サンダルは危ないので不可)
車を停めた場所から洞窟の入り口までは約200m。
普段だったら大した距離ではないのだが、足元が凍結しているので慎重に時間をかけて歩く。
本番前に怪我するのはイヤだもんな。
で、やっと氷渡洞入口前到着・・・したのだが
Pi-子隊長:これ、どこから入るんですか?
大崎さん:う〜ん 見事に積もってますね。
そう、入り口に向かう数段の階段が昨日の雪ですっかり覆われていたのだ。
大崎さん:私が先に行きますので、皆さん、私の足跡の上を通ってきてください。
大崎さんの足跡を頼りに進む。
すげぇ、足が付け根まで埋まる。なかなか関東では体験できないな。
やっとのことで入り口に到着。
大崎さん:では、これより洞窟に入りますが、その前に言っておきます。私は先頭を歩きません。先頭はみんなで交代しながら行ってくださいね。
一同:???
大崎さん:私の役目は皆さんが鍾乳石を折ったり、いたずらをしないように監視することと、皆さんが間違った方へ行きそうになったら
その時だけ軌道修正させてもらうぐらいです。・・・だいたい、自由に探検できないとつまらないでしょう?
なんて話が分かるガイドなんだ!?(感涙)
入洞〜! |
大崎さん:皆さんがこれから行うのは「冒険」ではなく「探検」です。「冒険」とは危険を伴うことですが「探検」は
危険を伴いません。それを忘れないようお願いします。
なるほど英語でいうと冒険=Adveture、探検=Exploration
われわれのチーム名もTeam AdvetureからTeam Explorationとしなければなるまい。
大崎さん:前置きが長くなりましたが、入洞します。
ガシャリ
厳重に施錠されているゲートを
オーポン
ピッキー:これはむやみに人が入るのを防止するためですか?
大崎さん:それもありますけど、人だけじゃなくて熊もです。洞窟は暖かいですから冬眠には最高の環境になるでしょう。
でも観光洞になっている以上、熊との鉢合わせは避けたいですからね。
Pi-子隊長:この辺熊いるんですか?
大崎さん:いますよ。あ、そうだ。洞窟の中には熊はいないと思いますが、冬眠している生物がいます。
まる子:危険な動物じゃないですよね?
大崎さん:たぶん大丈夫です。蝙蝠がたくさん冬眠しています。ぶらさがって寝ている姿はかわいいですよ。見るのは構いませんが
ライトを当てると体がぐらぐらしてきて、それは目覚める合図です。その場合は引き続き光を当て続けたり、騒いだりしないで下さいね。
彼らが洞窟の住民であり、我々はあくまでゲストなんですから。
一同:イエッサー
大崎さんに続き、皆入場
ここは龍泉洞などの一般の観光鍾乳洞とは違い、照明や説明書きが一切無い。
入るといきなり真っ暗&狭くて体を屈めないと通れないような場所に出る。
るむ:この先、道がないみたいですけど、行けるんですか?
大崎さん:はい。突き当たりまで行くと右側に小さな穴があるので、そこから先に進めますよ。
頭の「川口浩」の光だけが頼りの文字通り「手探り状態」が続く。
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時には穴の中へ入り
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時には鍾乳石をよじ登る |
しばらく進むと天井の高い空間に出た。
大崎さん:ここは「長慶の間」と言われる部分です。かつてはここまでしかないと思われていましたが、1963年立命館大学探検部が
小さな縦穴とその先へ続く横穴を発見しました。この穴がそうです。「立命風洞」と名づけられてます。
大崎さんの指差した方を全員いっせいに見る。
そこには大小の縦穴が2つ。
大崎さん:左側の小さな穴は最初に発見したもので、右側のは後になって広げたものなんですよ。好きな方を行ってみてください。
るむ:じゃあ、私は狭い穴にチャレンジ
まる子:私もそっちにしようかな・・・でも、途中でつかえたらどうしよう。
大崎さん:大丈夫ですよ、皆さん細いから。体の使い方次第で私でも通れますよ。(平均成人男性並み体型)
くりりん:私は洞窟初心者なので広い穴にします
Pi-子隊長:・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さい方でも行けると思うけど、大きい方にしよう
賢明な判断といえよう。
ここでつまってしまったらとても楽しいネタに・・・いや、タイヘンなことになるからな。
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長慶の間 カーテンのような鍾乳石
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立命風洞 左の方の穴が最初に発見された風洞 |
立命風洞を通り、狭い横穴を上ったり、下ったり、潜ったりしながら進んでいくと「立ち入り禁止」と書かれた赤い札とチェーンが張られ
ている場所へ出た。
大崎さん:ここから先は「不帰の道」と呼ばれています。つらら石や石筍が数多くあり、変化に富んでいて歩いて楽しい洞穴ではありますが
迷路状にいくつも枝分かれしているのでガイドがいないと文字通り「不帰の道」になりますよ。
入り口の鍵を破壊して無断で入ろうとする輩はいないと思うが、ガイドなしで「不帰の道」へ行くのは命取りなのでやめたほうがいい。
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不帰の道 | 水溜りを避けながら進む |
ここから先へ行くと徐々に水たまりが見られるようになってきた。
大崎さんの話では台風や集中豪雨があると、ここは水浸しになり、ここから先へは立ち入ることが出来ないこともあるんだとか。
大崎さん:豪雨なんかで退路もなくなった時はですね、上に小さな穴が開いてるの見えますか?そこから吊り上げてもらって外に出るんですよ。
Pi-子隊長:ちょっと面白そう
吊り上げたロープが切れないことを願おう。
くりりん:きゃあっ!
突然くりりんちゃんの短い悲鳴が洞内にひびき渡った。
→ 氷渡洞・後半へ続く
(ピッキー)