図鑑012

● (旧)沖縄県立大平高校(Okinawa Prefectural OHIRA high school)

【基本データ】

・略称・愛称等:

・男女共学

・住 所: 沖縄県浦添市字大平488
・校 種: 全日制
・設置者: 沖縄県
・創立年: 1979年-(校名廃止1995年3月末)
・校 訓:  自主、創造、敬愛、剛健

初代制服 1979年頃 冬服ブレザー 夏服ブラウス

2代目制服 1980年 夏服が掲載のセーラー服へ。冬服は変更なし。

3代目制服 1990年頃 冬服がセーラー服へ。夏服は変更なし。   

冬服/ 初代制服(掲載)のグレーのダブル4ボタンのブレザー。1979-1992?

夏服/ 2代目制服(掲載)で、黒地に幅広白1本線付、白のセーラー服。1980-1997

現、陽明高校の校名変更前の制服。

大平高校の制服といったら、この制服を思い浮かべる人が多いはず。

特に夏服は、生徒自身がセーラー服を選択して、初代制服から変更させたというのがすごい。この結果として、夏服と冬服でまったく流用がきかず、コストも跳ね上がったはずだけど、それよりもおしゃれを優先したということか。

夏服の黒地の襟につく太い白線はとても目立ち、襟の素材が厚かったせいもあって正面から見るとW字のような曲線を描いた。

同校の制服の変遷はめまぐるしく、正直なところ校名変更前の冬服MCは、学校の公式記録にも残っていないので、わからないことが多い。

 


沖縄女子制服ノート第108回は、(旧)大平高校の初代夏服を復元紹介する。

 

グレーのブレザー制服でスタートした旧大平高校。夏服は当然、ブラウスにグレーのプリーツスカートという組み合わせだった。特に問題となるところもない、至極平凡なデザインだったはずなんだけど、なぜか生徒から強い不満の声があがったらしい。これにPTAも加わって、設立初年度から夏制服の改定に取り組んだ結果、黒襟のセーラー服をチョイスするというところに落ち着いた。

そのため、この初代夏服は、わずか1年で消えたことになる。もっとも、冬服のブレザーを脱げば長袖の同じ格好になったはずなんだけど。

でも、当時、制服に対する不満を力説していたのが、男子?というのがよくわからない。

生徒の力で制服を変えたというこの事例は、その後、同校の制服改定に大きな影響を与えることになったので、同校にとってすごく大きな事件となった。

 


沖縄女子制服ノート第71回は、(旧)大平高校の校名変更前最後のMC冬制服を紹介するね。

この制服の記録は、記念誌でも詳細やMCの確認できない。本当に幻の存在。

90年代当時、美鈴が観察記録した資料がおそらく唯一で、今後、現物が現れる可能性もほとんどないと思う。

この制服の登場で、旧・大平高校は、夏服、冬服ともにセーラー服に統一されたわけだけど、それから数年後、校名変更があって、それに伴う制服の全面改訂により、あっという間に消えていっちゃった。だから、大平高校のこの新制服を知っているのは非常に限られてて、存在すら知られていなかったと思う。

イラストの解説文にも書いてあるけど、「沖縄らしくない」と感じたのは、沖縄の高校制服では初めて、ダブル4ボタンのセーラー服だったこともある。

中学校では、那覇市立小禄中学校の初代冬服が同じタイプだったけど、こちらは1973年頃には退役してたから、それ以来のデザインだったこともある。

しかも、学校名のイニシャルサインを採用するなど、先進的なところもあって、驚きの存在になっていた。

うまく言えないけど、この制服、雰囲気がとっても沖縄らしくなくて、本土の高校の制服らしさを感じさせた。どこが?と言われても困るけど……。

この後、学校は陽明高校に校名変更して、校章、校歌、制服をさらに一新! そこでまたまた驚きの制服が登場するのだけど、その紹介はまたの機会に。

それにしても……30年前のイラスト、カラー化してやっと公開。長かったなぁ。

渚 美鈴/記  NAGISA MISUZU

追伸/「オキナワグラフ」2013年6月号の「オキナワ高校制服図鑑 夏服編」で紹介している記事は、誤解しやすいので注意するように。紹介されてる現陽明の制服は、2代目です。