日原鍾乳洞・大増鍾乳洞
(Nippara Cave & Ohmasu Cave)


大増鍾乳洞入り口

翌朝 目覚めるとあいにくの雨。
天気予報はなんと台風!
まる子:さすがPi-ちゃん。雨女パワー全開だね。(^_^;
Pi-子隊長:・・・洞窟の中に入れば雨にぬれることはないから大丈夫!


どしゃぶりでがけ崩れの危険もあるなか勿論予定に変更はない。
命がけです、アドベンチャー。いつだって死と隣あわせ!?

さて、朝食である。
またもシンプルながらおいしい朝食をいただき満足のご一行。 
これで納豆があれば約一名を除き完璧な朝食であったろう。(いや、納豆はいらない by Pi-子)
特に山菜の和え物は絶品に値する。

荷物をまとめて外に出る。
前回の「ぬる湯旅館」は表と裏で違う外観が見られたが、今回は・・・
表から見ようが裏から見ようが、朝見ようが夜見ようが普通の民家であった。

一晩お世話になりました。m(_ _)m

階段を上って道路に出ると、おお、看板発見!
夜は気づかなかい程の地味っぷり。
電飾で飾れとは言わないがせめて宿泊予約があるときだけでも照明で照らしてほしいものだ。

「鈴木」から日原鍾乳洞までは車で10分とかからなかった。
入水鍾乳洞に続き、またもや我々が一番手か!?
・・・と、期待したが、残念ながら駐車場にすでに車が停まっており、V2はならなかった。(-。 -; ) チェッ

この悪天候のなか我々の先を行くとはさぞかし名のある武人であろうと思われるが、それを確認するこもかなわず入場券を購入し、いざ突撃!

Pi-子隊長:今から突撃を開始する。かねてよりの作戦通り各自冷静な行動と任務遂行を期待する!
一同:アイアイさー!


今まさに決戦のとき! しかしここまでたどり着くにどんな困難があったのか…皆さんもご理解していただけたと思う。

ピッキー:今度は地底人いますかね?
まる子:いたら一緒に飲みたーい。
るむ:地底人にもUNOルールを聞いて昨日のことははっきりさせたいわ。
大将:こんどの穴にはホールインワンだぜ。

Pi-子隊長:気を抜くなよ。相手は関東最大級の洞窟なのだ。
ピッキー:最大級だったら隊長もケツがつかえる心配ありませんね。

オラ (ノ`0)ノ ⌒┫ ┻ ┣ ┳☆(x x) ウギャ

洞窟へ入る前に名誉の(?)負傷。
どこからちゃぶ台が出てきたのか・・・それはいいとして、それぞれの思いを胸にいざ洞窟へ候!


日原鍾乳洞入り口
渓流にかかった橋を渡り、入口近くまで来ると「ひやっ」とする。
洞内は季節問わず気温11度ということ・・・これは日原鍾乳洞だけでなく、洞窟共通の仕様であるようだ。 洞窟見学の場合は真夏でも長袖のはおれる物があったほうがいいだろう。

関東一の鍾乳洞と聞いて期待して入ったが・・・う〜ん、普通の鍾乳洞っていくか洞窟?
内部はそれなりに大きいが、あぶくま洞のような幻想的なライトアップもなければ、入水鍾乳洞ほどの冒険心をくすぐるインパクトもない。

賽の河原 三途の川 地獄谷など縁起でもない名の場所
天井知らず、竜王の間など仰々しいネーミングの場所もあったが、ちょっと腰をかがめる程度で、匍匐全身、ヘッドスライディング、1人時間差攻撃、イナバウワーなど 特別な技が必要な場所はなかった。

前回、入水鍾乳洞のCコースを経験してしてしまったせいか、通路も整備され、照明もある、万人向けのいともたやすい洞窟といったところか。

さ、新洞入り口にさしかかったところにありました、個人的には最大の見せ場、水琴窟である。
鍾乳石から染み出た水滴が地中に埋められたカメ(みたいなもの)へ滴り落ち、水音が反響して琴の音のように聞こえるというもの。
もともとは日本庭園の特殊技法のひとつといわれ、江戸の初期の庭師によって考案されたものなどといわれている。
洞窟の神秘的な雰囲気をさらに高めようと人工的に作られたものだそうだが・・・どんなものだろう。

Pi-子隊長:これが水琴窟か・・・どこで音がするのだ?
ピッキー:このカメみたいなのに水滴が反響して琴の音をかなでるとか・・・


水琴窟
し〜ん・・・


皆、水が奏でる"透明で優雅な音"を聞こうと待つが、何の音もせず。
るむ:・・・何の音もしないよ。
まる子:こうするんじゃん?

まるちゃんがどこからか柄杓をとりだし、水を汲むとカメの上に流してみた。(鳴らない時の為か?横に柄杓と水桶が設置してあった)

びしゃん、びしゃん、びしゃん・・・

Pi-子隊長:なんか、庭に昔のたらい(金だらい)を置いたまま片付け忘れていたら雨が降ってきちゃった・・・って音?
ああ、風流な心を持っていない人間はこれだからイヤだ。

しかし、しばらくして流した水の勢いがおさまってくると・・・

び〜ん・・・び〜〜ん・・・び〜ん・・・

心なしか独特の音色が看板どおり幽玄な雰囲気となり、なんとなく癒されているような気がする。
洞窟の中にはこんなことが書かれた看板が・・・


幽玄の響

一石山御岩屋の深い底から 聞こえる、幽玄なひびき ここに、水琴窟があります
囁くような 慕うような 恋するような 喜ぶような
悲しむような 偲ぶような 諭すような ひびき


この水琴窟の音は、その人の心の状態によってその聞こえ方が違うのだそうだ。
(ちなみに隊長は最後まで「たらいを・・・」とか言ってました。)


ぴかぴか光っているのは全部1円玉(左上天井部分)
水琴窟は人工物とはいえ、なかなかよい感じなのだが、洞内には他にも観音様を設けたり、なにか大げさな選出を感じなくはない。
観光地は文字通り観光客が主な町の収入源であるから客寄せのために少しでも工夫するのはわかるが、自然のまあままひっそりと しておいたほうが・・・個人的にはよいと思う。

特に「十二薬師」の所で壁一面に埋め込まれた一円玉には興ざめだな。
たいして面白いとは思わないのだが日本人はなぜか泉を見るとコインを投げるなど訳がわからん習性があるようだ。

夏季、ここは大変混雑するところらしいのだが、今日は悪天候(天気予報では台風)
比較的朝が早いということもあり、がらがらでゆっくり探索できてよかった。

しかし残念ながら地底人とはまたも遭遇できず・・・
Pi-子隊長:残念ながら・・・というか幸いというべきか、今回は大きな危険もなく、任務は遂行できた。 これも全て私のおかげだ 感謝するように。
まる子:隊長、次があるわ。私がお酒を抜かないように気を抜いてはだめよ。
Pi-子隊長:そうだ、私としたことが・・・今回はけががなく安心してしまったようだ。
るむ:次の洞窟もがんばりましょー。


日原を後にした我々は次なる目標、大増鍾乳洞に向かう。
日原鍾乳洞より日原街道沿い奥多摩方面に向かって約5km行ったところに「真っ白な鍾乳洞が目の当たりに見られます」と書かれたでかい看板を発見。
看板の脇に急な坂を少し上ったところが入り口となっているようだが・・・普通の民家があるだけじゃん。

おばあちゃん:鍾乳洞見学ですか?うちの洞窟は小さいですよ。
突然、家のベランダからおばあちゃんが顔を出した。
Pi-子隊長:いえ、白い鍾乳石が見たいんです。
隊長の言葉を聞いたおばあちゃんは納得したようにうなづいた。
おばあちゃん:こちらへどうぞ。

簡素な受付でおばあちゃんに料金を払い、早速洞窟に案内される・・・
のかと思ったら、おばあちゃんが入る前の注意と鍾乳洞のうんちくを念入りにしゃべり始めた。

おばあちゃん:外の棚に置いてある鍾乳石には触れてもいいけど、中の鍾乳石には絶対触らないでくださいね。 それから写真もご遠慮ください。
Pi-子隊長:フラッシュなしでも?
おばあちゃん:ダメ!

真っ白と評判の鍾乳石を撮ろうとしていた隊長、けっこうがっかり。(’_’、)

おばあちゃん:鍾乳洞の「鍾」の字はなぜ"金へん"に"重い"と書くのか知ってますか?
一同、首を横に振る。
言われてみればその通り、どうして"金へん"に"重い"なんだろう・・・

おばあちゃんは金づちを取り出し、棚の上においてあった鍾乳石を軽いてみる。
すると・・・確かに金属を叩いているような鈍い音がした。

一同:おおっ〜!
おばあちゃん:よかったら鍾乳石を持ってみてください。

レディーファーストということで、まずはまるちゃんがチャレンジ。

まる子:わ〜、普通のこの大きさの石よりも重い〜
おばあちゃんの話によると、鍾乳石は叩くと金のような音を出し、持つと重く、色は乳白色なので、"金へん"に"重"い"乳"の"石"と書くそうです。

他にお客さんがいないということをもあり、鍾乳石を交代で持ったり、触ったりさていただいた。
ここまでさせてくれるアットホームな鍾乳洞は他にない。
でも白さがウリのこの鍾乳洞、棚の上においてある鍾乳石は白というよりグレーに近い色をしているだが・・・?

おばあちゃん:外に出してある鍾乳石はもう死んでしまっているからね・・・
鍾乳石が死ぬ?
おばあちゃん:中のは本当に白い乳白色ですよ。じゃあ、そろそろ中に入りますか。
待ってました!\(^ ^)/


「鍾乳石ってけっこう重いんだ〜」

オープン ザ 床!

裏山にでも移動するのかな〜・・・と思っていたら、おばあちゃん、いきなり受付脇の床を持ち上げた!!

突如、床のあった部分にぽっかりと空いた穴が出現!
子供だったら「秘密基地だ〜!」とか思ってわくわくしてしまうんだろうな。(今でもわくわくしているが)

入り口から入ると中は確かに狭いが、看板に偽りなく、そこには今まで見たこともない美しい乳白色の鍾乳石が存在していた。
最大の見所は"鍾乳管"とも"ストロー"とも言われる薄い管のような形をした鍾乳石。
ロウソクのロウのように真っ白でなんともいえぬ美しさである。

そもそも鍾乳洞というのは・・・
夏休みの宿題ぐらいにはなったかな?


鍾乳管(ストロー) 写真は禁止だったので入り口看板
に貼ってあった写真を撮らせていただきました。
でもって、ここの鍾乳洞にある"鍾乳管(ストロー)"は、まさに石灰石が雨水などの水で流され、洞窟内で再結晶化されたばかり状態なのだ。 (ばかりといっても数百年ぐらい前)
天井の岩からしみ出た水がしばらくその場に留まり、水滴はやがて下に落ちるが、留まっているうちにできた炭酸カルシウムの膜が 天井に付着し、小さな直径の輪作られていく。
一滴に含む炭酸カルシウムの膜は微量だけれど、気が遠く年月、それを繰り返すと次第にストロー状になっていくんだそうだ。
ちなみに鍾乳管(ストロー)を輪切りにすると中は空洞で管の中を水が流れている、とのこと。まさにストローじゃないかい?

これまた長い年月をかけて成長していくと"鍾乳管"は"つらら石"になり、下に落ちた水滴は、床にタケノコの形の"石筍"を作る。
でもってこれまた長い年月をかけて"つらら石"と"石筍"が成長し、合体すると"石柱"になるちゅうわけだ。 (サンプル画像←クリック)

出来たばかりの鍾乳洞はとてもきれいな乳白色をしているが、洞窟が落盤や崩落などにあい、地表から暖かく、乾燥した空気が流れてくるようになると、 成長を止め、しだいに茶色・灰色に変わってしまうそうだ。
みんなも表にあった鍾乳石がグレーに変わっていた理由がこれで分かっただろう。

これで来年の夏休みの宿題も完璧だ!

大増鍾乳洞の中は鍾乳管以外にも美しい音色を奏でる鍾乳石、オーロラのような模様を浮かばせている幕状の鍾乳石など、狭いながらも見所のオンパレードであった。
そしておばあちゃんのわかりやすい解説で真っ白な鍾乳石、そして、その貴重さが理解できた。

Pi-子隊長:小さいけどこんな真っ白できれいな鍾乳石を日本で見たのは初めてだわ。
るむ:他にはどこで?
Pi-子隊長:ボルネオ。あそこのジャングルの真ん中にある鍾乳洞は本当、壁一面が真っ白できれいだったんだよ。


大将:この鍾乳洞、広げる計画はないんですか?町に協力をお願いしたりして・・・
おばあちゃん:そのつもりはないね。この鍾乳洞はうちの亡くなった旦那が偶然見つけたものでさ、観光できる ように全部1人で整備したものだし・・・なによりも、町とか役所とか嫌いな人だったからねぇ。
Pi-子隊長:ええ〜!全部1人でぇ!!

聞けば頑固一徹なご主人だったようで、何事にも自分で納得するまでやらなければ気がすまなかったらしい。
仕事(職業は不明)から帰ってくると夜でも電気をつけ、黙々と鍾乳洞を整備していたそうだ。

我々はその話に感心しきりとなってしまった。
地上に戻り、洞窟探険(?)が終了してからもおばあちゃんの話はまだつづく。
おばあちゃん:うちの息子も旦那に似たのか役所が嫌いだし、自分たちでできる事をできる範囲でやろう、 って思ってるだけで大それたことじゃないんだけどさ〜・・・(笑)

学術的にも貴重なこの鍾乳洞は市が天然記念物として保護する案もあったそうである。
そうなれば資金援助が受けられる代わりに観光地化避けられず、せっかくの鍾乳洞が成長を止め、美しい白色が失われる恐れもある。
確かに洞窟を拡張したりすれば、この環境は維持できないかもしれない。
洞口を大きくすれば外の気温に近くなってしまう。
大勢の観光客が来れば、人から排出される体温、二酸化炭素等で空気が暖められるだろうし、手を触れてみたりすればそれだけでダメになってしまう。

おばあちゃんの笑顔の裏に戦う女の顔が見えた。(ような気がする)
彼女たち一家はこの貴重な洞窟を守る為に日夜戦いつづけているのだ。(たぶん)
実際、ガラが悪い、マナーの悪い観光客は門前払いで鍾乳洞のことがわかる人に見てもらいたいという思いがあるようである。

最初に「うちの洞窟は小さいですよ。」と言われた時「え〜、狭いんですか〜」と文句を言っていたら入れてくれなかっただろう。
・・・なんかRPGみたいだ。(例:事前に村人から情報(暗号)を聞いておかないと入れない洞窟など)

ともあれ、我々がそれにふさわしい人材かわからないがともあれ見学できたのは幸運と思わなければならない。
まさにアツい鍾乳洞なのだ。

正直日原のおまけ程度に考えていたが思わぬ経験となった。
鍾乳洞について正しい知識を得て大満足、経験値が大幅アップした。

大増のおばあちゃん:この後はどうするの?
Pi-子隊長:あきる野方面へ行って三ツ合鍾乳洞と大岳鍾乳洞へ行く予定です。
大増のおばあちゃん:ああ、三ツ合鍾乳洞と大岳鍾乳洞へ行くの?そういえば、この辺の鍾乳洞を取材に来た時 の雑誌がどこかに・・・三ツ合も、大岳も、うちも載ってるけど見る?

疑問形になっているが、なんとなく「見ろ!」って感じの圧力を感じるのはなぜ?

取材された雑誌を持ち出し延々と語るおばあちゃん。
夏が近くなると雑誌、TVの取材がよく来るらしいが、前に一度某遊園地の職員がアトラクションの洞窟を作るのにやって来て「鍾乳石の成長過程を見られた」と感激して帰ったらしい。
どこの遊園地とは言わないが千葉県浦安市の近辺にあるらしい。

おばあちゃんの話はまだ続く。
ここでは民宿もやっていて、宿泊すれば無料で鍾乳洞を見せてもらえるとのこと。
民宿の軒先にでっかいスズメバチの巣(この時、蜂は確認できなかった)があること。
ちなみに民宿・鈴木もよくご存知のようで・・・さすがに田舎はせまい。

おばあちゃんの話をおもしろおかしく聞いていたが、そろそろお腹空いたな・・・

ふと、気づいた。
もうお昼が近いんだ!!ということ。
今回の目的は4つの鍾乳洞の征服・・・だが、まだ2つしか来ていない上、これから奥多摩→あきる野へ移動しなければいけない。
しかし、おばあちゃんの話は終わりそうにないし・・・

チームアドベンチャーはこの危機を乗り越え、残る2つの鍾乳洞を征服できるのか!?
それとも、ここでおばあちゃんの話を聞いてまったり過ごすのか・・・!?

次ページ乞うごご期待!!

(ピッキー)