三ツ合鍾乳洞・大岳鍾乳洞
(Mitsugoh Cave & Ohtake Cave)


大岳鍾乳洞

(前ページからの続き)
おばあちゃんのお話、おもしろいんですが、先ほど言った通り、ボクらにはこれからあきる野の2つの鍾乳洞を征服するという壮大な野望があるんですけど・・・ 今日は日曜日だから夕方には出ないと明日は出勤だし・・・また渋滞があったら帰りは何時になるか分からないし・・・(おろおろ)

チームアドベンチャー、もはやここまで・・・と思われた時、救世主(メシア)が現われた!!
救世主(メシア):まいど〜
それは八百屋のおっちゃんだった。
この辺にはスーパーがない上、高齢者が多いので、トラックに野菜を積んで販売に来ているんだとか。

おばあちゃんは救世主(八百屋のおっちゃん)と話始め・・・こうしてボクらは救われた。
もっとゆっくりできればよかったんですけどね。

道路側に回ると確かに軒先に現役のスズメバチの巣を発見!
民家(民宿)の軒先にスズメバチの巣とはなかなかオサレ・・・?

八百屋のおっちゃん(メシア):なぁに、蜂なんか怖くねぇぞ〜!おいちゃんたちが子供の頃なんかは蜂の巣に石ぶつけて 飛び出してくる蜂から逃げて遊んだもんだ〜、がはは!
メシアの豪快な言葉を聞きながら(やっと)大増鍾乳洞を後にした。

大増のおばあちゃんからだいたいの道順を教わったので、おばあちゃんの言葉とナビを頼りにあきる野へ向かった。


途中、ほうとうやで昼食をとり、いざ三ツ合鍾乳洞へ・・・
まる子:待って〜、ガイドブックを見ていたらこの辺に「全国の地酒愛好家から手に入りにくい本物の地酒」 として知られる酒造があるんだって。何時までやってるか分からないからここ行ってから洞窟へ行ってみない?
まるちゃんの言うことに誰が逆らえようか・・・「本物の地酒」を扱う野崎酒造は洞窟へ向かう途中の道、ちょっと小道を入った所へあったので行ってみることにした。


杉玉とまるちゃん
立派な門の下には蔵元の象徴である杉玉がぶら下がっており、中に入るとお店の人が試飲用の日本酒を用意してくれた。
Pi-子隊長:まる子さん、試飲しているところ写真に・・・撮るよ、っていう前に飲んじゃった。
まる子:言うのが遅いのよ〜。しょうがない、もう一杯もらっちゃおうかな?だって、ピッキー飲めないでしょう?(*^o^*)
ピッキー:
(←運転手)・・・俺の分、飲んでもいいよ・・・
このときのまるちゃんの素敵な笑顔が印象的。
キムタクを見る目よりも輝いていたような気がする・・・

各自、自分の為、お土産の為、いろいろな理由で日本酒を購入。
秋川渓谷のきれいな水と空気、そこで手作りされたうまい酒を飲んだ後(オレを除く)は、もちろんレッツゴー、洞窟!

やがて目的地、三ツ合鍾乳洞が近づいてきた。
本来であれば美しい秋川渓谷の眺めがおがめるのだが、天気予報みごとにビンゴしたのか雨はだんだん強くなっていた。
当然、フロントガラスの前でワイパーは休みなく働き、外の様子はあまりよく見えなかったのである。(残念!)

「三ツ合鍾乳洞」の看板を発見。
車が数台停まれる駐車場スペースがあったが、このどしゃぶりの雨!
行けるところまで車で行きたいというところ。

Pi-子隊長:行けそうだよ。但し、途中スイッチバック方式で登る狭い急坂あり、って書いてあるけど。
ピッキー:スイッチバック方式?

勾配が急な列車ではよく聞くが車でスイッチバック?・・・ま、このまま進んでみよう。

対向車が来たら間違いなくすれ違いはできない林道をぐぐっと登り、ここを登れば鍾乳洞・・・というところまで来た時、スイッチバックの意味が理解でした。
ピッキー:(看板を見ながら)なになに「この場所こに駐車しないでください」!?
大将:「この上に大型駐車場が有りますので車は図のように登ってください」だとよ。スイッチバック方式って こうやって登れって意味だよ。


確かにかなり狭い道で、車が回転するほどの道幅がない。
写真の看板のようにスイッチバックのような動きでないと鍾乳洞前の駐車場にはいけないのだ。

坂のカーブというか途中の折り返し部分までバックで突っ込んで(50mほど)、そこから何回か切り返しを繰り返しながら前進。
そのようなわけわからんことはしたくない!
もしくは運転技術がイマイチ自信がないのでイヤ!
という御仁には山の下の駐車場で車を停め、そこから徒歩でも行けるます。(約15分ぐらい)

駐車場に車を停め、少し坂道を登ったところに入場券売り場兼休憩室(売店?)のようなものを発見。
受付で400円を払い、入場券購入。
うむ、ここもなかなかの寂れ具合だ。

いざ突入!!
Pi-子隊長:その前に・・・皆、川口浩(ヘッドライト)の準備をしろ。
るむ:川口浩必要?中は真っ暗かな?
Pi-子隊長:いや、分かんない。でもせっかく持って来たんだから使いたいでしょ。日原でも大増でも使わなかったし。
大将:やべぇ、川口浩忘れた!?

なんというチームアドベンチャーにあるまじき事を!!
確かに事前案内は徹底されてなかったがチーム活動における川口浩は名刺のようなものである。
今後徹底願いたい。

まる子:大将以外の全員川口浩持ってきたし、真っ暗ってこともないでしょ。
気を取り直して、いざ、突入!

・・・と思ったが、ここの入り口は我々を拒むかのように鉄の扉で閉ざされていた。
本日は見学中止? ・・・いや券が買えたぞ。
大将:大丈夫、扉、開いてるよ。
施錠はされていなかったので扉をあけ中に入る。
洞窟の中には灯りがあったので川口浩なしの大将を先頭にして(やっと)いざ、突入!!

全長120mと小さい洞窟だけど、わりと見所はあるようだ。
竜神の滝 → 竜ヶ池 → オーロラ天井 → 相生殿 → 地底への誘い → 幻の間 → 竜宮の亀 → 昇殿の間 → 見返りの大石柱 → 夢の殿堂
・・・と岩にいろんな名前がつけらており、順番に進んでいく。

しかし残念なことにここの鍾乳洞の大半は成長が止まってしまっていることに気づいてしまった。

るむ:あ、この鍾乳石は死んでる。
まる子:本当、生きている頃ならさぞきれいだったんでしょうね〜
Pi-子隊長:みんなの成長が頼もしいぞ。
(涙)
昨日までの我々なら「形が面白い〜」で終わったことであろうが、今の俺たちは昨日までの俺たちではない。
大増のおばあちゃん、あなたの教えは我々の体内に刻まれました。


狭い洞内で決死の探険をする我々
また、この鍾乳洞は三層もの縦穴型になっているそうで・・・賢明な方はもうお分かりでしょうが、アップダウンが激しくなかなかハードなんです。(^_^;
岩に挟まれた狭い階段を登っていくと、反対からやってきた子供たちとすれ違った。
あれ?でも、この鍾乳洞って入口→出口と一方通行じゃなかったっけ?

子供1:なんだ、それ!?
子供2:頭に電気くっつけてる〜!

子供は元気いっぱい、川口浩を珍しげに羨ましそうに見ている。
もっとも子供たちは「川口浩」を知らないであろうが・・・

後からお父さんがやってきた。
失礼ながら、子供たちの体力にはついていけてない様子。
お父さん:あ〜、すみません、子供たちが〜・・・
子供2:すごいんだよ、あれ〜!
(と言って我々の「川口浩」を指差す)
子供たちよ たくましく成長してチームアドベンチャーへの参加を待っているぞ!!

未来のチームアドベンチャー隊員たちに別れを告げ、しばらく行くと終点と思われる所まで来たが・・・
るむ:あれ、ここって出口だよね?
そこには鉄格子の扉が閉まっており、我らの行く手を遮っていた。
RPGなら扉の向こうに中ボスがいて、ボスを倒せば財宝、(非売品の)装甲、武器なんかがあったりするのだが・・・

まる子:さっきの父子は入り口に向かって戻っていったようだけど、折り返し?
ピッキー:ということはここは出口ではないのか?
大将:とりあえず出てみよう。
Pi-子隊長:気をつけろ 突然蛇がおちてくるかもしれないぞ・・・私は最後に出る。

隊長、なんて秘境・・・卑怯なり!?
確かに昔の水スペはこのタイミングで(見るからにゴムの)蛇、原住民のヤリなんかが飛んできたものだが。

恐る恐る扉を押すと難なく開いた。そして外に出てみると細い道があり、なにやら看板が立っていた。


← 奥の院 天の岩戸

当鍾乳洞最初に発見せし処、露出した鍾乳石が見られます。
足場が悪い為、小さなお子様とお年寄りはご遠慮ください。


そう言われたら行くっきゃないぜ、チームアドベンチャー!
雨降りしきる中、通常よりはるかに滑りやすくなっている階段を登り、大きな石をまたぎながら進んで行くと小さな祠があった。
外に露出している鍾乳石は鍾乳石としかいえないものだが、最初に発見した人はここから降りていったんだなぁ〜なんて想像してみる。

せっかくなのでおまいりしてから駐車場に戻ることにした。

来た時と逆の動きをして、スイッチバックで方向転換。
そして怒涛の鍾乳洞4連発目に向かった。

三ツ合鍾乳洞から大岳鍾乳洞までは約1.5kmとあったのですぐに着くだろうと思っていたら、途中から寂しい林道に入り、さらに行くと採石場のような所に出た。
ピッキー:え〜と・・・鍾乳洞は?
Pi-子隊長:そこのトンネルみたいな所の先らしいよ。


よく見るとトンネルの入り口に「大岳鍾乳洞 トンネル先500m」と書いてあるから間違いないのだろう。
トンネル・・・つーか作業用トンネル(?)を抜け、少し行った所に鍾乳洞を発見した。
予備知識がないと採石場で折り返してしまうかもしれないが、あれはあれで、アドベンチャー気分が楽しいからいいか。

こうして大岳鍾乳洞に到着。
受付にはおばちゃんが1人、入場料500円を払う。
おばちゃん:まず10番から11番、12番と番号順に進んで25番まで行ったら帰りはい、ろ、は、の順番で戻って来てくださいね。
Pi-子隊長:はい、15番から入って、30番までいったらあ、か、さ、ですね。
おばちゃん:いえ・・・10番から入って、25番まで行ったら帰りはい、ろ、は、で・・・

隊長、記憶力がニワトリ並みだ。

では洞窟へいざ、突入!

かがまないと入れない犬小屋のような入り口を入っていくと電気はあるものの薄暗いので川口浩があると心強い。
いいな〜、こうゆう寂れ具合。
入ってすぐのところに案内板発見!(右下の写真)


やけに小さな入り口 地底人専用か!?

あ、ちょっと気になる一言が・・・

太っている人・・・!?

ピッキー:隊長、こんなこと書かれてますよ。
Pi-子隊長:何が言いたいのかな?
ピッキー:いや、別に・・・うぐぅっ・・・

何が起こったのかは最後の一言で想像していただきたい。
・・・ああ、また傷を負ってしまった。冒険にケガはつきものだな。

暗いし〜、狭いし〜、中腰でかがみながら進むところも多い。
また、雨だったからかもしれないが、ところどころ水が流れているがあり滑りやすい。
今回の洞窟巡りの中では一番入水鍾乳洞に近い雰囲気だ o(^o^)o

入り組んだ狭い洞内をしばらく行くと極端に狭い通路に出た・・・直径50cmぐらいだっただろうか・・・これを越えて行けというのか?
横を見ると「腹スリホテイ殿」なる札が下がっている。
ピッキー:こ・・・これが噂のデブ禁断の・・・
後ろから殺意を感じたので声に出すのは止めた。

皆、4つんばいになりながら難なくクリア。
入水鍾乳洞の「胎内くぐり」を通ってきた我々の敵ではなかったのだ。

「腹スリホテイ殿」をクリアし、洞内を進んでいくと

ヒュッ

何かが目の前を横切っていったような・・・

Pi-子隊長:うお?私の頭上を何か飛んでいった。ついに謎の生命体発見か?
ピッキー:隊長、あれは蝙蝠という生き物でございます。
Pi-子隊長:そうか、捕らえて参れ、食してみよう!p(^o^)q
まる子:どうか、御慈悲を。罪もない生き物でございます・・・っていうか、酒の肴にもなりませぬ。
るむ:・・・っていうか、人間に捕まるほどトロいわけないじゃん
大将:アツーい!

アツい会話を繰り返しながら先へ進む。


25番!終点まで到達しました!!

中腰でないと進めないよ

そして我々はついに鍾乳洞(公開されている部分)の一番奥、おばあちゃんが言っていた「25番」まで到達した!!
ピッキー:隊長、やりましたね、入水鍾乳洞の「Cコース」到達以来の快挙です!
Pi-子隊長:うむ、皆もよくやったぞ、後は地底人を発見して、蝙蝠の丸焼きを食べられたら完璧だ!
まる子:だから、酒の肴にはちょっと・・・まずそうだし。
るむ:だから、そんなにトロくないって。
大将:アツーい!


しばらく奥で写真撮影、雑談、冗談、回転レシーブ、ロケットパンチ、ツバメ返し・・・などなど、各々がそれぞれの表現方法で感動に浸っていたが、 ここで緊張の糸を緩めてしまうのはまだ早すぎる。
気を引き締めて、おばあちゃんに言われた通り「い、ろ、は・・・」の順に戻ることにした。

「あ、い、う」ではなく、ましてや「A、B、C」でもないところを見ると受付のおばあちゃんがこの案内板を書いたんだろうな。
「1、2、3」「い、ろ、は」の番号札とそれぞれの鍾乳石の名前が書かれた札以外にも道に迷わないように書かれた案内板(迷って出られなくなるような洞窟でもないのだが) 「頭上に注意」など書かれた注意の札・・・う〜ん、こうゆうのいいなぁ、なんだか暖かい感じがする。


子供たちとの再会
子供1:あっ!!
まる子:ああっ!
ピッキー:おおっ!
子供2:
(おでこの部分に手で円を作りながら)ぴっか〜!
ここで先ほどの三ツ合鍾乳洞で会った父子連れと感動の再会。
・・・っていうか、洞窟目的で来たのならお決まりのコースってことだな。

頭に川口浩を着けた我々を尊敬のまなざしで見つめる子供たち。
彼らのアツい視線を感じながら、我々は先に進んだ。

帰り道は行きほど入り組んでいなかったせいか、案外早く戻ってきてしまった気がした。
出口地点で記念写真をしてから、外(シャバ)へ。

おばちゃん:おかえりなさい。洞窟はどうでした?
まる子:楽しかったですよ、探険ができて
おばちゃん:「面白かった」とか「楽しかった」って言われるのが一番うれしいんですよ・・・


ここのおばちゃんも大増のおばあちゃん同様、話し好きで、長話が始まった。(^_^;A
ご主人がこの洞窟を発見したこと、二人で観光洞となるように整備したこと、ご主人が亡くなった後もおばあちゃんが1人でこの洞窟を守っているということ。
昔は本当にきれいな鍾乳洞だったのに、鍾乳石が崩される、持って帰ってしまう、防止の為の金網をつけても金網ごと壊されてしまう・・・など不心得者がいること。 不心得者の行為におばあちゃんが深く傷ついていること・・・

確かに"生きている"鍾乳石は多くはなかったし、崩れた鍾乳石、破壊された金網も見たが・・・そうゆうことだったのか。
鍾乳石は水が何百年も作る自然の芸術作品、しかし破壊することは一瞬でできてしまうのだ。
「きれいな鍾乳石を自分の家に飾りたい」と思って持って帰るのは大間違いだ。
我々が大増で学習した通り、鍾乳石は生きて成長しているからこそ美しい乳白色でいられるのだ。

おばあちゃんの話はまだ続く。
大岳鍾乳洞は東京都天然記念物に指定されているにもかかわらず、鍾乳石の破壊に対して都はあまりにも無力で何もしてくれないこと。
(そういえば大増のおばあちゃん(と家族)も役人をよく思ってなかったな・・・)

おばあちゃんの話はさらに続く。
いつの間にか話は戦争中にまで遡っていた。
昔は養蚕業をやっておられたようだが、戦争が始まってから出来なくなったということ。(主な輸出先がアメリカだったから)
この山奥にまでアメリカの爆撃機が来て爆弾を落としていったこと。

おばあちゃんの話はノンストップ!
いつの間にか話題は世間話になっていた。

洞窟の中にいた時間よりおばあちゃんと話していた時間の方が長かった気がするぞ。
・・・まぁ、後は帰るだけだからよかったが。

おばあちゃんのありがたいお話は尽きることがなかったが、そろそろ日が暮れかけてきたので帰途につくことにした。
ちなみにおばあちゃん、御歳90歳!
でもすごい元気で、洞窟内の点検も自分でされているとか・・・

おばあちゃん、いや、洞窟の女王様いつまでもお元気で。(^_^)/~~



さてこれにてついに全日程を終了した。
感想としては4つも洞窟をめぐるとさすがに一個一個の印象は薄くなるということだ。

しかし2箇所目の大増鍾乳洞で鍾乳洞のなんたるかを知ることができたのは収穫だった。
この先まだ国内には制覇しなければならない鍾乳洞がある。
そのためにも今回は有意義だったと言える。

1回目は念願の(入水)鍾乳洞は踏破!
2回目、今回は鍾乳洞とは何かということ学んだ。
3回目・・・我々の目指す穴は何を教えてくれるのだろうか?
非常に楽しみが残った。

我々に立ち止まることは許されない
この世に冒険があるかぎり

To be contniued

(ピッキー)